猫の健康のコツはプラスアルファの手料理から! スプーン1杯からはじめる 猫の手づくり健康食

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中医学や漢方は、現代の医師からも再評価されています。もちろんそれは「人間にとって有益なもの」ということではありますが、実はその中医学を猫の食事に応用しようという本があるのはご存じでしょうか。

それが今回紹介する『スプーン1杯からはじめる 猫の手づくり健康食』(山と溪谷社刊)です。著者の浴本涼子氏は獣医師で、中医学にも精通しているとのこと。早速、本を読んでみましょう。

猫に向けた「手づくり食」

もしも毎日のご飯がコンビニのお弁当だったらどうでしょうか? 時々ならともかく毎日毎食ではさすがに食傷を起こしますし、栄養面にも不安があります。そしてそれは、猫も同じです。

「猫の幸せは、もちろん飼い主との関係が大きく、ごはんだけが左右しているわけではありません。でも、ごはんで猫の興味を刺激できたら、それはきっと生活の張りになり、生き生きとした毎日を過ごせるきっかけになるのではないでしょうか」(本書より引用)

猫だって、人間のように偏食があります。自分の好きな料理が出てくれば、それはもう大歓喜するはず。「好きなものを食べる」ということは、結果として健康維持にもつながります。だからこその手づくり食なのですが、浴本氏は「最初からフルコースでなくていい」とも書いています。

「たとえば、いつものカリカリに手づくりスープをかけてみる、おやつ代わりにスプーン1杯をなめさせてみる、週に1回だけ手づくりにするなど、できることはいろいろあります」(本書より引用)

いくら自分の好きな食材が入っているとはいっても、いつもと違う料理が出てきたら猫は警戒します。そのあたり、与えられたらとにかく食べてしまう犬とは性格が異なるようです。

長寿にもつながる「健康的な食生活」

猫はたんぱく質で生きる動物、と表現しても過言ではありません。人間と猫とでは「自己生成できない栄養素」の種類が違います。人間が大好きなものだからといって、それを猫にあげていいかというと、もちろんそうではありません。

猫という動物は、基本的に肉食です。従って、本書に紹介されている手づくり食のレシピも肉や魚を多く使っています。それでいて、たまに野菜を混ぜるなどの工夫も施されていて、「これは人間が食べても美味しいのでは」と思わせてくれます。

このように、手づくり食は栄養管理という点で非常に有益な選択肢ですが、「猫の肥満を解消する」という点においても大きな意味を帯びています。

「人間にとっても猫にとっても肥満は万病のもと。前ページで紹介した脂肪肝も肥満が原因です。食べ過ぎたら運動すればよいのですが、室内飼いでは限界があります。それに猫は狩り以外の時間はじっとして過ごす生きものです。犬のように散歩をする習慣もありません」(本書より引用)

だからこそ、飼い主が食事をひと工夫してやる必要があります。もちろん、手づくり食にしたからといって愛猫がいきなり痩せるということはないのですが、日々のカロリー管理により少しずつスリムな身体を取り戻させることは可能です。そして理想的な食生活は、結果的に長寿へとつながります。

普段のペットフードに「プラスアルファ」

最後にひとつだけ、このことを付け加える必要があります。筆者の浴本氏は既製品のペットフードを否定しているわけではない、という事実です。むしろ、普段のペットフードにプラスアルファして手づくり食を作ってみてはどうか、という感じで筆を進めています。カリカリにちょっとしたトッピングを加える、というのも立派な手づくり食です。

普段の食生活に、ほんの少しの工夫を加える。猫の健康の秘訣は、飼い主による「日々の気遣い」であることをこの本は教えてくれます。


『スプーン1杯からはじめる 猫の手づくり健康食』(山と溪谷社刊)

著者:浴本涼子
販売価格:本体1,400円+税

★☆犬編も同時発売★☆
『スプーン1杯からはじめる 犬の手づくり健康食』(山と溪谷社刊)
著者:浴本涼子
販売価格:本体1,400円+税

(執筆者: 「山と溪谷社」の中の人)

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