あくびはなぜ人にうつるの?眠い時だけじゃない、あくびの不思議
あくびしている人を見ると、ついついこちらまであくびをしたくなることがありますよね。
事実、あくびはうつると言われていますが、なぜあくびは人にうつるのでしょうか?
今回は、あくびの不思議について簡単にご紹介したいと思います。
あくびとは?
あくびとは眠たい時などに起こる生理現象の1つです。
大きく口を開けて深く息を吸う呼吸動作が特徴で、人間だけでなく哺乳類や爬虫類、鳥類もあくびをすることが研究によってわかっています。
未だに解明されていないことは多いのですが、あくびは睡眠と深い関係にあると考えられており、特に睡眠状態から覚醒状態に向かう際に出ることが多いようです。
以下で、あくびが出やすい状況をまとめました。
・眠たい時
・退屈な時
・疲れている時
・緊張している時
・興奮している時
実際のところ、あくびがなぜ出るのかはわかっていないことも多いです。そのため、いつ出るのか人によって大きく左右されます。
ただ、生物が古くから行っている生物行動の1つであり、その歴史はとても長いと考えられているのも事実です。
これらの研究からもわかるように、あくびは本能に近い行動だと考えられているようです。
あくびの原因は?
あくびはそもそも何を原因として出るのでしょうか?
原因に関しては未解明な部分が多いですが、それでも研究によって主に2つの原因があると考えられています。
1.生物学的意義
あくびは酸素と二酸化炭素の交換を高める役割があり、その他には顔のストレッチや耳の圧力の調整などの役割で行われている生物行動です。
最近の学説では体温調節にも役立っているという説もあるほど、多種多様な役割を持っているのがあくびなのです。
特にオルバニー大学の研究によると、脳の温度を調節する働きがあるのではないかと考える説が有力となっています。
簡単に言えば、思考回路がオーバーヒートしないようにするための行動なのだとか。
もちろん、それに限定されるものではありません。あくびは感情の調節などに関する神経伝達物質によって引き起こされることもあり、ドーパミンやセロトニンなどの刺激によって引き起こされることもあると考えられています。
特に神経伝達物質の働きを促進する抗うつ薬の一種、パロキセチンを服用した患者は、異常にあくびの回数が増加したという研究もあったそうです。
反対にエンドルフィンのような脳内麻薬の働きによって、あくびの発生が抑えられるという研究もあるなど、まだまだ研究の余地がある分野だといえるでしょう。
2.共鳴的伝染性
最近の研究では、集団的な直感であるという説や群居性の動物の間で眠る時間を互いに知らせるためのシグナルになっているという説が有力です。
また、あくびは違う種のあいだでも伝染することが知られており、「犬→人」や「猫→人」という流れもあり得ます。
その逆は稀ですが、人間が他の動物からうつされるということもあるわけです。
その他、ミラーニューロン仮説というものもあり、この仮説ではあくびがうつるのはミラーニューロンが興奮するためだと考えられています。ミラーニューロンが興奮すると、人間は他人の行動を真似ようとするそうです。
あくびがうつるのは、そんな人間の行動原理に関係しているとも考えられているのです!
しかし、MRIを用いて人間の脳を調べた研究ではミラーニューロンがあくびで興奮する証拠はなく、反応の個人差が大きいといわれています。
そのことからミラーニューロンによって必ずしもあくびがうつるとは限らないですし、説明するのも難しいといえるでしょう。
なぜあくびはうつるのか?
すでに前項でほとんど説明してしまったのですが、あくびがうつるのには様々な仮説があります。事実、あくびがうつったという経験は誰もがありますよね。
ここまで読んでいただけた人ならわかるかもしれませんが、この記事を読んでいるだけでもあくびが出てしまうと思います。
実はあくびというのは、見るだけではなく考えたり文字を読むだけでも伝染することがわかっているのです!
うつる原因は?
うつることは様々な実験もされていて、実際にいくつかの研究によって証明されているのですが、その原因に関しては解明されていません。
ただ、昔から人間が行ってきた行動だけあって、これが生きていくために必要な行動の1つだったと考えるのが自然なのかもしれません。
あくびの止め方
あくびは昔から眠たい時や疲れている時に出やすいことから、人前でするのが失礼に当たるとされてきました。
そのため、どうしても止めたいという人もいると思います。
具体的な対応策があるわけではないですが、大事な場面で大あくびをしないように対処療法的な止め方もぜひ知っておきましょう!
舌で上唇に触る
あくびが出そうな瞬間に舌で上唇を触ると、自然とあくびが止まります。
ただ、何度もあくびが出そうな時は舌で上唇を触るだけでは止まらないこともあります。
下唇の下をつまむ
下唇の下をつまむという方法も有力です。
とにかくあくびに気を取られないようにするため、もしあくびが出そうになった時には下唇を引っ張ってみてください。
舌を噛む
あくびが止められそうもない時には、舌を甘噛みしてください。
思いっきり噛むと痛いので、優しく牛タンを噛むように咀嚼してみてください。意外と効果的ですよ!(笑)
目を見開き息を吸う
集中できていない時などは特にあくびが出やすいので、そこは半ば強制的に目を見開き、息を思いっきり吸ってみてください。
息を深く吸うことによってあくびを深呼吸に変換することができます。
まとめ
私たちが毎日しているあくびの原因や効果に関しては、完全に解明されているわけではありません。
あくびがうつってしまうのは、人間である以上仕方ないこととも言えます。あくびをしてる人は決してふざけてるわけではないので、周りの人がもっと寛大になってくれることを祈っています!
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