「ケツァール」、それはアステカで神の使いとされた緑色の美しい鳥
ケツァールは中南米に生息するとても美しい鳥であり、現地では「幻の鳥」とされています。
その姿は「世界一美しい鳥」とも評され、鮮やかな見た目に魅了される人も少なくありません。
かつてはアステカで神の使いとされ、ケツァールの羽毛を使った装飾品なども聖職者や王のみが身につけることを許されていたとされます。
そこでここでは、美しい姿から神の使いとされた鳥、ケツァールについてご紹介します!
ケツァールとは
ケツァールはキヌバネドリ科に属する鳥です。
カザリキヌバネドリという和名も付けられており、これはその見た目の美しさから名付けられました。
ケツァールの生息域
ケツァールはメキシコからパナマにかけての中南米に分布しており、グアテマラやコスタリカなどでも貴重な鳥とされています。
主に分布域である中南米の山岳地帯の森林などに生息しています。
なお、ワシントン条約で保護されている動物ということもあり、動物園などであっても見ることはできません。
2020年現在、日本国内の動物園で見られる場所はどこにも存在しないため、もし見たいなら現地に出向くしかありません。
ケツァールの生態
体長は35cmほどなのですが、オスは長い飾り羽を持っており、その飾り羽を含めると全長は約90~120cmにもなるそうです。
この長く美しい羽は繁殖期のみの姿であり、メスの気を引くためのものなのだとか!
好物はリトルアボカドとも呼ばれるアグアカティージョの実です。
3cmほどの大きさの実をケツァールは丸のみし、種だけを吐き出します。
世界一美しい鳥ケツァール
ケツァールはその見た目から「世界一美しい鳥」や「幻の鳥」、「神の使い」とされています。
ここからはそんなケツァールの姿について詳しく解説するとともに、アステカ文明との関係についてもご紹介します。
ケツァールの姿
ケツァールの姿は頭から背、そして翼にかけて光沢のある濃緑色の羽毛を持ち、お腹が鮮やかな赤色をしているのが特徴です。
繁殖期のオスにのみ見られる尾の長い飾り羽は、体の3倍から4倍ほどにまでなります。
この長い尾がケツァールの名前の由来とされています。
現地で「輝く大きな尾羽」という意味の言葉なんだとか。
アステカの農耕神や王族との関係
ケツァールは古代アステカでは農耕の神であるケツァルコアトルの使いとされていました。
また、その羽毛を身につけることのできるのは最高位の聖職者と王のみだったとされています。
1500年代初頭、スペインからコルテスが派遣され、メキシコに到着した際、アステカ族はとても美しいケツァールの羽毛の頭飾りを贈りました。
ところがこれは、アステカ族の中でも王家の人々のみが着用を許されたものだったのです。
当時のアステカの人々は、ヨーロッパから来た人々を非常に重要な客人としてもてなしたのです。
一説には白き人という伝説から、ヨーロッパ人を神の使いとみなしたともされています。
そのため、非常に貴重なケツァールの装飾品を贈ったのかもしれません。
ともあれ、ケツァールの装飾品はとても希少とされ、当時は金よりも価値があり何物にも代えがたいものだったとされます。
グアテマラのシンボル
ケツァールは中南米の国の中でも、特にグアテマラと深い関係にあるとされています。
グアテマラではケツァールを国鳥として指定しています。
この国鳥であるケツァールはグアテマラの国旗にもその姿が描かれています。
そしてさらに、通貨単位にもなっています。
現地では1ケツァールといった通貨で流通しており、2020年10月現在、1ケツァール=約13円となっています。
バードウォッチングならコスタリカ
ケツァールは中南米の各地に生息しているのですが、遭遇確率は決して高くありません。
しかし、コスタリカはバードウォッチングの場所として最適だとされています。
それは国土の25%が自然保護区になっていること、世界の鳥類の10%と世界の生物種の5%が生息するとされるホットスポットであることなどが理由として挙げられます。
あの名作のモデルにもなった?
非常に美しい姿のケツァールは、ある名作のモデルになったとされています。
それが手塚治虫がライフワークと称される作品、「火の鳥」です。
この作品は不死鳥である火の鳥を軸として、様々な時代と世界で物語が進行していきます。
作品のキーキャラクターである火の鳥のモデルにケツァールがなったのでは?と言われています。
こちらも世界一美しい鳥とされる「ヘビクイワシ」
世界一美しいと称される鳥はケツァールだけではありません。
アフリカなどに生息する猛禽類、ヘビクイワシもまた「世界一美しい」といわれています。
美しいその姿
ヘビクイワシはモノクロのコントラストが美しい羽毛と色彩豊かな目元を持つのが特徴で、カラフルで綺麗というよりも気品のある美しさという印象を抱く鳥です。
長いまつ毛と大きな瞳、そして長く伸びるその脚は、まるでスーパーモデルような見た目です。
ギャップの激しいヘビクイワシ
そんなヘビクイワシですが、実は美しさとは裏腹な行動をします。
なんとウサギやネズミだけでなく、獰猛なヘビなども捕食するのですが、その際に獲物を踏んだり蹴ったりして弱らせます。
その名前は、毒蛇の頭を蹴りで粉砕して捕食する姿からというのですから、いかに卓越した足技の達人であるかが分かりますね。
まとめ
ケツァールは中南米を代表とする美しい鳥であり、現地では貴重な鳥として扱われています。
その美しさは、かつてアステカの民の間では神の使いとして扱われるほどでした。
関連記事リンク(外部サイト)
おっちゃんが穴に頭を突っ込んでるのかと思ったら・・・二度見確実な驚きの光景が話題に!
列車の屋根にトム・クルーズ!?走行中の列車の屋根から余裕で手を振る姿が話題に!
川でカヤックを楽しむグループが急流に流されるシカを決死の救出!【イタリア】
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。