ニコニコ動画が民主党幹部の「偏った動画サイト」発言にマジギレして正式に抗議

nikoniko_kougi1

動画投稿サイト『ニコニコ動画』を運営するドワンゴは、民主党の安住幹事長代行が記者会見中、『ニコニコ動画』のことを「双方向と言いながら極めて偏った動画サイト」と表現したことについて、正式に抗議書を提出した。

問題の発言は、自民党の安倍総裁が14党代表による公開討論の場に『ニコニコ動画』を指定したことに関して反対の立場を表明する際に述べられたもの。

この「ニコ動は偏っているからダメ」発言に対して、ドワンゴがいつになくマジギレ。「ニコニコ動画に対する、根拠のない誹謗中傷であり、強く抗議します」「何を根拠に“極めて偏った動画サイト”と批判しているのか明確にしていただきたい」と、かなり強い調子で問いただす抗議書を提出したのだ。

『ニコニコ動画』では自民・民主とも公式チャンネルを開設しており、過去には民主党も参加しての政治討論会も開催されている。討論の模様は特に編集されることもなく、そのまま放送される。また、アカウント登録せずとも視聴できる番組も多いため、たしかにオープンな場であると言えるだろう。

偏っているとすれば、『ニコニコ動画』の政治カテゴリには、いわゆるネット右翼(ネトウヨ)的なコメントが多いことくらいだろうか。しかし、視聴者の偏りはどんなメディアにもあるものだし、コメントは誰もが自由に書き込める(NGワードはあるが)という意味では十分にオープンだ。意味のない罵詈雑言コメントであふれそうなら、コメント機能をオフにすることもできる。

自分たちの立場を単純な保守・中道に切り分けて語る政治家が多く、新聞や雑誌でも右傾化・ネット右翼といったレッテル貼りが盛んに行われているだけに、件の発言も『ニコニコ動画』の“アウェーな雰囲気”を嫌った逃げの姿勢から出たものだったのではないかといぶかしんでしまう。ドワンゴの抗議に対して民主党はまだ公式回答を明らかにしていないが、もしそうだとしたら政治家としては情けない話だ。アウェーの場こそ持論を展開して賛同者を増やせる場でもあるのだから。そもそも、より良い国をつくるための政治に右も左もあるものか。我々有権者は、真に国益を考える政党・政治家に投票するだけのことだ。

画像:ドワンゴ・小林社長の署名入りで民主党・興石幹事長あてに提示された抗議書
http://info.nicovideo.jp/20121126/

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. ニコニコ動画が民主党幹部の「偏った動画サイト」発言にマジギレして正式に抗議
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。