膨大な情報から「いい情報をつかむ」ために心がけたい3つのポイント
現代のビジネスパーソンに、膨大な文字情報を処理する能力が求められていることは間違いない。
業務上に必要なメールや書類、データをはじめ、ビジネス書などの書籍、インターネット上に掲載される業界の最新情報や業務を効率化するライフハック、スマートフォンのアプリを通してツイッターやFacebookなどの友人や知人、著名人の発言もチェック。私たちの周囲は常に文字情報で溢れている。
しかし、そうして読んだ大量の文字情報を、どれだけ覚えているだろうか? 実はまったく頭に入っていないという人も多いのではないだろうか。「読んだつもり」になっていても、それが良質なインプットになっているとは限らない。
では、良質なインプットを生みだすにはどうすればいいのだろうか。経営コンサルタントの小宮一慶さんが執筆した『読む力ドリル』(大和出版/刊)は「読む力」を養うための方法をドリル形式で伝授してくれる一冊だが、この中で、「読む力」をトレーニングするにあたり、以下の3つのポイントを心がけて欲しいとつづる。
(1)事実を「客観的に」つかむ
目の前の文章を思い込みで読んでいないだろうか? 文章は、主観を交えず、客観的に読むことが大切だ。事実を客観的につかむことが、読む力を高める第一歩になる。
(2)語彙や文法などの「知識」を身につける
語彙や文法など日本語の知識を身につけることも重要だ。読める漢字や知っている言葉、専門用語が少ないほど、理解できる文章の幅は狭まる。普段から新聞などを積極的に読んだり、自分の仕事に興味を持ち、基礎的な知識を入れるようにしよう。
(3)自分のもっている知識と「関連づけ」る
得られた情報は、他の情報と関連付けることで、深く掘り下げて理解していくことができる。理解力の高い人ほど、漠然とした話や文章でもポイントをさっとつかみ、自分のもっている知識と、次々と関連づけしていけるものだ。
つまり、「客観性」「知識」「関連づけ」、この3つが読む力を身につけるベースとなるのだ。
本書ではこうした基礎的な力を身につけるレッスンを経てから、「速読」や「通読」「熟読」といった情報の読み方を具体的に学ぶドリルを解いていくことになる。
「速読」とは「求める情報を短時間で探すために、要点をすばやく、的確に把握するための読み方」(例:忙しいときに部下から提出された報告書)。「通読」は「始めから終わりまでひと通り読み、全体像を理解すること」(例:資格取得のために読むテキスト)。そして、「熟読」とは「ある個所だけを、他の専門書や資料なども参照しながら理解できるまで時間をかけて、完全に読み込む」方法(例:仕事に関する専門性の高い本)。この3つの読み方をマスターすることで、どんな本や記事、情報も、本質を見失うことなく、対峙することができるのだ。
文章の基礎から、効率よく必要な情報を抜き出す方法まで、本書の「ドリル」を通して、ビジネスの場面に携わるすべての人が応用できる力を身につけることができるだろう。
良質な情報をインプットすることで、企画書、報告書、プレゼンなどアウトプットの質が高まり、あなたの仕事は大きく好転するはず。また、膨大な情報に“騙されないように”するためにも、3つの心がけを実践してみてはどうだろうか。
(新刊JP編集部)
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