水道水のカルキを抜く方法5選!それぞれの注意点も解説

水道水のカルキを抜く方法5選!それぞれの注意点も解説

「水道水のカルキ臭が気になる」「カルキが健康の害にならないか心配」「メダカや金魚の水槽に入れる水のカルキを抜きたい」など、カルキを抜きたい理由は様々でしょう。手軽にカルキを抜く方法と、その際の注意点も紹介しますので、参考にしてください。

水道水のカルキ臭がでる原因


カルキって本当はなに?と思ったことはありませんか?水回りにこびりついている白い塊もカルキといわれますし、水道水独特の臭いもカルキと呼ばれるのはなぜでしょう。その理由を紹介します。

 

カルキとは水酸化カルシウム(消石灰)に、塩素を吸収させることで出来る白い粉上のものをいいます。この白い粉状のものを、正式名称で次亜塩素酸カルシウムといいます。

 

日本では、水道水の消毒に、次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸カルシウム、液化塩素の使用が認められています。3種類の薬品とも、基幹成分は塩素です。水道水に元からあるアンモニア性窒素と、塩素が反応して生まれるのが「クロラミン」というカルキ臭の原因です。

 

塩素は水の消毒のために、必ず入れる必要があります。。ある程度は気化してしまう成分でですが、基準は水道の蛇口から水が出た時の濃度が1リットルあたり、0.1mgとされています。

 

水質や水温などで、カルキ臭を強く感じてしまうことがあります。また、金魚やメダカには有毒にもなる塩素ですから、しっかり抜いてあげる必要があります。

 

人の健康に害はないものの、お米の甘みなど、繊細な食材の美味しさには影響が出てしまうことがあります。美味しい日本の水を、さらに美味しくするための、カルキ抜きの方法を紹介していきましょう。

 

水道水のカルキを抜く5つの方法

水道水の浄化設備が整っている現代ですが、それでもカルキ臭が気になるときってありませんか?メダカや金魚の水槽の水を替えるときも、やはり水に含まれた塩素濃度に気を付ける必要があります。

 

健康に害は無いとされるカルキですが、全く無いというわけではありません。塩素にはタンパク質を破壊するという作用があり、肌荒れや髪のパサつきなどの原因になります。

 

敏感肌の人や、アトピー性皮膚炎の人は、水道水に含まれるカルキにも、注意をはらうことをおすすめします。そこで、簡単にカルキを抜く方法を紹介しましょう。

 

煮沸でカルキを抜く方法

 

煮沸とは、やかんなどに入れた水を沸騰させ、カルキ臭の元になる塩素を除去する方法です。塩素を飛ばすための沸騰時間の目安は10分ほどですが、この時点で発がん性物質でもあるトリハロメタンが増加してしまうことが分かっています。このトリハロメタンを除去するためには、続けて3分から10分の煮沸が必要です。

 

もっとも、日本の水道水の基準は、世界保健機構が定める数値よりずっと低く、煮沸してトリハロメタンが生成される量はごく微量です。

 

気にならないという人には、一番簡単なカルキ抜きの方法です。カルキを除去した後の水は、雑菌が繁殖しやすくなってしまうため、作り置きはしないようにし、出来るだけ早く使用してください。

 

水を沸騰させてカルキを抜く方法には、欠点があります。それは、水を沸かすための燃料代がかかってしまうという点です。簡単な方法ではありますが、コスパの点からもしっかり検討しておくことをおすすめします。

 

汲み置きによるカルキ抜きの方法

時間が掛かっても良いから、大量の水のカルキ抜きがしたい場合おすすめなのが、汲み置きという方法です。メダカや金魚などの水槽の水を入れ替える際などに便利な方法です。

 

普通の大きさのバケツ1杯あたりの水道水から、カルキを抜くのに必要な時間は、6時間から24時間程度必要です。紫外線にしっかり当てることが重要ですので、気温や天気にも左右されます。しっかり抜けたかどうかを知りたい場合は、測定器で計測することをおすすめします。

 

時間をかけられない場合は、中和剤を使ったほうが早く確実なことは言うまでもありません。中和剤を使用してカルキを抜いた水は、飲用や調理用には使用できませんので注意してください。

 

中和剤はチオ硫酸ナトリウムという成分です。使用量は必ず守る必要があるので、説明書きをしっかり読んで正しく使うようにしてください。

 

レモンなどのビタミンCでカルキを抜く方法

輪切りにしたレモンなどでカルキ臭を抜く、あるいは消すという方法があります。ビタミンCを多く含んだものであれば、レモンに限りません。ビタミンCが塩素と結合し酸化ビタミンCとなることで、塩素の除去ができるためです。

 

水の風味もよくなり、見た目もおしゃれな方法ですが、一つだけ問題点があります。それはレモンの皮などに浸透した防カビ剤の存在です。

 

国産のものは安全なものが多いようですが、値段が高いのが難点です。一方輸入品には、前述した防カビ剤が塗布されているのが一般的です。

 

防カビ剤は、浸透性が高く洗い落とすことができません。まるごと茹でて、溶け出させる必要があります。塩で皮の表面を洗うという方法が知られていますが、これは農薬やワックスの場合のみ有効です。

 

また、レモンの絞り汁だけを水に入れるという方法も、手軽でおすすめです。見た目の華やかさはありませんが、カルキの中和や臭いを消すという点では、試してみたい方法の1つです。

 

炭をいれてカルキを抜く方法

炭を水道水に入れて冷蔵庫で保管するだけで、自家製ミネラルウォーターができます。炭には浄化作用があるため、カルキ臭だけではなく、トリハロメタンの除去もできます。また、炭に含まれるミネラルが水に溶け出し、ミネラルウォーターになるのです。

 

炭は浄化作用が強い竹炭か、備長炭がおすすめです。1リットルの水道水に、約150グラム程度の炭を入れ、半日ほど冷蔵庫で放置するだけという簡単さです。日光に当てると、もっと早くカルキの除去ができます。

 

炭は水に入れる前に、丁寧にきれいに洗いましょう。そして必ず煮沸して、いったんしっかり乾かしてください。炭の浄化作用は1ヶ月程度しかありませんので、交換時期を忘れないようにしましょう。

 

浄水器を使ってカルキを除去する方法

一番簡単なカルキ抜きは、浄水器を使用することです。取り付け工事などに多少の出費が必要だったり、メンテナンスや交換が必要だったりしますが、いつでも必要な量だけの浄水が手に入るのは、便利以外のなにものでもありません。

 

蛇口直結型浄水器でカルキを抜くにあたり、国民生活センターでは次のような結果を発表しています。

 

「 日本の水道水では、カルキ臭を取り除くだけで、味やにおいが改善される場合が多い。カルキ臭のもとである残留塩素(おいしさにかかわりの深い成分)は、ろ過能力の最終時点まで、どの銘柄でも9割程度を取り除くことができた。カルキ臭の除去だけが目的ならば、浄水器を使用する期間内で経済的な銘柄(記事番号1266参照)を選べばよい。」

(http://www.kokusen.go.jp/news/data/a_W_NEWS_045.html 独立行政法人 国民生活センター浄水器の比較テスト結果 引用)

 

浄水器のフィルターメンテナンスや交換時期を忘れないようにしましょう。気が付かず使い続けていると、雑菌だらけの水を口に入れていたということになりかねません。

 

簡単にカルキ抜きができる便利グッズ

 

 

飲むための水だけカルキを除去したいなど、少量の水のカルキ抜きを手軽に、簡単にできる便利グッズを紹介します。

 

金魚やメダカなどの、小さな水槽にいれる水のカルキを抜きたい時は、専用の中和剤があります。この中和剤を使った水は、人が飲むことはできません。

 

手軽にカルキ抜きができる便利グッズの筆頭は、湯沸かしポットです。カルキ抜き用のボタンがあるものや、沸騰後、しばらくはカルキ抜きのための作動しているポットもあります。

 

濾過器がついた冷水用のポットもあります。水を入れて、冷蔵庫に保管しておくだけで、水のカルキを除去してくれるものです。容量が大きなものであれば、お米を炊く際の水などにも使用することができますね。

 

ペットボトルに入れて水を持ち運ぶときに使える、スティックタイプのペットボトル用浄水器といった、簡単なものも流通しています。繰り返し使えて便利ですが、注意点があります。

 

カルキとは、消毒殺菌を目的として水に投入されているものです。それを除去した水は、当然のことながら、こうした雑菌の繁殖が容易になることが考えられます。

 

美味しい水にこだわるあまり、雑菌だらけの水を飲んでいては本末転倒というものです。カルキを抜いた水は、出来るだけ早く消費するよう気を付けましょう。

 

のど越しの良い、美味しい軟水に恵まれた日本ですから、色々な便利グッズを利用して、水の味をもっともっと楽しめると良いですね。

 

おわりに

水道水に感じるカルキ臭を抜く方法を、紹介してきました。水の美味しさにこだわってしまうのも、日本人的なものかもしれませんね。ミネラルウォーターを1日数本購入するよりも、手軽にできる水道水のカルキ抜きを、試してみませんか?

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