通勤ストレスでベビーカーまでもがいじめの対象の恐怖社会

通勤ストレスでベビーカーまでもがいじめの対象の恐怖社会

今回はかさこさんのブログ『つぶやきかさこ』からご寄稿いただきました。

通勤ストレスでベビーカーまでもがいじめの対象の恐怖社会

電車内でのベビーカーは迷惑だ!
そんな信じられない意見が意外と大半を占めているらしい。
電車内でのベビーカー利用に理解を求めるポスターを、鉄道会社や東京都が提示したところ、賛否両論、批判や苦情も寄せられているという。

「ベビーカーが通路をふさぐ」
「ドアの脇を占領され、手すりを使えなかった」
「車内でベビーカーに足をぶつけられた」
「ポスターがあるからベビーカー利用者が厚かましくなる」
「ベビーカーを畳もうというポスターも作って」

確かにベビーカーは邪魔だよねと思う時もある。
一部のベビーカー利用者は「子供がいる私は勝者だ」と言わんばかりに、王様のごとくふるまい、他の乗客への配慮もない人もいるだろう。
子供を乗せているのに、発車間近の電車のドアに突っ込ませて、駆け込み乗車しようとするとんでもない親もいる。

しかし圧倒的大半は必要に迫られて、仕方がなく電車に乗っている人ばかりではないのか。

でもベビーカー利用者への視線は冷たい。
「わざわざ通勤ラッシュ時に乗るな!」
「タクシー使え!」

別に痴漢じゃあるまいし、好き好んで通勤ラッシュに乗る人は誰もいないだろう。
必要があるから乗っている。
時間帯をずらせないから乗っている。

タクシーを使えっていうのも恐ろしい意見だ。
例えば、電車に乗れば1区間、3分で160円で行けるところをタクシーに乗れば、30分3000円ぐらいかかったりもする。
時間もかかるは金もかかる。
よほどの金持ちでない限り、よほどの緊急性がない限り、タクシーを利用できるのは、経費意識のないサラリーマンか、よほどの金持ちぐらいだろう。

ただ私も15年間、通勤電車に乗ってたから、苛立つ気持ちはわからないでもない。
特に通勤ラッシュ時に、ベビーカー利用者など、会社員ではないと思われる人が乗っていると、イラっとするし、邪魔だと思う。
実際に物理的に邪魔かどうかは別にして、存在自体が邪魔に思えるのだ。

「俺たちは朝から晩まで毎日忙しく働いていて、クタクタなのに、のん気に場所とって乗りやがって」

通勤電車の優先座席なんか、眠ったフリなのかケータイに夢中で気づかないのか、老人がいようが妊婦がいようが、ほとんど席を譲らない。
「俺たちの方が疲れてるんだよ!」と言わんばかりだ。

中にはベビーカー利用者に対して、「温かい目で見守るべきだ」「譲り合いの心が大事」とごく真っ当な意見を言っている人も多いが、残念ながら、心に余裕のない人間やモラルのない人間に、モラルに訴えてもまったく意味をなさない。

思うのは根本的原因にあるのは、それほど心に余裕がないほど、会社員は特に通勤電車にストレスを感じているということだ。

でも思う。
だったらあんたらサラリーマンが、通勤電車に乗るの、やめればいいじゃん。
っていうか見方を変えれば、ベビーカー利用者から見たら、通勤電車を占有しているサラリーマンの方が、はっきりいって邪魔かもしれない。

だから一番の解決策は、通勤ラッシュを緩和すればいい。
ただ鉄道会社に対策を求めるのはまったくの筋違いだ。
これ以上、本数も車両も増やすことは限界だろう。
緩和するにはラッシュ時に乗る乗客の数を減らせばいい。

そんなのできない?
ほんと?冗談でしょ?
今やパソコン、メール、インターネット、スマホ、ケータイがある時代。
なんで通勤ラッシュにみんな出社しなくちゃいけないわけ?
別に家でも仕事できるんじゃない?
別にカフェでも仕事できるんじゃない?

セキュリティがうんたらとかいうなら、定時を決めずにフレックスでもいいんじゃない?
どうしても9時に会社で仕事しなきゃいけないわけ?
6時じゃダメなの?11時じゃダメなの?
なぜ都心にオフィスがなきゃいけないんですか?
別に都心じゃなくてもラッシュとは反対方向の、賃料の安い郊外オフィスで仕事はできないんですか?

もちろん世の中にはどうやっても、その日その時間にオフィスで働かなければいけない人はいっぱいいる。
パソコンやケータイで仕事ができない職種も多い。
でも通勤ラッシュの乗客の何割かは、
・別にオフィスでなくても仕事はできる
・別に定時でなくても仕事はできる
っていう人たちではないのか。

企業こそが、国民のストレス緩和のために、経済成長のための労働生産性効率アップのために、電力不足回避のために、資源の無駄遣い回避のために、オフィス賃料や通勤代のコスト削減のために、自社の仕事内容や職種を見極め、場所にとらわず働けるノマドワーカー的スタイルを認めるとか、定時のしばりをはずしてフレックスにするとかすればいいんじゃない?

未だに定時にオフィスにくることが仕事だと思っていて、どんなに猛暑で電力不足が危惧されようが、ネクタイ、ジャケット来たスーツで、通勤電車に乗って来ることこそが仕事だと思い込んでいる、頭の悪い企業経営者や会社上司が多すぎるんです。

今のテクノロジーさえあれば、別に時間も場所もとらわれずに働ける人いっぱいいるんだから、通勤ラッシュ緩和できるよね?
そしたら別にベビーカー利用者に苛立つ必要もない。
どうしても電車に乗って、そこに行かなければならない人だけが乗ればいい。

なんか日本社会ってみんなでわざわざ非効率的なこと、息苦しいことをするのが、根性であり忍耐であり仕事であるみたいな、おかしな風潮が深層意識にこびりついている。
だから本当は乗らなくても仕事できるのに、誰もがイヤだと思っている通勤電車に乗らざるを得ず、みんなストレスためて、他者を排撃することばかりに心が向いている。

通勤ラッシュを緩和すればいいんです。
一昔前は不可能だったかもしれないけど、スマホもこれだけ普及した時代。
やろうと思えば、相当緩和できるはず。

ただそれを阻んでいるのは、時代の環境変化についていけない老害たちが、会社を牛耳り、新しい働き方を認めないからでしょう。

企業が率先してノマドワーカーを増やす。
そしたらベビーカー利用なんか気にならなくなるだろうし、啓発ポスターを作る必要なんかもなくなるはず。

やろうと思えばできるのにやらない。
だからあちこちでストレス発散のはらいせに、わかりやすいベビーカーというターゲットをいじめの対象にする。
みんな苛立っている。
でもその原因を取り除くことはできると思う。

※マナーの悪いベビーカー利用者を擁護するものではありません。
※っていうか歩きながらケータイしているバカとか、道をふさいで歩いているバカとか、根本的に公的スペースでの歩き方がなっていない人があまりに多すぎ。

執筆: この記事はかさこさんのブログ『つぶやきかさこ』からご寄稿いただきました。

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