アフリカ一のハンター「リカオン」はマイナーな動物だけど狩猟能力がスゴい!

アフリカ一のハンター「リカオン」はマイナーな動物だけど狩猟能力がスゴい!

アフリカ一の狩人として知られる動物と聞けば、ライオンやチーターなどを思い浮かべる人も多いかもしれません。

しかし、実はそれらの動物を凌駕するハンターがいます。その名も「リカオン」です。

ただ、この動物はテレビで紹介されることがほとんどないので、マイナーな存在です。そこで今回は、狩猟能力が桁違いのリカオンについてご紹介します!

リカオンとは

リカオンは、イヌ科リカオン属に分類される動物です。

日本ではあまり知られていない動物なので、リカオンの姿や生息地、生態などについて解説します。

リカオンの姿

リカオンは黒や茶や黄など、まだら模様の体毛が特徴で周囲の音を敏感に捉えられるよう耳が大きく発達しています。

厳しい自然環境で生き抜くために進化した体は、高速で動けるよう強靭でしなやかなのも特徴です。

見た目だけなら犬や狼などイヌ科に近い動物ですが、ハイエナなどネコ科近種の動物にも似ているなど風変わりな見た目をしているのも特徴だと言えるでしょう。

リカオンの生息地

リカオンの生息地は、サハラ砂漠以南に広く分布しているのが特徴です。

サバンナや草原、疎林などで見かけることが多いほか、標高1,800m~2,800m周辺の山岳地帯でも見かけることがあります。

しかし完全な砂漠や密林などにはいないため、アフリカに広く分布しているとはいっても、生きていける環境は限られています。

リカオンの生態

リカオンの体長は約80cm~120cmほどで、体重は約20kg~40kgで筋肉質です。

パックと呼ばれる群れを形成して10頭前後で生活するのが特徴で、群れで狩りを行う習性があります。仲間と連携して獲物を狙う姿はハンターそのものですよ。

また動物界では珍しく、パックのリーダーはオスだけではなくメスが率いることもある他、子育てもオスメス共同で行います。

他の動物に比べて社会性がとても高いことから、集団行動に慣れている動物でもあるのだとか。個々の強い体臭も集合の際に役立てるなど、常にパックを中心とした生活を送っているようです。

リカオンの名前の由来

リカオンという名前は属名の「Lycaon pictus」が由来です。「狼」という意味を持つこの学名がそのまま使われています。

また、英名では「Painted hunting dog」と呼ばれることがあります。これは「彩色された・装飾された猟犬」という意味で、体毛の色にちなんで名付けられたものです。

他にも「African wild dog」などとも呼ばれ、「アフリカの狩猟犬」という意味があります。

リカオンはアフリカ屈指のハンター

そんなリカオンは、アフリカ屈指のハンターと呼ばれることもあるのだとか。

ライオンやチーターを凌駕するほどの狩猟能力を持っていて、動物界一の狩人と呼んでも良いかもしれません。

リカオンの捕食対象は?

リカオンの主な捕食対象は、トムソンガゼルやインパラなどの草食動物です。その他にもニアラやイボイノシシなど、捕食しやすいものを狙って食べています。

また、集団生活を送るヌーやトピ、シマウマなど大型哺乳類も対象です。

リカオンは自分の何倍もある動物であっても、パックの仲間と連携して狩りを成功させるのです!

別名は「アフリカの狩猟犬」

リカオンは1日に平均10kmほど移動して獲物を探すのですが、獲物が少ない場合は時速9~11kmの速度で2~3日にわたり獲物を探すこともできます。

また、狩りの時は走行速度が時速45~66kmに達するなど、持久力も瞬発力も兼ね備えたハイブリッドな動物なのです。

非常に優れた身体能力を持つからこそ実現できるのかもしれませんね。

そしてそれだけでなく、とても早食いなのも特徴です。

ライオンは時間をかけてゆっくり食べるのですが、小柄なリカオンは他の大型肉食動物が横取りしてくる可能性もあるため、すぐに獲物を食べてしまうようです。

狩りの成功率が非常に高い

リカオンの狩りの成功率は非常に高いです。以下、代表的な動物たちの狩り成功率となります。

・ヒョウ:15~40%
・ライオン:25~30%
・チーター:40~60%
・リカオン:60%以上

成功率は獲物や群れの大きさ、狩りの仕方などによって違いがあるのですが、時には85%程の成功率があるのだとか。これは自然界では驚異の数字といえます。

リカオンは姿が見られるのが稀な貴重な生き物

非常に優れたハンターのリカオン。

そもそも個体数がそこまで多くないため、アフリカで行われているサファリツアーなどでもなかなかお目にかかれないんだとか!

現在推定6,600頭しかいない?

リカオンは1世紀以上にわたって害獣と見なされてきたこともあり、狩猟や駆除によって個体数がかつての1%まで激減してしまいました。

かつては砂漠や密林を省くサハラ砂漠以南に広く分布していたのですが、人間の開発による生息地や獲物の減少、そして害獣としての駆除などにより生息数は減少しています。

近年までは100頭ほどの大きな群れも記録されたようですが、北アフリカと西アフリカの大部分では既に絶滅したともいわれているほどです。

残る中央アフリカや北東アフリカでも、リカオンの生息数が大幅に減少しているのは大きな問題と言えるでしょう。

調査のひとつでは、現在リカオンは6,600頭ほどしかいないと考えられています。他の調査でも8,000頭ほどだといわれているので、非常に個体数が少ないのは確かなようです。

生態にも姿を見られない理由がある

なかなかリカオンが見られないのは、単に個体数が少ないだけが原因ではありません。

アフリカを代表する肉食動物、ライオンやチーターなどの動物たちとは違い、リカオンは縄張りを持つということをしません。そのため同じ地域で見かけることは稀なのです。

常に移動して狩りをするリカオンは、目撃情報があっても到着した頃にはもう移動しています。まさに神出鬼没のハンターなのです!

まとめ

リカオンは野生動物の中でも、一番狩りが上手な動物と言っても過言ではありません。

他の動物に比べても特殊な生態を持つリカオンはその生態も相まって、なかなか見つけるのも難しいです。

人間が害獣だと扱っていたせいで数を大きく減らした悲しい現実もあります。今後、数を元に戻してマイナーな存在から脱却してもらえると嬉しいですね。


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