二千円札の経済効果

二千円札の経済効果

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

二千円札の経済効果

2000年に発行された2000円札。当時は良くも悪くも様々な物議を醸したが、最近はめっきり目にする機会がなくなった。2000円札の発行により直接は4500億円、波及効果を含めると9600億円の経済効果があるとされた。

「2000円札の経済効果はありましたか?」2007年8月28日『OKWave』
http://okwave.jp/qa/q3294589.html

で、その経済効果が実際にあったのかどうか知らないが、少なくとも一般には体感できるような景気上昇はなかったと思う。まあATMとかを作ってる会社が一瞬だけ売上が伸びたとかはあるだろうけど。

2004年には1万円札、五千円札、千円札の新札が発行されている。

「新紙幣」2004年5月6日『@niftyファイナンス』
http://finance.nifty.com/cs/trend-report/dtl/407140040/1.htm

これはGDPを2年にわたって0.1%押し上げる経済効果があると言われた。実際あったのかどうか知らない。

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これらにかぎらず何かとイベントで「これだけの経済効果が見込まれる」と言われる。実際その瞬間は経済効果があったのかもしれない。でも、それは景気の流れを大きく変えるようなものではなかった。

やっぱ一回買ったら終わりという経済効果じゃ、あまり意味ないと思うのだよね。というか結局それは次の年や他の用途の出費を圧迫するだけで、トータルして持続的にお金の流れが活性化するわけではないような。地域イベントの経済効果も、他の地域への出費を吸い取ってるだけに思える。

やっぱ技術開発や長期の設備投資につながるような形での経済効果でなければ意味ないと思うのだよね。開発した技術や生産力はその後何年も売上に貢献するはず。輸出にも。

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そう思って振り返ると、経済効果云々で思い出すのは、後に何も残らないものばかりだったような。

道路や鉄道などの整備は、本当にちゃんと利用されるなら、それによって物流が活発になるから、持続的な経済効果があると思うのだよね。使いもしない道路を作るからいけないのであって。

宇宙開発とか原子力技術とか軍需産業だって、それらによって開発された技術を民間に転用できれば、経済効果はある。ある意味国が民生品の研究開発費を出しているようなものだ。なんだかんだいってアメリカの民間技術が強いのは、軍需産業のためだろう。

そう考えると、55年体制の自民党がやってきたことが一番日本経済のためになっていたように思えてくるのは俺だけだろうか。最近の景気対策は国民に直接広く薄くばらまくのが良しとされているけれど、ちがうのではなかろうか。

特定の企業、国益に貢献しそうな大企業に対して、その技術開発につながるような形で国が金を出すべきではなかろうか。景気の良い時は民間にまかせておくのが良かった。しかし景気が停滞しているときは、国が戦略的に重要な企業を後押しすべき。

よく特定の業種の優遇が問題になるが、すべてを平等にしてしまったら国家戦略も何も不可能になるわけで、間違った平等としか思えない。よくアメリカはフェアで自由な競争が重要だというけれど、それはそうしたほうが自国に有利な場面だけで、そうでない部分はしっかり国が自国の産業を保護しているわけで。

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追記2012-08-15

技術開発や設備投資が重要で、さらに経済をまわす仕組み(法制など)の改善にも同じ効果があると考えるのが内的経済成長理論派…は置いといて、インフラ整備事業に経済効果がなくなってきているという研究は90年代の話

で、あなたの頭も90年代のままなんだ?

効果的な景気刺激策は不公平になるし、公正に行おうとすると非効率過ぎる。効率的な経済対策を取りながら再分配がベターなのかな。

戦略的な産業に投資を集中するのは当たり前だと思うのだよね。馬鹿の一つ覚えのような何でもかんでも平等にすればいいという風潮が現在の政治の問題の一つ。それでいて日本は戦略がないとか批判する国民は支離滅裂。

言いたい事は解るが、今時国に一任ってのは無いな。失敗のリスクが大き過ぎ。それより地方分権して独自にやらせ失敗のリスクを限定しつつ成功事例を検証後国策転用の方がタイムラグはあるがより確実なのでは?

サイト見たら「阿呆の脊髄反射」とあった。なるほど満点をあげたい。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

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