やっぱり駅舎は最高!わざわざ訪ねたい、東日本の駅舎15選
旅行や通勤・通学で何気なく利用している駅舎。立ち止まってじっくり見てみると、それぞれの駅舎には個性があり、その魅力もさまざまです。特徴的な外観であるだけでなく、興味深い歴史があったり、美しい装飾が施されていたり……。そんなわざわざ見に行く価値がある15の駅舎を、東日本エリアから厳選してご紹介します。
①原宿駅(東京)
②東京駅(東京)
③南宇都宮駅(栃木)
④日光駅(栃木)
⑤真岡駅(栃木)
⑥西桐生駅(群馬)
⑦神戸駅(群馬)
⑧土合駅(群馬)
⑨長瀞駅(埼玉)
⑩深谷駅(埼玉)
⑪ほっとゆだ駅(岩手)
⑫姨捨駅(長野)
⑬くびき駅(新潟)
⑭上総鶴舞駅(千葉)
⑮米沢駅(山形)
①原宿駅(東京)
間もなく新駅舎へ 都内最古の木造駅舎
三角屋根のレトロな外観が印象的な山手線のJR原宿駅。1906(明治39)年、すでに開通していた日本鉄道(品川から赤羽、池袋から田端)の途中駅として開業した、歴史ある駅です。
現在の駅舎は、明治神宮が造営されて間もない1924(大正13)年に建てられた、東京都内で最古の木造駅舎。ハーフティンバーというヨーロッパの木造建築の技法が用いられた、独特の雰囲気が特徴です。
歴史ある原宿駅の駅舎
kazuhiro hata様
@hatakazu.h
【ご本人コメント抜粋】
原宿駅が解体されて新しくなるらしいので、木造の駅舎を写真におさめて来ました!名残り惜しいですね。でも新しい駅舎も楽しみ!
【びゅうたび編集部より】
解体前に駅舎の姿をぜひ写真で残しておきたいですね。
皇室専用ホーム(宮廷ホーム)や、明治神宮参拝客が増える年始だけ使用される3番線ホーム(臨時ホーム)など、興味深いポイントが多いことも魅力です。
皇室専用として作られたホーム
midnight kitaguni 様
@midnight_kitaguni
【ご本人コメント抜粋】
山手線から見た原宿宮廷ホーム(皇室専用) 前の方には成田エクスプレス。
【びゅうたび編集部より】
簡素な造りの皇室専用ホーム。レトロで存在感のある姿が印象的です。
駅舎は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて改良工事中。2020年3月21日から現駅舎は封鎖され、新駅舎の運用が開始される予定です。新駅舎は1階にはコンビニエンスストア、2階にはカフェが併設。コンコースや改札、トイレも拡張され、利便性や快適性の向上が期待できます。山手線外回り専用の新ホームも新たに作られることになりました。
現在の駅舎は2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会終了後に解体されることが決定しています。新駅舎の完成は楽しみですが、美しい現駅舎がなくなってしまうのは残念。現駅舎が解体されてしまう前に、ぜひ見納めに訪れてください。
②東京駅(東京)
赤レンガ造りのスタイリッシュな駅舎
東京の玄関口として1914(大正3)年に開業したJR東京駅。赤レンガ造りの丸の内駅舎は、2003(平成15)年に国の重要文化財に指定されました。2012(平成24)年には、1945(昭和20)年の東京大空襲で焼け落ちた屋根と内装を復元。大正時代の開業当時のドーム屋根が復活したほか、豪華な内装も忠実に再現されています。
ライトアップされた東京駅の丸の内駅舎
Makoto.A様
@ma.paesaggio
【ご本人コメント抜粋】
#東京駅
【びゅうたび編集部より】
ライトアップされた姿は幻想的で美しいですね。
残存していた開業当時のレリーフを再現した南ドームのアーチレリーフや、復元された8羽の勇猛なワシのレリーフなど、見所は満載です。
開業当時の意匠に復元されたレリーフ
Toda Masahiro様
@todamasahiro
【ご本人コメント抜粋】
ちょっと上を見上げるとこんなのあったり
東京駅だけでものすごくたくさんのスポットがありますね
【びゅうたび編集部より】
通り過ぎるだけではもったいない! ゆっくりと眺めたくなる見事なレリーフです。
東京駅には丸の内駅舎以外にも、魅力的なスポットがあります。5・6番線(山手線、京浜東北線の品川・横浜方面)には開業時のホームの支柱が現存していたり、丸の内地下南口広場には、かつて東海道線を走っていたC62-15型蒸気機関車の動輪が展示されていたりと、見所が点在しています。さらに、新幹線をはじめ、東海道、中央、東北線などの起点を示す、「0キロ標識」(通称「ゼロキロポスト」)や、待ち合わせ場所として知られている「銀の鈴広場」にある「銀の鈴」など、東京駅ならではのオブジェも必見。駅構内を散策してみると、今まで気づかなかった新たな発見があるかもしれません。
③南宇都宮駅(栃木)
全国でもめずらしい石造りの駅舎
東武鉄道宇都宮線の南宇都宮駅は、1932(昭和7)年に開業。野球場前駅として臨時開業したのち、1933(昭和8)年に南宇都宮と駅名を改称して常設となりました。
駅舎は開業当時の原形をとどめたレトロな雰囲気で、全国でもめずらしい石造りがベースなのが特徴。外壁に使用されている宇都宮で採掘された大谷石(おおやいし)は、アメリカの建築家であるフランク・ロイド・ライトが設計した帝国ホテルの建材としても使用されたものです。
開業当時の姿を残す南宇都宮駅の駅舎
kozaiku_ya様
@kozaiku_ya
【ご本人コメント抜粋】
地元特産の大谷石を使い見事な造形を成す、この路線随一の趣き深い駅舎。
ディテールの1つ1つが溜息が漏れる素晴らしさだが…風化も目立つ外装に、果たしてこの造形は今や修繕困難ではなかろうか?と幾許か憂いも感じてしまう。。
【びゅうたび編集部より】
レトロで趣のある駅舎。大事に使い続けていきたいですね。
外壁の下部に大谷石を横置きし、その上にレンガ状の石材を縦に埋め込むという独特の手法を採用。さらに壁の上部はモルタル造りで、屋根は瓦という個性的な造りです。
元々が野球場前駅だったことから、高校球児の憧れでもある「甲子園駅」を模倣した雰囲気も。屋根の長押(なげし)にバットとボールの模様があるのも見逃せません。
大谷石の魅力にもっと触れたいなら、南宇都宮駅から徒歩1分の南宇都宮石蔵倉庫群へ。1953(昭和28)年に米の貯蔵庫として建てられた倉庫で、現在はカフェやコミュニティスペースなどとして利用されています。
南宇都宮石蔵倉庫群にあるカフェ・悠日
真岡市が大好きなぽきゅる様
@tcg_pokyu
【ご本人コメント抜粋】
#栃木県 #宇都宮市 #悠日 #南宇都宮駅 #大谷石 #宇都宮カフェ
【びゅうたび編集部より】
元は倉庫だったとは思えないほどおしゃれなカフェです。
④日光駅(栃木)
ピンクと白が目を引く気品あふれる駅舎
レトロな雰囲気が漂う日光線のJR日光駅は、国際的な観光地・日光の玄関口。1912(大正元)年に建てられた駅舎は、東京駅の駅舎よりも古い建物です。ピンクと白の色使いがかわいらしい外観は、「白い貴婦人」と呼ばれるほど気品があるルネサンス様式。複雑な屋根の構造に半円形の窓、格子窓の造りが印象的で、入り口前の屋根の天井部分にも、格子模様がみられます。夜になるとライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しめるのも魅力です。
ピンクと白がかわいいレトロで気品ある駅舎
出入り口前の中央で拍手をすると、天井が共鳴する「鳴き龍」は必見。龍の鳴き声のような音がするもので、日光駅の名物になっています。
待合室の格子窓、ペンダントライト、コンコースのレトロ調の案内表示など、独特な雰囲気が印象的です。2階にある広間のようなスペースは、かつて一等席の乗客用の特別待合室として使われていた「ホワイトルーム」。漆喰の壁とシャンデリアが美しく、大正ロマンを感じることができます。
シャンデリアが美しいホワイトルーム
Yuko様
@flower_chuuu
【ご本人コメント抜粋】
#jr日光駅 #日光駅 #駅 #レトロ建築 #レトロ #駅舎
【びゅうたび編集部より】
一等客の特別待合室にふさわしい豪華さです。
駅長室の隣にある「貴賓室」は、大正天皇が日光田母沢(たもざわ)御用邸を訪れたときに休息した部屋。当時のままに保存されている貴重なものです。
⑤真岡駅(栃木)
SLを模した特徴的な駅舎
真岡(もおか)鐵道真岡線の真岡駅は、SLの形を模したインパクトのある駅舎が特徴。現在も運行されている蒸気機関車「SLもおか」の停車駅であり、「関東の駅100選」に選ばれています。
SLをモチーフとした真岡駅の駅舎
駅舎の斜め前にある鉄道ミュージアム「SLキューロク館」は、列車ファンなら必ず訪れたいスポット。古い車両が多数保存されていて、館内には無料で入場できます。ミュージアムの名前の由来となったのは、9600形といわれる機関車「SL49671」。1920(大正9)年製で、「キューロク」の愛称で親しまれており、引退後に保存されていた車両です。現在は、石炭ではなく圧縮空気で動くように改造され、1日に3回、館内から出てくるのでスケジュールの確認をお忘れなく。小さな車掌車と連結して、敷地内に敷かれた線路を2往復し、実際に車掌車に乗ることができます(300円)。
機関車「SL49671」。愛称は「キューロク」
敷地内には、キハ20形(実際に真岡線を走っていたディーゼル車)やDE10(ディーゼル機関車)などの車両が展示されており、見応えは充分。スハフ4425号(旧型客車)の車内では、館内のカフェで注文したコーヒーやホットドッグを味わえます。
真岡駅4階にある「SLギャラリー」や、駅の反対側に渡った西口にある「真岡駅まるごとミュージアム」などにも見所がたっぷりあり。時間をかけてじっくりと見学するのがおすすめです。
⑥西桐生駅(群馬)
マンサード屋根のフォトジェニックな洋風駅舎
マンサード屋根と呼ばれる建築様式が特徴的な、上毛電気鉄道の西桐生駅。フォトジェニックで女子鉄からも人気が高い駅舎です。1928(昭和3)年の開業に伴い建てられたモダンな洋風建築で、建設当時の姿を良好な状態で保っていることから、2005(平成17)年には国の登録有形文化財となり、桐生市内に残る代表的な近代化遺産の一つになっています。
駅舎西側の「プラットホーム上屋」は開業時に建設されたもの。昭和初期の状態をそのまま残しています。
マンサード屋根が印象的な駅舎
中央改札口は中央部の勾配が緩やかな「腰折れ屋根」で、東側に待合室、北側に事務所、宿直室、休憩室があります。腰折れ屋根の中心にある換気口には、周囲を白く塗ったガラス製の飾りがはめられ、換気口の中心には、モルタルのレリーフが施されています。さらに、外壁は褐色のモルタルで塗り上げられ、内部は漆喰塗り、腰部にはタイルが張りめぐらされ、センスの良さが光ります。
昔ながらの趣が残る西桐生駅の待合室
seano0426様
@seano0426
【ご本人コメント抜粋】
上毛電気鉄道 西桐生駅。関東の駅百選の駅です。
ピンクの窓枠も可愛い駅です。
【びゅうたび編集部より】
ピンクとクリーム色の色合いがかわいらしい、レトロな雰囲気の待合室です。
上毛電気鉄道は、かつて京王井の頭線を走っていた3000系列車を中心に譲渡車両が現役で活躍していることでも有名。2011(平成23)年に引退したカラフルな京王井の頭線の車両に出会えることも、列車ファンにはたまらない魅力です。
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⑦神戸駅(群馬)
古びた雰囲気ある駅舎 列車のレストランが人気
わたらせ渓谷鐵道の神戸(ごうど)駅は、古びた雰囲気で根強い人気のあるローカル駅舎。プラットホーム、駅舎をはじめ、38か所が登録有形文化財に指定されています。
レトロな雰囲気ある駅舎が特徴の神戸駅
maromix18様
@maromix18
【ご本人コメント抜粋】
わたらせ渓谷鉄道の 神戸駅。「こうべ」ではなく「ごうど」と読む
【びゅうたび編集部より】
兵庫県の「神戸(こうべ)」駅と同じ漢字表記ですが、読み方だけでなく雰囲気も異なります。
神戸駅は、土日・祝日を中心に運転しているトロッコ列車「トロッコわたらせ渓谷号」「トロッコわっしー号」の停車駅。観光客のお目当て、駅に併設する「列車のレストラン清流」は、東武鉄道の元特急列車1720系「東武デラックス・ロマンス・カー」の中間車両を利用したユニークなレストランです。2011(平成23)年までブルーの塗装でしたが、現在は当時の姿を再現した塗装に変更されています。
列車のレストラン清流
レストランでの人気メニュー「やまと豚弁当」は、風味抜群のやまと豚を、しょうゆベースのタレで仕上げたもの。掛け紙の裏側は沿線ガイドになっていて、特製の手ぬぐいも付いているユニークな駅弁です。地元産の舞茸をふんだんに使った幕の内弁当「トロッコ弁当」も一押し。レトロな雰囲気に囲まれながら、おいしいお弁当を味わってみては。
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⑧土合駅(群馬)
谷川岳の玄関口にある「日本一のモグラ駅」
谷川岳の玄関口として、登山客を中心に利用されている上越線のJR土合(どあい)駅。「日本一のモグラ駅」として「関東の駅100選」に選定されているほか、2017(平成29)年「一生に一度は訪れたい駅」第1位に選ばれました。近年は、駅を目当てに訪れる観光客も増加中。知る人ぞ知る観光スポットとして注目を集めています。
モグラ駅の愛称は、上りホームと下りホームが遠く離れているという駅の構造に由来。下りホームは地下を通る新清水トンネル内にあり、改札から24段の階段と143mの通路を通って、さらに462段の階段を下らないと辿り着かないというから驚きです。階段を下るのにかかる時間は約10分。途中には休憩用のベンチもあるので、疲れたときは無理をせず休むのがおすすめです。エレベーターやエスカレーターはないのでご注意を。
地上の光が遠くに見える土合駅の階段
三角屋根の駅舎内には待合スペースがあり、登山者の休憩所としても利用されています。
三角屋根がかわいらしい駅舎
土合駅から徒歩約7分の谷川岳ベースプラザ(土合口駅)からは、ロープウェイに乗って美しい谷川岳の絶景を堪能できます。
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⑨長瀞駅(埼玉)
お堂を模した和風デザインの洋風建築
秩父鉄道の長瀞(ながとろ)駅は、「関東の駅100選」にも選ばれている木造駅舎。秩父札所巡りの寺院のお堂を模した外観が印象的です。宝登山(ほどさん)神社の玄関口として1911(明治44)年に開業し、1923(大正12)年に現在の駅舎に改築されました。その際、駅名を宝登山から長瀞に改称しています。
お堂のような外観が印象的な長瀞駅の駅舎
a_Hitotsuyanagi様
@a_hitotsuyanagi
【ご本人コメント抜粋】
秩父鉄道 長瀞駅
1911年(明治44年)開業
方形屋根が特徴的な駅舎は開業時からのもの
関東の駅百選の第一回目に選定されています.
【びゅうたび編集部より】
赤い屋根がかわいらしい、レトロな雰囲気の駅舎です。
赤い屋根は駅舎には珍しい方形屋根で、一番上に擬宝珠(ぎぼし・伝統的な建築物の装飾。橋や寺社の階段の柱の上に設けられる飾り)のような塔があるのが特徴。壁面は細かく構造材が露出したハーフティンバー(ヨーロッパの木造建築の技法)で、和風デザインを取り入れた洋風建築の駅舎です。
車寄せの上部正面に秩父鉄道のマークがあったり、駅舎のあちこちに擬宝珠のようなデザインが見られたりと、造形の細部まで観察するとより楽しめます。さらに、ホーム上屋の妻飾りも見ごたえがあります。
駅舎の美しさを堪能した後は、宝登山神社まで足を伸ばしてみましょう。この神社は、秩父三社の一つに数えられ、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも一つ星に評されたことから、近年注目を集めています。本殿の彫刻は豪華けんらんそのもの。見事なまでに細かく、繊細な龍の姿を見ることができます。
宝登山神社の本殿
はやりん@趣味人様
@ultra.super.rin.rin.hayarin
【ご本人コメント抜粋】
宝登山神社もやはり時間が経っても美しいまま。感激です。
【びゅうたび編集部より】
宝登山神社の繊細な彫刻は一見の価値ありですね。
⑩深谷駅(埼玉)
東京駅を模したデザイン
深谷市の中心部にある高崎線のJR深谷駅は、東京駅を模したひときわ目を引くデザインの駅舎が特徴です。東京駅の丸の内駅舎に使われたレンガの産地であったことにちなんで、1996(平成8)年に改装。レンガ風のタイルを貼った鉄構造の3階建てで、レンガ造りをイメージした外観になっています。
夜には駅舎がライトアップされ幻想的な雰囲気に。毎年クリスマスシーズンには、駅北口にイルミネーションが飾られて、地元の人を中心にたくさんの人が訪れます。
イルミネーションが幻想的な深谷駅の駅舎
あわわわわ様
@m_t_o_k_h_r_k
【ご本人コメント抜粋】
アムステルダム中央駅でもなく、東京駅でもなく・・・
【びゅうたび編集部より】
東京駅と見間違うほどそっくり。「ミニ東京駅」とも呼ばれるそう。
北口の階段下にある、深谷市出身の明治・大正時代の実業家、渋沢栄一のからくり時計も見所の一つ。2012(平成24)年に没後80周年を記念して造られたもので、毎時00分になるとからくり時計ならではの仕掛けを見ることができます。
深谷駅にある渋沢栄一のからくり時計
Aya様
@irodori0305
【ご本人コメント抜粋】
これは深谷駅前にあるからくり時計
通常は深谷市のイメージキャラクター ふっかちゃんが中で回っているんだけど、1時間に1回、毎時0分になると中から渋沢栄一の人形が登場します
【びゅうたび編集部より】
愛らしい渋沢栄一の人形ですね。
ちなみに、駅の発着メロディは、深谷市の歌『おねぎのマーチ』。「深谷まつり」で歌われる定番曲で、歌手の島津亜矢さんが深谷ねぎの生産地で知られる深谷市を歌ったご当地イメージソングなのだそう。
⑪ほっとゆだ駅(岩手)
温泉を併設した珍しい駅舎
岩手県湯田温泉峡のシンボルでもある北上線のJRほっとゆだ駅。全国でも珍しい、駅舎内に温泉施設のある駅として有名です。
駅舎は木造、とんがり屋根で時計台を備えています。時計台の下にあるのが、普通の駅にはありえない「ゆ」の暖簾。ミスマッチと思いきや、違和感なく溶け込んでいるのが不思議です。
列車を待つ間にちょっとひと風呂という人や、途中下車をして温泉を楽しむ人で賑わっています。
「ゆ」の暖簾がかかげられた駅舎
源泉かけ流しのお湯は、無色透明でしっとりとした肌触り。動脈硬化・きりきず・やけど・慢性皮膚病に効果があるのだそう。湯船は「あつめ」「ふつう」「ぬるめ」の3種類があり、好みの温度を楽しむことができるのも魅力です。
大浴場には、列車の乗り遅れを防止するために信号機が設置されています。列車の発車45分前には青色、30分前には黄色、15分前には赤色に点灯して、列車の発車時刻を知らせてくれます。貸切風呂(有料)もあるので、家族連れやカップルにもおすすめ。
ほっとゆだ駅構内にある大浴場
じゅん様
@jun2001jp
【ご本人コメント抜粋】
ほっとゆだ駅の駅舎の中にある温泉です。大浴場には信号機があり、列車がくるのを知らせてくれます。
【びゅうたび編集部より】
駅舎併設温泉ならではのユニークなサービスですね。
駅舎2階には湯上り休憩所があり、無料で利用できます。テレビや雑誌も用意されていて居心地は抜群。駅にいることを思わず忘れてしまうような、ゆったりとした時間を過ごしてみてください。
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⑫姨捨駅(長野)
日本三大車窓を望む駅にある、半切妻屋根の駅舎
篠ノ井(しののい)線の中でも、特に険しい山々の中腹に位置するJR姨捨(おばすて)駅。千曲川を望む車窓は美しく、特に棚田に映る「田毎(たごと)の月」が絶景であることから、日本三大車窓の一つとされています。駅のホームには展望台があり、棚田や善光寺平、千曲川など景色を一望。俳聖・芭蕉が『更科紀行』で詠んだ「おもかげや姨ひとりなく月の友」の句碑も立っています。
姨捨駅のホームからの眺望
Shiba Travel様
@y.misa_2104
【ご本人コメント抜粋】
標高551mの駅で見下ろす善光寺平の街並み
【びゅうたび編集部より】
日本三大車窓にふさわしい、壮大な景色です。
半切妻屋根が特徴の駅舎は大正時代に設計されたもので、入口上部に設けられた飾り窓が印象的。2010(平成22)年に改装した後も、古い駅舎の面影を残しています。内装も同時にリニューアルし、1900(明治33)年の開業当時の様子を再現し、待合室に出札窓口が復元されました。また、廃屋同然だった旧事務室は、畳の小上がりや、だるまストーブがあるスペースに改修。レトロな雰囲気を感じながら、旅の疲れを癒せる場となっています。
レトロな雰囲気が残る駅舎
姨捨は、現在では珍しくなったスイッチバックをおこなう駅としても有名。スイッチバックとは、急斜面で列車が前後の向きを変え、ジグザグに上り下りすることです。JR南小谷駅行では到着前に、JR長野駅行では発車後に列車が後ろ向きに進むという珍しい体験ができます。
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⑬くびき駅(新潟)
田園風景の中に佇むUFOのような駅舎
1997(平成9)年に開業した、北越急行ほくほく線のくびき駅。銀色の卵形の物体に目玉のような窓があり、まるでUFOのような外観が特徴です。レジャーランドや展示会場などの玄関口につくられた駅であれば意外性も少ないかもしれませんが、駅周辺に広がるのは、のどかな田園風景。ローカル線の無人駅であることで、より強烈なインパクトを感じます。
UFOのような外観が印象的なくびき駅の駅舎
乗り鉄&降り鉄 旅の記録様
@oriruyan
【ご本人コメント抜粋】
ガンダムに出てきそうな駅(^o^)
毛綱毅曠という建築家が設計されたそうです。
駅の周りは田んぼが広がるのどかな駅でした。
【びゅうたび編集部より】
知らずに訪れたら、駅舎であることに気づかないかもしれません。
斬新なデザインの駅舎は、地域のPRを目的として建てられたもの。駅舎をデザインしたのは、建築界の鬼才といわれる毛綱毅曠(もづな きこう)氏です。外観は宇宙をイメージしてデザインされ、目玉のような形の窓は太陽系を象徴しています。
ちなみに、駅の反対側に回ると、楕円形の卵のような形はそのままに、全く異なる外観が現れます。
駅の内部も現代アートのような雰囲気に。ちょうど目玉のように見える窓周辺は赤色に装飾されています。窓の下にはベンチもあるので、ゆっくりと座って異空間を満喫してみては。
くびき駅の待合室
catchballrayake様
@catchballrayake
【ご本人コメント抜粋】
駅舎で くつろいだポン
#くびき駅 も いろいろおもしろいから よろしくだポン♪
【びゅうたび編集部より】
駅の待合室とは思えないほど、奇抜なデザインの内装です。
⑭上総鶴舞駅(千葉)
昔懐かしいローカル線の雰囲気が残る
1925(大正14)年に開業し、1928(昭和3)年に五井駅から上総中野駅までの総延長39.1キロメートルが開通した小湊鐵道。沿線の駅舎などの建築物は、開業当時の姿を残しながら、大切に現在まで使い続けられていることから、2017(平成29)年に国の登録有形文化財となっています。
中でも上総鶴舞(かずさつるまい)駅は、開業当時の姿をそのまま留めて、無人駅で新しいものが何もなく、駅前に自動販売機さえありません。
開業当時の雰囲気がそのまま残る上総鶴舞駅
Hiroki Murakami様
@h.mrkm
【ご本人コメント抜粋】
大正時代の開業当初から使われているという上総鶴舞の駅舎。
【びゅうたび編集部より】
趣がある、レトロ感たっぷりの駅舎ですね。
駅舎は木造建築で、屋根は寄棟造(よせむねづくり)の瓦葺。壁面は少しずつ重なりあうように取り付けた板にペイントを塗り、洋風に仕上げています。待合室の出札口や手荷物扱口カウンター、北側窓際のベンチなども開業当時のものが使用されているというから驚きです。昔懐かしいローカル線の雰囲気がそのまま残っています。
上総鶴舞駅のホーム
駅の裏には、かつて電気を駅舎などへ供給した発電所の建物が現存。鉄道本線からは十数メートル離れていますが、重量物運搬のトロッコ台車を動かすための引き込みレールが建物まで敷かれています。大正期の関東地方で一般的だった鉄道事業の様子がわかる貴重な建造物なのでぜひ見学してみてください。
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⑮米沢駅(山形)
アールデコ調の新幹線駅舎
JR福島駅から在来線の奥羽本線に直通運転している、山形新幹線のJR米沢駅。1992(平成4)年に山形新幹線が開通したことにより、東京駅から乗り換えなしでアクセスできるようになりました。
バーカウンターや足湯、湯上りラウンジなどを備えた、新幹線初のリゾート列車「とれいゆ つばさ」の停車駅でもあることから、観光客も利用。米沢市の中心駅として賑わっています。
アールデコ調が印象的な駅舎は、山形新幹線開通の翌年である1993(平成5)年に改築されたもの。国の重要文化財に指定された旧米沢高等工業学校本館(現山形大学工学部)を模したデザインになっています。明治時代のレトロでモダンな建物の雰囲気がそのまま引き継がれ、さらに駅名の色鮮やかな赤色もインパクトがあります。
アールデコ調が印象的な米沢駅の駅舎
kinokinopi様
@kinokino_pi
【ご本人コメント抜粋】
今回の米沢旅は、米沢駅から出ている
循環バスを利用する予定だった。
でも天気が良かったのと、雪が全く積もって
いなかったので、ほぼほぼ徒歩で観光した。
【びゅうたび編集部より】
近代的な雰囲気とレトロさを兼ね備えた、おしゃれなデザインですね。
米沢駅で忘れてはいけないものの一つが、ホームで販売されている「牛肉どまん中」。そのおいしさから全国的に知られるほど人気の駅弁です。ふっくらと炊き上げられた山形県産米の上に、特製タレで味付けした牛そぼろとしぐれ煮がたっぷりのっていて、見るからにおいしそう。小いも煮や卵焼き、にしん昆布巻きや桜漬など6種類の小さなおかずも魅力的。列車の中で食べてもよし、お土産にもよしのおすすめの一品です。
肉がぎっしりつまった「牛肉どまん中」
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まとめ
駅の顔としてさまざまな特徴がある駅舎。駅舎を訪れることを目的にした旅行プランを組んでみるのもおすすめです。新たな旅の楽しみ方が見つかるかもしれません。
旅するメディア「びゅうたび」は、ライターが現地を取材し、どんな旅をしたのかをモデルコースとともにお届け。個性たっぷりのライター陣が、独自の視点で書く新鮮な情報を、臨場感たっぷりにご紹介します。
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