包丁に寿命はある?見分ける目安とお手入れの仕方を解説

包丁に寿命はある?見分ける目安とお手入れの仕方を解説

買ったばかりのころの包丁は、切れ味もよく使い心地も快適ですが、使っているうちにその切れ味はだんだん落ちてきます。キチンと手入れをしてあげれば切れ味も戻りますが、包丁の寿命とはどのくらいなのでしょうか?手入れ方法とともにご紹介します。

包丁の寿命はいつ?寿命と判断するポイントは?

料理の際に欠かせないアイテムの1つである「包丁」。

使い続ける間に切れ味が落ちてくると、寿命かな、と思う方も少なくないでしょう。

しかし、切れ味はきちんとお手入れすることで元通り。

つまり、切れ味が落ちたら包丁が寿命を迎えた、というわけではないのです。

では、包丁の寿命はいつなのか、というと、「柄がぐらついたとき」。

柄がぐらついたり折れたりすると、包丁の刃で怪我を負ってしまうことがあり大変危険です。

柄がぐらついたら、買い替えを検討するといいでしょう。

では、「包丁の寿命は具体的にどのくらい?」と聞かれた場合、答えは「使う人次第」となります。理由は刃を研ぐ頻度や手入れの仕方次第で保存状態が変わるためです。

刃が切れる状態を維持できる限り、形や長さが変わるほどに使い込んでも寿命ではないといえることから、刃の減りが少ない一般家庭では使い方次第で50年だって使い続けることができるのです。

 

和包丁の場合は鋼の物が多いこともあり、柄を交換することでまた使えるようになります。しかし柄の交換にはサビ落としなどの工程もあるため、基本的にはプロに頼む方が無難です。

 一方で洋包丁は柄の交換もできますが、修理代が比較的高いことから基本的には買い替え時になります。包丁そのものの価格や質と、修理代とを考慮して決めるとよいでしょう。

包丁の寿命は使う人次第

プロのように毎日研ぐ必要がある場合は、包丁の寿命は場合によっては1年ともちません。しかし、一般家庭の場合はそこまで研ぐ必要もないため、刃が減りきって買い替えるということは稀です。

 

そのため包丁に寿命がきたとして買い替えるタイミングは、使う人の感覚次第ということになります。「包丁の寿命は何年」と言い切れないのはこのためです。

 包丁の値段が高いほど寿命が長い

包丁は、手入れをすることで長持ちさせることができますが、手入れをして使い続けるのであれば、はじめから寿命の長い包丁を購入したいものです。

では、どのような包丁が寿命が長いのか、というと、基本的に包丁はその品質で値段が決まるため、高い包丁ほど手入れ次第で長持ちする、寿命の長い包丁ということになります。

 もし、安い包丁を長く使おうとすると、包丁を研いで手入れをする際にプロに頼む必要があるなど、コストが余計にかかることも珍しくありません。そのため切れ味が落ちてきたら寿命と割り切り、買い替えながら使うほうが安くあがることも多いです。

 このことから、普段どれだけ包丁の手入れに時間やコストをかけられるかで、包丁の選び方が変わるといっても過言ではありません。長く使える高価で質のよい包丁を購入するか、すぐに切れ味は落ちてくるものの安い包丁を買いまわすのかは使う人次第、というわけです。

 材質別、包丁の特徴とお手入れ方法

 包丁の特徴とお手入れ方法は、その材質によって異なります。

ここからは、包丁の材質別に、その特徴とお手入れ方法を解説していきます。

ステンレスの包丁の特徴と手入れ方法

ステンレスの特徴は、そのサビにくさと重さです。ステンレスとはもともと「サビない(サビにくい)」を意味する言葉。また、ステンレスは包丁で使われる素材の中でも重い素材ですが、丈夫さや欠けにくさにも定評があり、切れ味も落ちにくいのがメリットです。

 

そんなステンレスの包丁は手入れの頻度が少なくてすむ反面、切れ味の悪さを感じるころには刃がかなり減ってしまっていることが一般的です。「鶏肉の皮を切りにくい」「ネギの薄皮が切れずに残る」「繊維質の物を切ると引っかかる」というときは手入れの時期といえます。

 

ステンレス包丁の研ぎ方

ステンレス包丁は、2か月に1回ほど手入れをすることで切れ味が落ちにくくなります。

ホームセンターなどで売っている家庭用包丁シャープナーや砥石、陶器を使うことで、手軽に研ぐことができます。

 それぞれの方法について、1つずつ見ていきましょう。

 

家庭用包丁シャープナーを使った研ぎ方

一番お手軽なのは、家庭用包丁シャープナーを使って研ぐ方法です。家庭用包丁シャープナーには、包丁を研ぐための溝が1つの物と複数の物があり、複数の物は溝によって研ぎ目の粗さが異なります。

 

シャープナーでの研ぎ方は、研ぎ部の溝を水で濡らしてから包丁の刃を直角に差し込み、10回ほど手前に引くだけです。複数の溝が付いているシャープナーを使うときは、目の粗い方から10回ずつ引いて磨いていき、最後に一番細かい目で研ぐと仕上がりがよくなります。

 

砥石を使った研ぎ方

砥石を使って研ぐにはそれなりの技術が必要です。そのため通常はプロの研ぎ師に頼む方がよいでしょう。ただしキチンと研げれば、シャープナーを使って研ぐよりも切れ味はよくなります。選ぶ砥石はステンレス対応の「中砥石」を選べば問題ありません。

 

吸水タイプの砥石は先に10~20分ほど水に浸して、吸収しないタイプはそのまま使います。真正面にまっすぐ置いた砥石に、包丁を45度ほど傾けて当てます。刃を当てたまま、背を10円玉3枚が入るくらいの角度(約15度)まで起こしてください。

 

あとは包丁の柄と腹を押さえながら、10回ほど砥石の上を往復させて研ぎます。押し出すときに力を入れて研ぎ、引くときは力を抜いて軽くこするのがポイントです。反対側も同じ要領で磨き、研ぎ終わったらキレイに水洗いしてから布巾で拭いて乾燥させてください。

 

陶器を使った研ぎ方

家庭に包丁を研ぐための道具がない場合には、一時的な応急処置として陶器を使って研ぐ方法もあります。ただし、文字通りの応急処置のため、後でキチンと磨き直すことが必要となります。

 

やり方は簡単で、釉薬のかかっていない陶器の底に包丁の刃を当ててから、手前に引くだけです。陶器は手でしっかりと押さえ、包丁の両面を数回こすりましょう。後は使った陶器の底と包丁を洗って終了です。

 

 

鋼の包丁の特徴と手入れ方法

鋼の包丁はプロの料理人が愛用していることでもわかるように、切れ味がよいだけでなく持続することが特徴です。一方で刃先の硬さが災いして欠けやすく、そして、水に弱くてサビやすい繊細さも持ちます。使用中はもちろんのこと、使用後も水分を拭き取るなどの手入れが欠かせません。

 

使用前後の手入れ方法

購入したての鋼の包丁は、表面のサビ止めのニスを落とすために丁寧に洗います。洗い終わったら丁寧に水気を拭き取りましょう。

 

調理中も乾いた布巾を用意しておいて、使っている途中でもこまめに水分を拭き取ると傷みにくくなります。塩分や酸に反応しやすく変色することがあるため、食材を切るごとに水洗いをするとよいでしょう。

 

調理後は、洗剤でキレイにしてからコップ1~2杯分の熱湯をかけ、乾拭きするのがおすすめです。水分がすぐに蒸発するため、早く乾燥させることができます。それでもサビが出てしまったときは、すぐにクレンザーなどで落としましょう。包丁全体に広がることを防げます。

研ぐときは砥石で

鋼の包丁を砥ぐときの砥石は、1000番前後の目の粗さの砥石がおすすめです。もし包丁全体にサビが出てしまったときは、砥石に包丁全体を当てて研いでください。その場合に磨き傷が気になるときは、6000番前後の目の細かい砥石で仕上げ磨きをするのがおすすめです。

 

砥石は包丁を磨き始める前に、20~30分水に浸しておきます。ステンレスの包丁と同様に角度を付けて砥石に包丁を当てて、少し背を浮かせて研ぎますが、「押すときに力を入れ、引くときには抜いて砥石の上を往復する」を、10回前後繰り返してください。

 

研ぎ終わったら、いつものように洗ってから水分を拭き取り乾燥させます。長期間使わないときには刃物用の防サビオイルやサラッとした手触りの油を塗ってから、乾いた紙や布巾に包んで保管すると、サビにくくなるのでおすすめです。

 

包丁の寿命を延ばすコツ

 

冒頭でも述べた通り、包丁の寿命は柄で決まるもの。

つまり、柄を傷めないことが包丁の寿命を延ばすコツでもあります。

そのため包丁は水に浸けず、使用後は速やかに洗って乾かすのが理想です。切れ味もしっかり維持したいのであれば、シャープナーしか使えない場合は年に1度、プロに研ぎを依頼することも視野に入れましょう。

おわりに

包丁は質の高い物を選んでキチンと手入れをすれば、何十年と使える寿命の長い道具です。一方で手入れの手間をはぶくため、寿命の長さを考えずに安い包丁を使いまわす手もあります。包丁の寿命を決めるのはあなたです。自分にあった包丁をみつけてください!

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