【炎上】テレビ朝日が医師インタビューを捏造放送 / テレ朝に医師が怒りのコメント全文公開「映像が編集され真逆の意見に」
テレビ朝日から新型コロナウイルスに関してのインタビューを受けた医師が、あまりにも内容がかけ離れた内容で放送され、インターネット上で怒りと遺憾のコメントを掲載し、注目が集まっている。
・まったく真逆の意見として放送
テレビ朝日の報道番組「グッド! モーニング」の取材を受けた澁谷泰介医師。そこで彼は「PCR検査をいたずらに増やすべぎではない」という考えを持って取材を受けたものの、放送時には「PCR検査を大至急増やすべき」ともとれる内容に編集され、放送されてしまったというのだ。
・テレビ朝日に対する不信感
もしその編集が事実であれば、澁谷泰介医師の考えをまったく無視したものであり、インタビューを受けた意味がないばかりか、澁谷泰介医師の名誉を著しく毀損する行為ともいえる。この件に関して澁谷泰介医師は自身の公式Facebookでコメントし、テレビ朝日に対して激しく遺憾の意を示している。澁谷泰介医師の名誉にも関わることであり、ここに全文掲載する。
・澁谷泰介医師のコメント
「本日テレビ朝日の朝のニュース番組グッド!モーニングで私がコロナウイルス診療に関してインタビューされたものが放送されました。昨日の朝、テレビ朝日の方から取材の依頼が来て、夕方にzoomを用いたリモートでの取材という形で依頼を受けました。
取材の依頼内容としましては、コロナウイルスへのヨーロッパ と日本の対応に関して現場の生の声を聞きたいとのことでしたので、専門家でないので一医療従事者の声としてしか答えられませんとお断りした上で取材に応じさせていただきました。が、編集で取材内容とはかなり異なった報道をされてしまい、放送を見て正直愕然としました。
取材では、ヨーロッパ での感染状況に関して、私がベルギーから日本に戻ってきてコロナウイルスに関する診療をするに至った経緯、帰国時に感じた日本の診療体制に関する率直な意見、また日本で再度働き始めて1ヶ月ほど経って現場はどう変わったか、現在の現場の様子、日本のPCR検査への対応に関して、現在医療現場で必要とされているもの、最後に一言、という感じで40分程度質問に答える形で進んでいきました。
その中でも、PCR検査に関してはこれから検査数をどんどん増やすべきだというコメントが欲しかったようで繰り返しコメントを求められましたが、私は今の段階でPCR検査をいたずらに増やそうとするのは得策ではないとその都度コメントさせていただきました。
確かに潤沢な検査をこなせる体制というのは本当に必要な方に対してはもちろん必要です。ただ、無作為な大規模検査は現場としては全く必要としていない事をコメントさせていただきましたが完全にカットされていましました。(※大規模検査が必要ない理由に関しては、調べていただければ感染症や公衆衛生の専門家の方々の意見などたくさん出てきます)
カットだけならまだいいのですが、僕がヨーロッパ 帰りということで、欧州でのPCR検査は日本よりかなり多い(日本はかなり遅れている)といった論調のなかで僕のインタビュー映像が使用されて次のコメンテーターの方の映像に変わっていき、だからPCR検査を大至急増やすべきだ!というメッセージの一部として僕の映像が編集され真逆の意見として見えるように放送されてしまいとても悲しくなりました。
また、現場の生の声として、物資の手配と医療従事者への金銭面や精神面での補助に関しても強調してコメントさせていただきましたがそちらも全てカットされてしまいました。物資の手配に関してはたくさんのコメンテーターの方が繰り返し言っているのでまだいいのですが、最前線への医療従事者の方には危険手当のような補助がないと続かないということは強く言わせてもらったつもりです。
家族などへウイルス感染を持ち込んでしまうことを恐れて1人病院に泊まったり、病院の近くにホテルやマンションを借りて自主的に隔離をしているスタッフも知っています(もちろん自腹です)。愛する家族子供とも会えずに、身体的精神的な負担だけでも計り知れないのに、金銭面な負担までのし掛かるのは本当に残酷でしかありません。
医療者のプロフェッショナルとしての気概だけで現場を回すのには限界があると思い、そういった部分に行政などからサポートを入れて欲しいと強くコメントさせていただきましたが、全てカットになってしまい本当に悲しい限りです。
忙しい最前線の医療スタッフは取材に応じる時間も気持ちの余裕も全くないです。僕はたまたま非常勤として働いており時間があったので現場の生の声を多くの方に知ってもらえればと思い取材に応じさせてもらいましたが、実際には生の声すら全く届けることは出来ず不甲斐ない気持ちです。
メディアの強い論調は視聴者に強く響き不安を煽ります。情報が過剰な現在で、どうか正しい知識と情報がみなさんに行き渡って欲しいと切に思いました。正しく伝えるって難しいですね、、、」(コメントここまで)
・問題シーンを調査「論調がPCR検査が少なすぎた日本責め」
今回、問題となっているシーンを調査してみた。番組は「PCR検査 目安見直しへ」と題してはじまり、ふたりのアナウンサーが「感染が疑われる人がPCR検査を受けられず病状が悪化することが相次いでいる」「基準の見直しは検査数を増やすことに繋がるのでしょうか?」とコメント。そこにオンライン取材を受ける澁谷泰介医師が登場。ナレーションにて以下のように彼を紹介した。
・ナレーションのコメント
「新型コロナウイルスに対する日本の遅れを痛感したと話すのは最近までベルギーで心臓外科医として活動をしていた澁谷医師です」
「愕然としたのが、クルーズ船ダイヤモンドプリンセスをめぐって、世界でも早いうちに集団感染と向き合ったはずの日本の医療体制が整っていなかったことでした」
・問題シーンを調査「論調がPCR検査が少なすぎた日本責め」
そのながれで澁谷泰介医師のインタビューが流され「どういった動線で患者さんを搬送して、どういったように診るですとか、いろいろと対策が練りに練られているのかなと思っていたのですが、その違いがとてもビックリしました」とコメント。
続いてナレーションで「ヨーロッパとの政策の違いにも戸惑ったと言います」と流れ、澁谷泰介医師は「すべてに検査をしないで、疑わしい人にだけ検査をするという、世界的にみるとかなり珍しい政策をとっていたんですけれども」とコメント。
さらにナレーションで「ヨーロッパでは多くの国が大規模なPCR検査を早くから実施し、感染者の抑え込みに乗り出しました。しかし日本では依然としてPCR検査に高いハードルが設けられているため、重症化しやすい患者を見逃すリスクがあると言います」と流れた。
・最初から最後までPCR検査を増やす論調
また、その先も「PCR検査を増やす(増やすべき)」という論調で番組が進み、最後にPCR検査拡充を強く進めている山梨大学の島田真路学長のインタビューを流し、この話題が終わった。
・結論ありきの題材にうまく使われた可能性
確かに、この番組を見るかぎり、澁谷泰介医師がPCR検査を増やすことを大賛成しているように感じるし、編集でうまく使われたと憤慨しても当然といえる。テレビ朝日としては、結論ありきの題材に対し、説得力を高めるため専門家のコメントが欲しかったのだろう。「結論ありき」なのでその結論に反する意見は切り取ったと考えられる。
・まったく逆の意見にされている
今回の問題は、PCR検査を増やす増やさないの問題ではない。その点に関しては、人それぞれが良いと考える意見があるだろう。問題なのは、インタビューを受けている人の意見がテレビ局側の意思によって編集され、曲げられている点だ。特に今回は、まったく真逆の意見にされてしまっている。皆さんはこの件をどのように感じただろうか。
もっと詳しく読む: テレビ朝日が医師インタビューを捏造放送 / 医師の怒りのコメント全文公開「映像が編集され真逆の意見に」(バズプラス Buzz Plus) https://buzz-plus.com/article/2020/05/08/doctor-interview-regret-news/
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