監督は女性銀行員? 篠原ともえ主演映画『猫と電車』が香川県先行で上映&舞台挨拶
8月25日、香川県高松市のソレイユ高松で篠原ともえ主演映画『猫と電車』の先行上映&舞台挨拶がおこなわれる。
『猫と電車』
http://proseto.com/nekoden/
『猫と電車』は地元で“高松市民の足”と親しまれる『ことでん(高松琴平電気鉄道)』の開通100周年記念作品だ。篠原ともえさんの演じる29歳“自称”キャラクター作家が、寄生虫のごとく居候していた友人宅を出ていかざるを得なくなったり、全財産をスリ被害にあったり、公園にお城のようにデコられた段ボールハウスを作って住みはじめたりと奇想天外な逆境に見舞われながらも友人や家族から与えられる愛情の中で成長していくというハートウォーミングなストーリーに仕上がっている。
本作について監督、脚本、撮影、編集を担当した香西志帆(こうざい しほ)さんにインタビューした。
――今回はインタビューお受けいただきありがとうございます。さっそくですが『猫と電車』の制作にとりかかるまでのいきさつを教えていただけますか?
香西:私は地元・香川県の銀行に勤務しながら、映画撮影やシナリオライターの活動をしていたんです。1年ちょっと前に、ことでん開通100周年記念の企画があがったいいタイミングで関係者の方とお話する機会がありまして……これまではショートムービーしか監督したことがなかったんですが、初めての長編を作らせていただけることになりました。子供のころから慣れ親しんだことでんを扱えることはとっても嬉しいです。
――主人公、キャラクター作家を夢みる妙齢の女性の演じ手として篠原ともえさんはとてもしっくりくる人選ですよね。透明感と独特のアート感をあわせもった女優さんですし。キャスティングはご自身でされたんですか?
香西:はい、脚本を作っていく中で主人公を演じていただくのは篠原さんしかいない! って思って、篠原さんの事務所まで直接交渉しに行ったんです。幸いなことに映画の内容を説明すると出演を快諾していただけました。他の方のキャスティングに関しても私が担当させていただきました。
――香西さん自身、自分の夢や表現を追求する女性という面で主人公と共通するところがあるのではないかと感じています。脚本を作る上で、主人公になにか想いを仮託されるようなところはあったのでしょうか?
香西:あったと思います。子供のころは得意なことがあったり夢見ることがあると周りの大人がちやほやしてくれるじゃないですか。でもそれを20歳にっても30歳になっても続けていると逆に引かれてしまったりしますよね。私も小説を書いたり漫画を描いたり、なにか表現することが好きな子供でした。いつの間にか大人になって就職して、夢をあきらめてしまいかけていたんですけど、この主人公と同じ29歳の時に一念発起してシナリオと映画の勉強を始めたんです。いつからでも遅くない、何歳でもいいものが作れるはずだって思って。
――他に仕事を持ちながら表現活動を続けている人は多いですよね。『猫と電車』はそういった人たちにも勇気や共感をあたえることができる作品なのかなと感じました。
しかし、平日にお仕事を持ちながら映画制作をすることはご苦労が多かったんじゃないかと思いますが、実際どんな感じで段取りされていったんでしょうか?
香西:まず出演者の方のスケジュールを優先して、5月のゴールデンウィークに集中的に撮影しました。スタッフにはその日程にあわせて日本中からボランティアみたいな形で駆けつけていただきました。それで足りない分は普段の休日に少しづつ予定を合わせて撮っていくんです。時間の面では本当にギリギリの状態で……実はまだ編集が終わっていません(笑)。今夜、キャラクターのCGアニメーションが入って、 完成しますので、ご安心を!
――えっ!現時点(8月16日)でまだ終わってないんですか!? 25日の先行上映までハラハラですね。
香西:はい、どうにかします(笑)
――最後に、映画監督としての今後のご予定などあればお聞かせください。
香西:来年、再来年と長編映画を制作する話が進んでいます。
――順風満帆ですね! 今後のご活躍と『猫と電車』の成功を願っています。今回はありがとうございました!
『阪急電車 片道15分の奇跡』のヒットも記憶に新しいが、地域の風景とそこに暮らす人間のドラマというのは時代を問わない普遍の題材だ。香西監督はこれまでにも『UDON禁止令』など、ついつい興味をくすぐられるような地域ネタの映画を製作している。香川県という母胎に育まれた彼女のセンスに注目していきたい。
※『猫と電車』の先行上映は8月25日(土)~9月7日(金)、ソレイユ高松(香川県高松市)にて。全国配給は来年5月頃の予定。
※※写真はHPより引用いたしました。
※この記事はガジェ通ウェブライターの「中将タカノリ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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