百舌鳥は3文字なのに・・・読み方はなぜ「モズ」と2音なの?

モズという鳥を漢字で書くと、「百舌鳥」と3文字になりますが、なぜ百舌鳥をモズと読むのでしょうか?
今回はそんな「百舌鳥(モズ)」について、生態や漢字の由来などを解説したいと思います!
百舌鳥(モズ)とは

百舌鳥(モズ)は、スズメ目モズ科モズ属の鳥類です。
「百舌鳥」という名前からして、百の舌を持つ鳥の妖怪のようなイメージを持つ人がいるかもしれません。しかし、見た目は普通に可愛らしい鳥です。
モズの生息地
モズは日本や中国、朝鮮半島からロシアにまで広く分布しています。
日本では北海道から本州、四国、九州まで生息していることが確認されています。
モズの外見と大きさ
体長は20cmほど。目の周辺に眉状の筋模様が入っていて、喉や頬は淡褐色、翼や尾は黒褐色となっています。
一見すると、大き目なスズメのように見えないこともない、そんな姿をしています。
モズの生態
モズは、湖や川の周辺にある森林に生息しています。
動物食性をしており、遠目から小動物の動きを観察して襲撃するという習性もあります。
また、昆虫を捕食する他、節足動物や甲殻類、両生類、爬虫類なども食します。
繁殖は卵生であり、年に2回以上行うこともあります。とはいえ、原則として年1回が多く、1度に4~5個の卵を産むのが特徴です。
「百舌鳥」が「モズ」と読まれる理由

さて、ここから本題に入るのですが、そもそもどうしてこの鳥は百舌鳥と名付けられたのでしょうか?
まずは百舌鳥という名前の由来についてご紹介します!
漢字の由来は百舌鳥が物まねをするから
百舌鳥という漢字の由来は、他の鳥の鳴き声を真似することができることに由来しています。
モズは実に100種類にも及ぶ鳥の鳴き声を真似できるといわれており、他の鳥の複雑なさえずりも真似することができるそうです。
このことから「百の舌を持つ鳥」という意味で、『百舌鳥』と漢字表記されるようになったと考えられています。
ちなみに多種多様な鳴き声を出せるのはオスだけで、これはメスにアピールするためなんだとか。鳴き真似が上手なオスほど、メスからモテるそうですよ!
もともとは「百舌」だった?
もともとモズは「百舌」と表記されており、それが主流でした。
しかし、「百舌」だけでは何を指しているのか分かりにくいということもあり、鳥を加えて『百舌鳥』と表記するようになった、と考えられています。
「モズ」を一文字で書くと・・・
モズには、実は単漢字による表記も存在します。その場合の表記は『鵙』となります。
これは目をキョロキョロさせて獲物を捕獲する様子にちなんでいるそうです。
モズに関する言葉

モズに関する言葉はたくさんあり、その多くがモズの習性や生態にちなんでいるものだといわれています。
ここからは、その中からいくつかモズに関する言葉をご紹介します。
百舌のはやにえ
モズはその気性の荒さと狩りの恐ろしさから、江戸時代には「モズタカ」と呼ばれていたそうです。
特に捕獲した獲物を枝などに突き刺したり、挟んだりする習性は、「モズのはやにえ」と呼ばれるようになりました。この行動はモズを代表する特徴と言っても過言ではありません。
なぜ、わざわざ捕まえた獲物を串刺しにしておくのでしょうか?
これには諸説あるのですが、食糧を保管しているという説や狩猟本能という説や、縄張りを主張しているという説などがあります。
ただ、すぐに食べてしまうこともあることから、単に獲物を裂いて食べやすくしているという説が有力です。
しかし、近年では繁殖に向けて鳴き声の質を高め、より多くの栄養を摂取するために大量の餌を蓄えているという説が有力のようです。
百舌の高鳴き
縄張りに部外者が侵入した際に、警告として鳴くことを「モズの高鳴き」と呼びます。
モズは縄張りを1羽ごとに1つ持っていて、同じモズ同士で縄張り争いをします。その際に出す声が非常に高い音であるため、高鳴きと呼ばれているそうです。
主に秋に甲高い声で「キィーキィー」鳴くのが一般的で、その縄張り争いで獲得した場所を守りながら冬を越す習性があります。
ちなみに「百舌の高鳴き75日」といって、モズが高鳴きをはじめて75日ほど経つと霜が降る、という天気に関することわざもあるのだとか。
昔の人はモズの鳴き声から農作業などの時期を判断していたこともあったようです。
百舌の草潜
これはもともと勘違いされていたモズの生態なのですが、「モズの草潜」という言葉があります。
古くから春になると姿を見せなくなるモズは、草の中に潜り込んでいると考えられていました。
このことから春になってモズがいなくなった様子を「百舌の草潜」と呼んだそうです。
ただ、これは生態を勘違いしたことから生まれた言葉なので、注意してくださいね。
百舌勘定
人に奢らせて自分は1円も払わないことを「モズ勘定」と呼ぶことがあります。これはある昔話に由来して生まれた言葉です。
あるとき、ハトとシギ、モズで15文ほどの飲食をしました。
この時モズは、ハトに8文、シギに7文出させ、自分は一文も払わずに勘定を済ませてしまいました。
この昔話から、自分の財布からはお金を出さずに他人に支払いをさせようとする人、という意味で生まれたとされています。
現在ではあまり知られていない言葉なので、日常会話で使うことはあまりないと思いますが、決して言われたくない言葉かもしれませんね。
鵙日和
モズの鳴き声が引き締まるように、澄んだ秋の日ことを「モズ日和」と言います。
この場合は、「百舌」や「百舌鳥」ではなく、単漢字の「鵙」を使うのが一般的のようです。
まとめ
モズという鳥は、3文字の漢字で「百舌鳥」と書きます。
もともとは「百舌」と2文字で2音だったのですが、これだけだと鳥であることが分からないので、「百舌鳥」と表記するようになったと考えられています。
また、モズの生態などに関する言葉もあるので、併せて覚えておくといつか役立つかもしれませんね。
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