仕事力アップの秘訣は「後まわしにすること」
古くから、ビジネスの世界では「効率よく仕事を進めること」が基本的にはいいことだとされています。質がキープされているならば、短時間でより多くの仕事をこなせたほうが、会社側としては嬉しいはずですし、仕事以外の時間を作ることもできます。
しかし、そうはいっても仕事の中に含まれる「ムダ」をそぎ落としすぎてしまうと、個人の成長を妨げてしまう可能性もあります。
『「ムダ」が多い人ほど、よく伸びる〜思わぬ成果を上げるラテラルシンキング仕事術〜』(大和書房/刊)の著者である木村尚義さんは、企業の新人研修を20年以上手がけており、その経験から、成功する人の共通点として「ムダを上手に活用すること」を挙げています。
効率化全盛のビジネスシーンの中でこそ、業務の中で「ムダ」だと思われていることに、仕事力アップのカギが隠されているのです。
今回は、本書の中からビジネスで使える「ムダ」の活用術をいくつか紹介します。
■没アイデアはリサイクルする
どんなに懸命に考えて作った企画書や見積書でも、全てが会議で通るわけではなく、むしろボツになる方が多いもの。力を入れて作った企画書がボツになった時の徒労感といったらありません。
しかし、この原稿に費やした時間はムダでしょうか?決してそんなことはありません。
ボツになった原稿は捨てずに溜めておいて、いつか機会を見つけてリサイクルすればいいのです。
その時は、今よりも知識や経験を積んでいるため、ボツ原稿をよりよいものにブラッシュアップすることも可能。慌ただしく新しい企画を考えるよりも、質のいい仕事が生まれやすいはずです。
■「先延ばし」の意外な効能
仕事を「先延ばし」することは、時間の使い方や仕事の質という意味でロスが大きく、あまりいいイメージを持たれません。
しかし、この先延ばしには意外な効能があります。
例えば、気が乗らない仕事、やりたくない仕事に当たった時、最初に少しだけ手をつけておいて、先延ばしにしてしまうのです。
そうすることで、他の仕事をしている間に、先延ばしにした仕事のヒントが偶然に見つかることがあります。
少し手をつけてから先延ばしにすることで、知らず知らずのうちにその仕事の内容を意識することになり、結果的にヒントやアイデアになりそうなことを見つけやすくなるのです。
■働きづめでは成果が逃げる?
忙しい時期ほど、「早く早く!」と、睡眠時間や休息の時間を惜しんで働きたくなります。
こういう時期ほど、仕事に充てる時間を増やすために、それ以外の時間を切り詰めてしまいがち。
しかし、休息の時間はムダな時間ではありません。休むべき時にしっかり休んでこそ、質の高い仕事ができるのです。働き尽くめだと、かえって成果が逃げてしまう、と木村さんはいいます。
本書には、この他にも仕事で「ムダ」とされている物事をどう捉えて、どう活用すればいいか、という観点で、効率化一辺倒の仕事とは一線を画した、「遊び」のある仕事術が取り上げられています。
効率アップはもちろん重要なことです。しかし、効率化を進めるうえで「ムダ」とされがちなことにこそ、輝くアイデアの原石や、ビジネスパーソンとして成長していくヒントが眠っているのです。
(新刊JP編集部)
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