タラバガニはカニじゃなく実はヤドカリの仲間!?カニとの明確な相違点は?
カニ好きの方の中でも特に人気があるのは、大きくて美味しい「タラバガニ」ですよね。長~い脚にかぶりつくのは、食べごたえもあって満足感抜群です。
そんなカニの王様ともいわれるタラバガニですが、実はヤドカリの仲間だということをご存じでしょうか?どこからどう見てもカニに見えますが、実はヤドカリと同じ特徴を持っているんですよ。
今回は、タラバガニがヤドカリの仲間であることが分かる特徴や、カニとの違いについて解説いたします。
タラバガニとは?
大きな体と長い脚が特徴的なタラバガニは、約25㎝の甲羅から生える長い脚を伸ばすと、体長1m以上にもなります。
生息域
出典:Wikipedia(©︎NormanEinstein)
タラバガニの生息域は、北海道周辺の日本海、オホーツク海、ロシアのカムチャッカ半島周辺のベーリング海、アラスカ沿岸の北極海近辺などで、北海道周辺では水深350mほどの砂泥底に生息しています。
ちなみに日本では、メスのタラバガニは捕獲禁止になっているため、市場に出回っているメスは輸入品なんですよ。
生態
棘状の突起で覆われた甲羅に、大きなハサミが1対と長い脚が4対生えている、タラバガニ属の十脚甲殻類です。
タラバガニ属とその下位分類には、タラバガニの他にもハナサキガニ 、アブラガニなどが分類されます。
肉食のタラバガニは多毛類、貝類、棘皮動物、小魚を捕食して生きており、寿命は15年ほどです。
カニとの違い
カニとそっくりな見た目で名前にも「カニ」が付くタラバガニですが、ヤドカリの仲間なのです。
顔立ちを見比べてみてください。ズワイガニよりもヤドカリに似ていると思いませんか?
その他にも、ヤドカリと同じ特徴を備えている部分があるんですよ。
ヤドカリ類
タラバガニは、エビ目・ヤドカリ下目・タラバガニ属に分類される甲殻類の一種で、ヤドカリの仲間に含まれます。
縦に歩ける
カニといえば、横方向に歩くカニ歩きで移動します。しかしタラバガニは、ヤドカリと同じく縦方向にも歩くことができるのです。
カニミソが不味い
タラバガニにはカニ味噌がほとんど入っていません。入っていたとしても味が悪いため、一般的には食べられません。
脚が少ない
通常カニには1対の鋏脚と4対の歩脚、合わせて「5対10本」の脚があります。
しかし、タラバガニの脚を数えてみると、大きな鋏脚が1対、その下に歩脚が3対で合計4対の脚しかないように見えます。
実は、タラバガニの5対目の脚はとても小さく、甲羅の中に隠されているのです。
甲羅の中に隠された脚は、お腹の中に溜まるゴミを排出しエラの掃除をする役割を持っています。
これはヤドカリの特徴と同じで、4対8本に見えるヤドカリの脚ですが、貝殻の中に残り1対の脚が隠されているんですよ。
ちなみに、鋏脚の大きさが左右で違う理由は生息する海域に関係があり、右の鋏脚が大きいのは寒海性、左の鋏脚が大きいのは暖海性の特徴です。
北の海に生息しているタラバガニは、右の鋏脚が大きいんですね。
腹が左右対称じゃない
貝殻に入って生活しているヤドカリは、貝殻の中に入りやすいよう腹部が柔らかく右方向にねじれています。そして、卵を抱える役割の腹肢は、左側にしかありません。
タラバガニのメスも、腹部が右側にねじれ腹肢が左側にしかなく、ヤドカリと同じ特徴を持っています。
タラバガニの名前の由来
ヤドカリの仲間であるタラバガニですが、なぜ名前に「カニ」が付くのでしょうか?
漢字で鱈場
タラバガニの生息域である北海道周辺の日本海やオホーツク海は、タラの漁場と同じです。そのため「鱈場(たらば)」が由来となり「タラバガニ」と呼ばれてきました。
タラバガニの名前が広く普及していったため、改名することなくこのまま使われているということです。
また、当て字で「多羅波蟹」と表記されることもあります。
ヤドカリなのにどうしてカニ?
ヤドカリだとは思えないほどカニに似ていて、英語でも「king crab(キングクラブ)」と呼ばれているほどです。
見た目も味も全くカニに劣らないタラバガニ。名前に「ヤドカリ」と付いている方がミスマッチなのかもしれませんね。
まとめ
タラバガニはヤドカリの仲間で、顔も体の特徴もヤドカリとそっくりでした。
ヤドカリだと分かっていても、大きくて美味しいタラバガニは「カニの王様」!やっぱり「タラバガニ」の名前が似合っていますね!
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出典:Wikipedia(©︎NormanEinstein)
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