狭い庭やエクステリアでも里山の風情を楽しめる!人気の雑木7選

狭い庭やエクステリアでも里山の風情を楽しめる!人気の雑木7選

里山で見られる雑木は、幹が細いため建材にならないことから「雑木」といわれていますが、昨今は庭木として人気! 細い幹なので、人の行き来のジャマにならず、狭い庭やエクステリアにも向く雑木の樹種をご紹介します。

ナチュラルなたたずまいが魅力! 庭で活用される雑木7選

雑木はスリムな樹形と自然を感じさせる存在感が好まれ、和の庭はもちろん、洋風ガーデンでも用いられています。「葉の美しい」「花や実も楽しめる」「紅葉が素晴らしい」など、人気の雑木の見所と育て方をご紹介します。

そもそも雑木ってどんな木?

里山に足を踏み入れると、コナラ、シイ、カシ、クヌギ、クリなどが林立しています。これらの木々は幹が細いため材木には向かず、薪することが多かったとか。こうした木を、林業では「雑木(ぞうき)」と呼んでいます。

また従来のガーデンデザインでは、和庭ならマツやモッコク、マキ、洋風の庭ならコニファーなど、庭に植える専用に栽培された木を「庭木」として用いてきました。「庭木」に対し、里山などで自生する樹種の多くは庭には向かないとされ、「雑木」と称してきたのです。

昨今はナチュラル志向が高まり、庭づくりにおいても自然な雰囲気を醸す樹木に注目が集まっています。加えて、雑木のスリムな樹形なら、都市部の狭小な庭や、モダンなエクステリアにも似つかわしいと、積極的に採用されるように。

こうして、これまではガーデンに用いられることが少なかった雑木が、ガーデンのシンボルツリーやエクステリアの緑化に欠かせないものとなったのです。

【人気の雑木1】コナラ

ドングリはブナ科の樹木の果実の総称ですが、ドングリの木として思い浮かぶのがコナラ(ブナ科)。細い幹が何本か発生する「株立ち」の姿が野性味にあふれ、「雑木の王様」の別称もある落葉高木です。

極端な剪定をしないほうが自然な樹形を楽しめますが、成長旺盛なうえ、環境がよいと10m以上にも育つため、1~3月、または6~7月には大きさを調整する剪定を行いましょう。

10月頃、木から落ちてくるドングリを土に植えておくと、春には発芽を楽しめますよ。

【人気の雑木2】コハウチワカエデ

コハウチワカエデ(カエデ科)は、なんといっても愛らしい小さな葉が魅力! 手のひら状の葉は幅5~10cm。春から夏はグリーン、秋に入ると赤く紅葉と、葉色の変化を楽しめる落葉高木です。

日陰でも育ちますが、美し紅葉を期待するなら日向で育てましょう。手を加えず育てると8~10mもの高木になるため、葉を落としている11~2月に剪定を。

耐寒性が非常に高く、北国でも栽培できます。カミキリムシの幼虫が幹や枝を食害することがあるので、見つけたら殺虫剤で駆除してください。

【人気の雑木3】アズキナシ

アズキナシ(バラ科)は庭木や街路樹としておなじみの「ナナカマド」と近縁の落葉中高木。葉は美しい緑色、4~5月には白い花が咲き、9~11月には赤い実が実り、四季を通じて変化に富む楽しみ方ができます。

アズキナシは日向でも半日陰でも栽培できますが、日当たりがよく締め切り気のある土壌を好みます。耐寒性は抜群なので、日本全国で栽培可能です。割合、成長がゆっくりなので、管理しやすいのもうれしいところです。

【人気の雑木4】ヤマモミジ

ヤマモミジ(カエデ科)の最大の見どころは、秋の紅葉と思われがちですが、緑葉の「青紅葉」も魅力にあふれています。日向を好む性質ですが、強い直射日光で葉が痛むこともあるので、半日陰で育てるのもおすすめです。

ヤマモミジは10~15mにもなる落葉高木ですが、盆栽でも楽しめる樹種です。ベランダや玄関前に鉢植えで育てるのも可能。鉢植えの場合、土が乾いたらしっかり水やりをして、水切れしないよう管理して。

【人気の雑木5】ヤマボウシ

ヤマボウシ(ミズキ科)は、人気の庭木「ハナミズキ」の仲間です。昔から寺院などで植えられていましたが、一般住宅のガーデン樹木として人気を博すようになったのは近年のこと。強健な性質で育てやすいので、雑木ビギナーの方にもおすすめです。

5~7月に白い花を咲かせ、9月頃に収穫できる果実は、果実酒やジャムに加工することができます。園芸品種も豊富で、白花のほかピンクの花の品種も。日本原産のヤマボウシは落葉高木ですが、中国原産の常緑種もあります。

【人気の雑木6】クロモジ

爪楊枝の原料として有名なクロモジ(クスノキ科)も人気の雑木の一つ。樹高2~5mの落葉中低木で、幹の直径は5~10㎝程度とスリム。芽吹く力が強いため、横に広がり過ぎたり、大きくなりすぎたりした場合には、不要な枝をはらうとよいでしょう。

クロモジは強い日差しで株や葉がいたむため、半日陰~日陰で育てるのがコツです。4月頃、黄色い花を咲かせ、10月には黒い実がつきます。秋には紅葉ではなく「黄葉」し、木全体が黄色く染まります。紅葉する樹種と混植すると、赤と黄色の競演が楽しめますよ。

【人気の雑木7】ナツハゼ

ナツハゼ(ツツジ科)は、樹高1.5~2mとコンパクトな落葉低木。ブルーベリーの仲間で、コケモモやクランベリーはナツハゼの一種です。

ナツハゼの黒い実は、10~11月が採り時。ジャムにすると美味です。同時期、真っ赤な紅葉も見れ、秋はナツハゼを育てる楽しさを満喫できること請け合い。

ナツハゼは林の斜面などに自生する雑木なので、乾燥や強い日差しが苦手です。乾燥しない半日陰で育てるのがおすすめ。耐寒性・耐暑性ともに強く、成長もゆっくりで管理しやすく、ビギナーでも十分育てられます。

おわりに

野趣あふれる姿で、庭やエクステリアをナチュラルに演出してくれる雑木。お好みの樹種を選んで、育ててみてくださいね!

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