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餃子の風力発電

餃子の風力発電

今回は疑似科学ニュースのメカAGさんの記事からご寄稿いただきました。

餃子の風力発電

「ダクト排出の風で風力発電 「餃子の王将」電力は効率的かで論争」2012年09月18日『J-CASTニュース』
http://www.j-cast.com/2012/09/18146519.html

餃子の王将がダクトからの排気で風力発電をするという話、ひところ話題になった。まあちょっと考えれば永久機関ができないのと同じ理由で、これもナンセンスなのだが、次から次へと永久機関が考案されるのと同じ理由で、餃子風力発電を正当化する理由が登場した。

一番シンプルでわかりやすい理由は、野球のボールに例えた話。ピッチャーがボールを投げる。投げたボールから運動エネルギーを取り出すと、ピッチャーの負担が増えるのか?と。ボールはとっくの昔にピッチャーの手を離れているのだから、そのボールから運動エネルギーを取り出したところで、ピッチャーの負担が増える(疲れる)わけないだろう、と。

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まあ面白い考え方だと思う。でもピッチャーは疲れるのだ。というのも、ボールは1球だけではない。ダクトから絶え間なく廃棄されているということはピッチャーは絶え間なくボールを投げ続けているということ。

そしてピッチャーの周りには投げたボールでいっぱいなのだ。ピッチャーはそのボールをかき分けて新たなボールを投げなければならない。だからどんどん負担が増えていく。

ダクトの周りに障害物(この場合風力発電の風車)がなければ、ピッチャーの周りのボールも徐々に拡散していくから、ピッチャーの負担も一定以上は増加しない。

しかし障害物(風力発電の風車)があれば、それだけ拡散し難くなるから、ピッチャーの負担もその分増える。

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まあ円筒の筒の両端に扇風機と風力発電の風車が設置されていれば、わかりやすいと思うのだよね。風車がなければ筒から出た風はそのまま大気中に拡散していく。しかし筒の出口に風車があれば、それによって筒から出ていく風が妨げられる。同じ量だけか風を送り出そうとすれば、扇風機のパワーを上げなければならない。

でも王将に設置された風車はダクトの出口から離れてるじゃないか、と思うかもしれないが、離れていようが同じ事。もしダクトから出た風は風車を避けてスムーズに拡散していく(だから扇風機の負担は増えない)とするなら、風車は回らない。風車が回るということは、風を遮っているから回るのだ。

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じゃあピッチャーの投げるボールが1球だけならどうか?上記の説明ではピッチャーの周りがボールでいっぱいになるから、次のボールを投げる負担が増える。ならば1球だけなら負担は増えないのではないか?

具体的にはボールはそのうち拡散していくのだから、拡散速度の方が速い程度のゆっくりとしたペースでピッチャーがボールを投げれば、どうなるのか?

ダクトの話でいえば、ダクトから出る風量が微量で、ほとんど風圧を感じさせない程度、すなわち大気の自然な拡散によって無理なく送風できる状況。

この場合、ダクトの前方に風車を設置しても、その風車は回らない。なにしろ大気の自然な流動と同じ程度の風圧なのだから、風車の前からも後ろからも同じだけの力がかかるはず。よって回転しない。

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そろそろ本質がわかってくるだろう。つまりダクトの排気能力を損なわず風車が回るなら、そもそも排気能力が過剰なのだ。したがってわざわざ風車でその一部のエネルギーを回収するというまどろっこしいことなどせず、ダクトのファンのモータのパワーを減らせばいい。

元記事で「捨てたエネルギーを使ってる(のだから無駄ではない)」というような理屈を言っているが、そもそもそんな過剰なエネルギーを捨てないようにすればいいのだ。その方がトータルでよほど節電になる。

あとダクトの出口が真横を向いてるけど、そっちから風が吹いてきたら逆流しないのだろうか。真下に向けるべきだと思うが。でも何故か世間では横を向いているダクトは結構あるから、逆流してもあまりみんな気にしないのかね…。

執筆:この記事は今回は疑似科学ニュースのメカAGさんの記事からご寄稿いただきました。

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