チャーハンが無性に食べたくて、チャーハン付きチャーハンを注文した僕に見えた世界

チャーハンが無性に食べたくて、チャーハン付きチャーハンを注文した僕に見えた世界

チャーハンが無性に食べたくなる時がある。普段はとりたててチャーハンが好きということはないが、無性に食べたくなった時のピークさはものすごい。今回は、チャーハン欲が止まらなくなった時に訪れれば完全に満足させてくれるお店をご紹介する。

 

チャーミングチャーハン』という店。チャーハンをチャーミングだと思ったことは一度もないが、女性がスイーツを見て「可愛い」と騒ぐようなものだろうか。京都で数店舗を展開している中で、今回は繁華街から少し離れた今出川店を訪れた。

 

ここのメニューはドリンクを除く全てにチャーハンがつけられる。

 



 

なかでも、チャーハン欲が抑えられなくなった時に注文したいのが「焼飯500円(チャーハン付700円)」。つまり、チャーハンのチャーハン付きということ。

 

 

誰でも思うだろう「ただ、チャーハンが2個くるだけじゃん」。まさにその通りで、ただチャーハンが2個くるだけなのだ。単品が500円で、チャーハン付きが700円となっているのは、紳士服チェーンの「二着目半額」や、ピザチェーン店の「持ち帰り2枚目半額」みたいなものだと思えば良いのだろうか。注文すると、厨房から中華鍋をふる小気味の良い音が聞こえてくる。

そうして、なんとほんの1分で料理はやってくる。

 

 

これが「チャーハンのチャーハン付き」だ。

想像通り、それ以上でもそれ以下でもない「ただチャーハンが2個きただけ」。まずは、右のチャーハンからいただいてみる。流石にチャーハンをこれだけ推しているだけあって、塩加減もパラパラとした食感も絶妙で美味しい。

続いて左のチャーハンを口に運ぶ。案の定としか言いようがないが、

 

同じ味がする。

 

それもそのはず、中華鍋を振る音は一回しかしなかった。つまり、いっぺんに作って二つの皿にわけただけなのだ。心の奥深くから、押し寄せる波のように「大盛りでよくない?」という気持ちが繰り返し押し寄せてくる。しかし、認めてしまえばなぜか損をしているような気がするので、必死に胸の奥に抑え込んだ。

 

参考記事:ここはラブホテル!? いや、パン屋だ!! ありえない振り幅の居抜き物件を北九州で発見したぞっ!|Mr.tsubaking

 

そうして二つのチャーハンを食べ進めていく。三角食べをしてみたり、片方にだけ紅生姜を乗せてみたり。

 

 

そんなことをしたって、目の前にあるのは永遠に「単なる2つのチャーハン」でしかない。そうして食べ進めるうちに、ある感情が湧き上がってきた。「これにはもしかして、何か隠れた哲学があるんじゃないか」。「2つにする意味がない」と一蹴するのは簡単だ。けれど、このメニューが続いているということはきっと何かのメタファーが込められているはずだ。

 

人間は、2つのチャーハンを前にすると思想をはじめる。しかしその答えは、どんなに食べすすめたところで出てこない。そこにはただ、2つのチャーハンがあるだけだ。そもそも、どっちが単品のチャーハンで、どっちがセットとしてついてきたチャーハンなんだろう。

 

フェルマーの最終定理は360年間ものあいだ解かれなかった。解けてしまえば、この世界の全てのことがわかってしまう真理だとまでいわれた。さらに、人間は「生きる意味」についても解けない哲学をぐるぐると回り続けている。もしこれが解けてしまって、生きる意味は「ない」と証明された時、人類は最終戦争を始めてしまうかもしれないとまでいわれている。

フェルマーの最終定理や、生きる意味に匹敵するのが、この「2つのチャーハン」である。思想はとまらない。

京都には「哲学の道」という場所がある、それ以上に哲学させられるのが、ここチャーミングチャーハンだった。(文◎Mr.tsubaking 連載『どうした!?ウォーカー』第61回

 

あわせて読む:帰省しない人必見 ここは人類の実家か!? 誰もがホッとする“家すぎる居酒屋”で一杯やってきた!|Mr.tsubaking

 


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