【編集部責任編集】Xbox360『ドリームクラブ』ファーストインプレッション
2009年8月27日に発売となったXbox360用ゲームソフト『ドリームクラブ』(発売元: D3パブリッシャー)。ガジェット通信でもソフトウェアを2本入手し、ピュア班がゲームをやり込み中である。なぜピュア班か? それは、このゲームはピュアなハートを持った人じゃないとプレイできないと言われているためで、編集部でいちばんピュアな記者がふたり選ばれ、ゲームレビューとインプレッションをすることとなったのだ。
<ゲーム概要>
ピュアのハートを持った人しか来店できないオトナのお店・ドリームクラブ。そこでは、ホストガールと呼ばれる美女たちがお客をもてなしてくれるという。主人公は数奇な運命からドリームクラブの1年間有効会員証を手に入れることとなり、週末だけドリームクラブに行くことができるようになった。とはいえドリームクラブはお店であり、基本料金やホストガールの指名料、アルコール代金、おつまみ代金などが必要で、主人公は平日にアルバイトやギャンブルをして稼ぐ必要があった。ホストガールにプレゼントするアイテムを購入することもでき、いろいろとサイフの中身を計算をしつつ、ドリームクラブを楽しむ主人公。最終目的はやっぱりホストガールとの……!?
<インプレッション記者プレイ概要>
ゲーム: 『ドリームクラブ』
ハード: Xbox360 スタンダードモデル
プレイ時間: 9時間
初プレイ日: 2009年8月26日
モニター: TH-32LX65(VIERA)
AV出力: HDMIケーブル接続
・ゲームシステム(ゲーム性)
基本的なゲームの流れを説明しよう。選択肢から項目を選び、自宅、バイト先(ギャンブル先)、ドリームクラブを行き来するのが主人公の行動パターンだ。女の子と仲良くなると、それらの場所以外に遊園地やビーチなどのデートスポットに行くことができる(ただし、主人公が意図的にデートを発生させることはできず、強制イベントとして発生する)。
ドリームクラブではなにかとお金が必要であり、アルバイトをして資金を稼ぐという部分は非常に現実的な表現である。キャバクラに通うため、せっせと労働するのと同じと考えていい。以下は、このゲームのメインとなる場面を簡単に解説したものである。
自宅: バイトか休息かの選択、メールチェック、女の子へのプレゼントショッピング
バイト: コンビニやコールセンターのバイトで資金稼ぎ、ギャンブルで一攫千金
ドリームクラブ: 女の子との交流で愛を深める、飲食、カラオケ、ミニゲーム
デートスポット: 女の子との交流で愛を深める
ドリームクラブ店内では、少しだがアクション要素があり、テクニックを必要とする場面がある。お酒を飲むシーンではレバーを加減しつつ傾けることでお酒を飲むことができる。ゴク、ゴク、ゴクと3回ほど主人公が飲むと、ホストガールが1杯飲むようだ。ここで3回と書いたが、どれくらい傾けて飲んだかによって(一度にどれくらい飲んだかによって)、女の子が飲むタイミングが変化するようである。飲酒のシーンは、そのようなアクション要素があるものの、さほどタイミングやテクニックを必要とするものではない。
オムライスにケチャップで名前を書いたり、ホストガールが口にくわえたスティック型スナックをかじっていくミニゲームなどはテクニックを必要とするが、3~4度ほどやっていると慣れて簡単になってくる。ホストガールにカラオケを歌ってもらうシーンがあり、リズムにあわせてコントローラのキーを押していく場面があるが、ここのアクション要素はとてもシビアで、やはり慣れが必要となってくる。このゲームでいちばん難しいアクション要素のある場面といえるだろう。
ドリームクラブでまともに楽しもうと思うのであれば、2万円以上は必要である。2万円でもけっこうギリギリで、主人公は無料のドリンクを飲み、女の子にはウイスキーを飲ませるなどして節約することも可能。女の子と楽しめる時間は60分だが延長も可能で、その場合は延長料金が必要となる。借金をして楽しむこともできるが、あとあと資金的に苦しくなるのでオススメしない。
ホストガールは酔わせすぎると倒れてしまい、それ以上のコミュニケーションをとれなくなってしまう。しかし、酔わせないと話さないトークなどもあるわけで、シラフでトークを続けてもより楽しいゲーム展開が望めない。よって、どれくらい飲ませれば倒れてしまうのかの限度を知っておく必要がある。ホストガールは「酔ってきたみたい」的な発言をしたのち、さらに飲ませ続けると「ふにゃにゃ~」と泥酔一歩手前の声を出してくる。そこからさらに3~4杯ほどの飲ませると倒れてしまうようだ。
自宅部分では休息をとるかバイトをするかの選択に迫られ、女の子からのメールを楽しむことができる。いろんな女の子を指名しているといろんな女の子からメールがくるため、自分の八方美人ぶりを再確認することになる。バイト部分ではコンビにで1週間働いて2万円もらうか、コールセンターで2週間働いて6万円もらうか、それとも一攫千金を狙って1週間パチスロに励むか、いくつかのバイトとギャンブルの選択を迫られる(ほかにもバイトは存在する)。コールセンターで働くと稼ぎはいいが、2週間続けて働くために1回分のドリームクラブ通いがなくなってしまうので、そのあたりの調節もなかなか楽しい。
カラオケについてひとつだけ気になったので書かせてもらうが、これはレビューではなくインプレッションなので細かくは書かない。カラオケではホストガールが踊りながら歌を披露してくれるのだが、プレイヤーである主人公はタイミングよくコントローラのボタンをリズムに合わせて押さねばならず、ホストガールを見ている余裕がない。本編ゲームプレイ中にホストガールをじっくりと眺めたいというプレイヤーもいるはずなので、ゆっくり見られるようにしてほしかったと少し思う(別の方法ではじっくり見られるのだが)。
Xbox LIVE店というドリームクラブのオンライン支店があるのだが、その説明に関しては割愛するものの、できればもっとXbox LIVE店に関する案内や意味などをわかりやすくすべきだったのではないかと思われる。
・セーブシステム
オートセーブシステムで、一歩前のデータに戻ることができない。つまり、ホストガールとうまく会話ができずに嫌われてしまっても、やり直しができないということになる。このことに関しては賛否両論あるだろうが、この制約(?)があることによりゲームのハラハラドキドキ感がアップしているのも確かで、ミスをしてしまったときは現実のショック感に近いものを感じる。
ある意味、このオートセーブシステムが『ドリームクラブ』のゲームバランスを保たせているともいえる。たとえば、ギャンブルは失敗すれば数万円のマイナスになることもあり、やり直せるならやり直したい心境になるものの、オートセーブなのでやり直すことができない。これがオートセーブでなかったとしたら、きっとプレイヤーはやり直しをしてしまうことだろう。それはこのギャンブルというゲームシステムを意味のないものにしてしまうし、“やり直し” は女の子とのコミュニケーションのゲームバランス崩壊にも繋がる。
よって、オートセーブシステムをあまりよく思わないプレイヤーの審理も非常によくわかるが、その制約によって『ドリームクラブ』のゲーム性が保たれていることを考えると、オートセーブシステムがゲームをより楽しいものにしている要素といえなくはない。
・ストーリー展開
小中学生向けのゲーム内容ではないので当然かもしれないが、いままでにないほど過激でシビアなストーリー内容が盛り込まれている。美少女ゲームはゲーム内容が性的なものを扱っている宿命として、エロティックな部分にストーリーが行きがちだ。もちろん『ドリームクラブ』には良い意味でエロティックな要素がたくさんある。しかし、ホストガールによってはナーバスになるような境遇のキャラクターもおり、プレイヤーとして非常に心が痛んでくることもある。
そういう面においては、従来のかわいくてエロティックなだけの美少女ゲームとは違うといえよう。記者の予想でしかないが、よほどこのゲームの開発者はキャバクラに通っていると思われる。それが開発のためなのか個人的に以前から好きだったのかわからないが、少なくともキャバクラに通い、多くのキャバクラ嬢が抱えている悩みやバックストーリーを知らなくては、このシナリオは書けまい。
15歳以上対象となっている『ドリームクラブ』。つまり高校生もプレイする機会があるわけで、彼らはこのゲームからエロティックなものを学ぶかもしれないが、それ以上に心の琴線に触れる物語や、人の感情、背負っているものなど、そういう部分に感銘を受ける人が出てくるのではないだろうか。
・グラフィック
やはりというか、定番というか、このタイプのゲームでは女の子の胸の表現と揺れ具合は重要なようで、『ドリームクラブ』もご他聞に漏れず、かなりの揺れ具合と質感を表現している。重力がおかしいのか? と思ってしまう揺れ方をする場合もあるが(特に上下に揺れるとき)、それでも男性ならば胸に視線が行ってしまうほど、魅力的な胸の表現をしている。
ホストガールたちの表情はかなり豊かで、開発者のこだわりをとても感じることができた。たとえば、表情の移り変わりが非常に自然で、今までのどのゲームよりもしっかりとこだわりを作っていると感じた。笑顔から怒った表情、すまし顔から笑顔など、プレイヤーの発言や選択肢によって変化するホストガールの表情が、機械的に変化するのではなく、しっかり表情がモーションして感情の変化を表現しているのである。パッパッと表情が変わるのではなく、スーッと表情が変化していくのである。
・ミュージック
まだプレイ時間が9時間ということもありすべてのミュージックを聴いたわけではないが、序盤の段階では印象に残るような名曲があると感じなかったものの、落ち着いてゲームを進めることができるミュージックばかりで、ミュージックを邪魔だと感じたり不愉快と感じることはいっさいなかった。
効果音については、グラスで乾杯をしたときの音がもう少し大きくてもいいかなと感じたが、それはあくまで個人レベルの意見であり、不満とまではいかない。しかし、できることならばグラスを傾けて飲んだときに氷のカランカランという音を表現してもらえれば、より臨場感が出て、実際にお店でホストガールと飲んでいるイメージが強まったかもしれない。
ホストガールのカラオケを眺めつつ、プレイヤーが参加してリズムに合わせてコントローラーのキー押すミニゲームがある。そこでうまくリズムに合わせてキーを押せば楽器の音が出るのだが、パフパフ系のラッパ音が音楽にあっていないと感じたのは記者だけだろうか。しかしながら、女の子のいる店でワイワイ騒ぎながらタンバリンやラッパを鳴らすとそんな雰囲気なのかもしれないので、ある意味、それがリアルといえるのかもしれない。
・ローディング
『週刊ファミ通』のレビュアーたちがこぞって「ローディングが長い」と批評していたので、どれほど長いのだろうと思っていたが、ハッキリ言ってローディングは “長い” と言われるほど長くない。ローディングが長いのではなく、ローディング回数がやや多いのである。
自宅、バイト、ドリームクラブ、デートと、場面場面が変化する際にローディングをするため、『週刊ファミ通』のレビュアーたちはローディング画面が頭にすり込まれていったのではないだろうか? 確かにローディングが多いのは否めないが、決して長くはない。また、バイトやギャンブルなどは数秒で用事が終わって自宅の画面に戻るため、「自宅→バイト(3秒)→自宅」の流れが早く、ローディングが長いように思えたのかもしれない。
ただし、シーンによってはローディングが長いと感じた部分もあった。少しでも快適にゲームを展開したい場合は、できるだけ、いや、確実にハードディスクにインストールして遊ぶべきである(これはXbox360のゲームすべてにいえることだが)。
・キーレスポンス / 操作感
特に強い不満はないし、キーレスポンスも快適である。しかし、キーの配置に関しては、最初は特に疑問を感じずに操作していたものの、だんだんと「これはトリガーじゃなくてこっちのキーにしたほうがいいのではないか?」という気持ちがわいてくる。ドリームクラブでドリンクを選ぶシーンなどは特にそうだ。ドリンクメニューの2枚目を見るときトリガーを押して別ページを開くのだが、その操作が何度も繰り返しているうちに「トリガーじゃないほうがいいのでは?」と思うようになってきた。しかし、特に不満と言うほどのものではない。
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