終末時計ってなに?人類の滅亡までを示した終末時計を知っていますか?

終末時計ってなに?人類の滅亡までを示した終末時計を知っていますか?

みなさんは、「終末時計」というのをご存じですか?

終末時計とは核戦争などによる人類滅亡を午前0時になぞらえ、その終末までの残り時間を「あと何分」という形で象徴的に示す時計のことです。

つまり、簡単に言えば「人類の滅亡までを示した時計」なのです。

この終末時計は2018年、2019年までは残り2分でしたが、2020年には残り100秒となってしまいました。今回はそんな「終末時計」について詳しく解説します。

終末時計とは?

終末時計は「世界終末時計」や「運命の日の時計」とも言われていて、核戦争などによる人類(地球)の滅亡を午前0時となぞらえ、その終末までの残り時間を「午前0時まであと何分」という時間で象徴的に示す時計のことです。

終末時計は実際に動いている時計ではなく、一般的には時計の45分から午前0時までの部分を切り出した絵で表されます。

誕生

終末時計は日本への原子爆弾投下から2年後、冷戦時代初期の1947年にアメリカの科学誌「原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists) 」の表紙絵として誕生しました。

それ以後、原子力科学者会報は定期的に委員会を開いて、終末時計の時刻を修正しています。

人類滅亡への危険性が高まれば残り時間は短くなり、逆に危険性が下がれば分針は戻されます。

元は核の脅威を伝える為

もともと終末時計は、核の脅威を伝えるために作られました。

核戦争の危険性を警告する目的で、マンハッタン計画で最初の原爆開発に参加したアメリカの科学者たちが創設したのです。

しかし1989年10月号からは核兵器からの脅威だけではなく、気候変動による環境破壊、生命科学の負の側面による脅威なども考慮して、針の動きが決定されるようになっています。

シカゴ大学にオブジェ

終末時計は仮想的なもので、「原子力科学者会報」の新年号の表紙に絵として掲載されます。唯一、アメリカのシカゴ大学には終末時計の「オブジェ」が存在しています。

終末時計の推移


出典:wikipedia.org

終末時計は創設時、7分前からスタートしていますが、2020年現在は残り100秒のところまで時計の針が進んでしまいました。

では、終末時計のこれまでの推移をまとめてみましょう。

・7→3分前(1949年):ソビエト連邦が核実験に成功、核兵器開発競争が始まり、4分進む。 
 
・3→2分前(1953年):アメリカ合衆国とソ連が水爆実験に成功し、1分進む。 
 
・2→7分前(1960年):アメリカとソ連の国交回復により5分戻る。 
 
・7→12分前(1963年):アメリカとソ連の部分的核実験禁止条約の調印により、5分戻る。 
 
・12→7分前(1968年):フランスと中国が核実験に成功。第三次中東戦争、ベトナム戦争、第二次印パ戦争の発生により5分進む。 
 
・7→10分前(1969年):アメリカ上院が核拡散防止条約を批准し、3分戻る。 
 
・10→12分前(1972年):アメリカ・ソ連がSALT IとABM条約を締結し、2分戻る。 
 
・12→9分前(1974年):SALT Iに続くアメリカ・ソ連の軍縮交渉が難航、両国によるMIRVの配備。インドが最初の「平和的核爆発」に成功し3分進む。 
 
・9→7分前(1980年):米ソ間の交渉が停滞。国家主義的な地域紛争が相次ぎ2分進む。 
 
・7→4分前(1981年):軍拡競争の時代に入り、3分進む。アフガニスタン、ポーランド、南アフリカにおける人権抑圧問題発生。 
 
・4→3分前(1984年):アメリカ・ソ連間の軍拡競争が激化し、1分進む。 
 
・3→6分前(1988年):アメリカ・ソ連が中距離核戦力全廃条約を締結し、3分戻る。 
 
・6→10分前(1990年):東欧が民主化。冷戦の終結により4分戻る。 
 
・10→17分前(1991年):ソ連が崩壊し、7分戻る。 
 
・17→14分前(1995年):ソ連崩壊後も、ロシアには核兵器が残る。3分進む。 
 
・14→9分前(1998年):インドとパキスタンが相次いで核兵器の保有を宣言し、5分進む。 
 
・9→7分前(2002年):前年(2001年)にアメリカ同時多発テロが起こる。アメリカがABM条約からの脱退を宣言し、2分進む。テロリストによる大量破壊兵器使用の懸念が高まる。 
 
・7→5分前(2007年):北朝鮮の核実験強行、イランの核開発問題。地球温暖化の進行により2分進む。 
 
・5→6分前(2010年):バラク・オバマ米大統領による核廃絶運動により、1分戻る。 
 
・6→5分前(2012年):核兵器拡散の危険性の増大。福島第一原子力発電所事故を背景とした原子力の安全性への懸念により、1分進む。 
 
・5→3分前(2015年):気候変動や核軍備競争により2分進む。 
 
・3→2分30秒前(2017年): ドナルド・トランプ米大統領が核廃絶や気候変動対策に対して消極的な発言をし、30秒進む。 
 
・2.5→2分前(2018年):北朝鮮が行っている核開発の影響による核戦争への懸念が増え、30秒進む。 
 
・2分前→100秒前(2020年):中距離核戦力全廃条約失効による核軍縮への不信感、アメリカとイラン、アメリカと北朝鮮の対立。気候変動に対する各国の関心の低さにより、20秒進む。

出典:wikipedia.org

2020年初の2分切り

2020年1月には2分を切り、残り100秒となってしまった終末時計。

「終末」まで残されている時間は分単位ではなく、秒単位であると警告されています。

終末時計の設定は、ノーベル賞受賞者13人を含む原子力科学者会報(BAS)の科学・安全保障委員が行っています。

BASは、「私たちはともに行動を起こし、取り組まなければなりません。1ヵ国あるいは1人だけでは、成し遂げられるものではありません。全員が総力を挙げて、ともに取り組む必要があります。」と述べています。

まとめ

終末時計は人類滅亡までの時間を示した時計のことです。終末時計が始まった当初は残り7分ありましたが、現在は残り100秒になってしまいました。

人類滅亡の日が来ないようにするためには、私たち1人1人が総力を挙げて取り組む必要があります。

世界中から核兵器や戦争のなくすことが人類滅亡を遠ざけるために必要です。また地球温暖化などに関してももっと関心を持つべきですし、積極的な取り組みが必要でしょう。

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出典:Wikipedia(世界終末時計)


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