オトナの時計投資:買い時?! 文字盤修復した“リダン”ロレックス(ROLEX)“復権”の可能性

どうも、ライターの丸野裕行です。

数年前から時計投資を研究しているのですが、アンティークのロレックス(ROLEX)はスポーツモデル(エクスプローラーⅠ、サブマリーナ、GMTマスター、デイトナなど)を代表に現在も高値で取引されています。

僕自身も所有していた5ケタのサブマリーナやエクスプローラーⅠ、GMTマスターなどにかなりの価値が付いたため、大きな利益を出すことができました。

アンティークロレックスは中国をはじめとした新たなニーズ拡大の影響で、現在供給不足による価格高騰が止まない状況にあります。

今回も前回に引き続き、ロレックスの文字盤コレクターであり、副業兼趣味でビンテージロレックスの投資ビジネスを行っている神戸製薬株式会社代表の吉田斉彬(ナリアキラ)さんにお話をお聞きし、ビンテージウォッチの財テク術をお送りしたいと思います。

■前回記事『オトナの時計投資:ビンテージウォッチで、こう愉しむ! こう稼ぐ!』
https://getnews.jp/archives/2378319

リダン文字盤には3種類ある

あなたは、“リダン”という時計用語をご存知でしょうか?アンティーク時計が大好物というあなたなら、一度は聞いたことがあるかもしれません。

“リダン”とは、文字盤を修復するという意味の和製英語。外国ではREFINISHED DIAL(リフィニッシュ)と言われます。

<写真:恥ずかしいほどチープなリダン>

まず、この“リダン”された文字盤は、広い意味でおおまかに、3つに分けることができます。

本来の文字盤を忠実再現するリダン

丸野(以下、丸)「リダンというのは、どういったモデルなんでしょうか?

吉田さん「基本のリダンは、経年劣化などによって視認性がかなり劣った文字盤を修復するのが目的ですね。これは、元の文字盤を忠実に再現するための本来のリダンです。アンティーク専門の時計修理の職人さんに頼んだり、純正オーバーホールをしてくれるメーカーのメニューに入っている場合もあります」

<写真:このような文字盤の劣化をリダンでキレイに修復する>

丸「へぇ~、全然知りませんでした」

吉田さん「リダンは、本来その時計が新品の時の状態に戻すものが基本です。美しい文字盤を復活させるために行われます。腕の良い時計修理の職人さんにかかったリダンは、非常に美しく、鑑定では文字盤を外さないと判別できないほどキレイです。さらに買い取りでは、基本的に買取が可能なモデルになりますよ。これが基本のリダンですね」

カスタムリダンとは?

丸「2つ目は?」

吉田さん「本来のメーカー純正品には存在しない、個人的な特注品に変更するリダンのことです。カスタムリダンですね」

<写真:自分だけのオリジナル色>

丸「本当の時計好きって感じですね

吉田さん「元々の文字盤とはまったく違うデザインやカラーに変更することで、自分好みのアンティークロレックスにすることが可能です。これは20年以上も前に、本当の時計好きがこぞってカスタムした“遊びのROLEXになります。昔大流行しました」

グレーリダンは偽物

吉田さん「3つ目は、グレーのリダン。別製品の文字盤に似せて作成。または同じにように作り替えてしまうわけですね。これはつまるところ、偽装文字盤で偽物を作るということです。グレー商品となるため、買い取りは基本的に不可能になります。しかし、グレーのリダンは真贋を見分けられないものもあり、注意しなければいけません。これは完全にアウトなモデルです」

丸「偽物なんですね

吉田さん「リダンは元々文字盤で遊ぶためのものだったんですが、印刷技術が向上してくると、ROLEXとティファニー(TIFFANY)のダブルネームとか、ROLEXとカルティエ(Cartier)のダブルネームとか、偽物を造る輩がでてくるわけですよね。こんなの本物だったら、目玉が飛び出るほどの値段が付いちゃいますよ。こういうリダンは見たくないですね」

丸「本物かどうかはどうやって見極めるんですか?

吉田さん「メーカーの保証書とROLEXのギャラを確かめるしか方法はありませんね。確実なのは、ティファニーさんやカルティエさんの購入証明書、レシートがあればリアルになります。日ロレ(日本ロレックス)を通ればリアルだというような勝手な太鼓判もありますが、基本『日本ロレックス』は、社外品の文字盤は通さないと思います(笑)」

価値がなかったはずの“リダン”ロレックスに値段がつく可能性が……

丸「リダンって安いじゃないですか? なぜ、今リダンに注目されているんですか

吉田さん「針や文字盤にはラジウムやトリチウムの夜光が配合されていたんですが、それが危険な物質であると全面禁止になったんです。リダンに使う塗料で、今まで使われていた“コバルト”“ルミノヴァ”という物質までもが禁止になってしまう、というんですね。今まで忌み嫌われていたリダンが、金継ぎなどをしている陶器のように価値が上がってくる可能性があると思うんですよね」

<写真:ラジウムが夜光部分に塗布してある>

丸「なるほど。ラジウムとかトリチウムなんて、放射性物質ですもんね」

吉田さん「もう手に入らなくなるものなので、手をかけているのに、買い叩かれる意味もよくわからないですから……」

丸「そうですよね。なんだか、白い小麦粉よりも全粒粉パンの方が高いくらい不思議ですもんね。手がかかってるのに、逆に安いという」

<写真:文字盤を変更する際には、針が破損する可能性があるので、替えの針を購入するのが賢明>

吉田さん「リダンの楽しみ方としては、季節ごとに文字盤を変えたり、1年ごとにフェイスを取り換えるという遊びができるのがいいんですよ。1本の時計で何本もコレクションがあるのと同じですから(笑)」

いかかでしたか?

現在、低価格で取引されているリダンROLEX。投資目的で1本購入してみてはいかがでしょうか?

(執筆者: 丸野裕行)

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