【TGS2012】目の前で実像と虚像が入れ替わる不思議体験 ソニーの没入快感研究所の実験に参加してきた

9月20日から開催中の『東京ゲームショウ2012』。大きなパネルと1台のモニターが置かれただけのブースに人だかりができています。こちらはソニーが理化学研究所の藤井チームと共同で『センス・オブ・ワンダー ナイト プレゼンツ ヘッドマウントディスプレイ 没入快感研究所』として設置しているもの。理化学研究所が開発した“代替現実システム(Substitutional Reality System、以下SRシステム)”を体験できるこのブースは、プレス向けには予約制、一般デーは抽選で既に体験の予約がいっぱいという隠れた人気展示なのです。幸いにも体験することができたので、レポートをお届けします。

“SRシステム”は、ソニーのヘッドマウントディスプレイ『HMZ-T2』を応用して開発したもの。没入感のある映像が楽しめるヘッドマウントディスプレイですが、これに頭の動きを検出して映像を切り替えるシステムと、体験者の目の前の映像を撮影するライブカメラを組み合わせています。
体験者の入る部屋であらかじめ360度のパノラマ映像を撮影しておき、この“過去”の映像を目の前のライブ映像と切り替えることにより、体験者は目の前で不思議な体験ができるとのこと。楽しみです。

ブースを訪れると、モニターに注目している人たちが集まっています。パネルの向こうに部屋があり、体験者の様子がモニターで映し出されているようです。自分も体験中はブースの人たちにリアクションが丸わかりなんですね……ちょっと緊張してきました。

部屋の中に通されると、壁から天井、床まで真っ白な部屋の中に、体験者が座るイスとヘッドマウントディスプレイ、ヘッドホンなどが用意されています。


イスに座ると、目の前に研究員のお姉さんが登場しました。体験者をナビゲートしてくれるようです。


ヘッドマウントディスプレイとヘッドホンを装着し、ライブカメラが正しく撮影できているかチェックします。研究員さんが左右に移動し、「イスを回転させてこちらを見てくださーい」と指示されるままに見ていく筆者。

チェックが完了し、いよいよ体験です。映画『バイオハザード V』の予告編の映像を見始めます。ここからはネタバレになるので、もし体験を予定している人はご注意を。見終わったタイミングで研究員さんが現れ、「いかがでしたか? これは現在公開中の……」と説明をしていたところ、部屋の蛍光灯が点滅し始め、研究員さんがうずくまってしまいます。どうしたんだろう? と思っていたら……。

研究員さんがゾンビ化して襲いかかる! わわわわわ、思わず手を前に出して止めようとしてしまいました。これはこの部屋であらかじめ撮影された映像。部屋の中のライブ映像から気づかないうちに切り替わっていたので、現実かのように見えてしまいます。頭を動かして視点を移動してもパノラマ映像が視点に追従するので、まったく違和感がありません。
この後、左右に移動する研究員さんが実像(ライブ映像)と虚像(過去映像)で分裂して2人になる体験や、バイオリニストの宮本笑里さんが目の前で演奏してくれる間に現れたり消えたり、風船が現れるなどの不思議体験が続き、約10分の体験時間は終了。楽しかった!
頭を動かすと視点が変わるインタラクティブな映像体験は、それ自体がゲームといえそうですが、ドラゴンと戦ったりゾンビが襲ってくるゲームの世界が目の前で展開したらすごく楽しそう。SRシステムの製品化は予定していないそうですが、アミューズメント施設などでいつでも体験できるようになるといいですね。
ゲームショウへ行く予定のある方は、是非『センス・オブ・ワンダー ナイト プレゼンツ ヘッドマウントディスプレイ 没入快感研究所』を訪れてみてください。体験者が見ている映像や体験者のリアクションをブースのモニターで見られるので、体験できなくても十分に楽しめますよ。コンセプトムービーは後日『Facebookページ』でも公開を予定しているので、会場へ行けない人はチェックしてみましょう。
HMZ 没入快感研究所
https://www.facebook.com/hmz.lab
ちなみに『センス・オブ・ワンダー ナイト』は、「“見た瞬間、コンセプトを聞いた瞬間に、誰もがはっと、自分の世界が何か変わるような感覚”=「センス・オブ・ワンダー」を引き起こすようなゲーム」を、中小ゲームメーカーやインディーズゲームクリエーターの作品を交えて紹介するゲームショウ内のイベント。ソニーがこのイベントのスポンサーになったことからブース出展が実現しています。
センス・オブ・ワンダー ナイト 2012
http://expo.nikkeibp.co.jp/tgs/2012/business/sown/index.html
【東京ゲームショウ】インディーズゲームが集結した『センス・オブ・ワンダー ナイト』第2回が開催
https://getnews.jp/archives/31085

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
TwitterID: shnskm
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。