[ほうれん草と小松菜の見分け方]そのポイントと、栄養の違い

[ほうれん草と小松菜の見分け方]そのポイントと、栄養の違い

ほうれん草と小松菜は、いずれもよく見かけ、頻繁に食べられている緑黄色野菜。ただ見た目が似ているため、それぞれの特徴の違いがあいまいな人も多いのでは?そこで今回は、両者の見分け方のポイントのほか、それぞれの栄養や特徴、調理のコツなどを紹介します。

ほうれん草と小松菜の見分け方

ほうれん草と小松菜は、「葉の形」と「根元」に大きな違いがあります。

●ほうれん草

ほうれん草には3種類あり、葉の形と根元の色に特徴がある

ほうれん草には大きく分けると、一代雑種、東洋種、西洋種があります。

●一代雑種(イラスト左)
現在の主流で、東洋種と西洋種を交配したもの。葉も両者の中間のような形をしています。

●東洋種(イラスト中)
葉が薄く2~3段の深い切れ込み(剣葉)があります。葉柄が長く、根元の赤みが濃いのも特徴です。

●西洋種(イラスト右)
葉が厚くて丸みを帯びている(丸葉)のが特徴。葉柄は短く、根元の赤みは薄くなっています。

●小松菜

小松菜には3種類あり、袴の有り無しに特徴がある

ほうれん草よりも葉が丸くて広く、切れ込みはありません。根元は白くなっています。小松菜の葉柄の左右に葉が沿っている部分を「袴(はかま)」と言います。

●有袴型(イラスト左)
袴があります。

●中間型(イラスト中)
有袴型と無袴型の中間です。

●無袴型(イラスト右)
袴がなく、現在流通している小松菜の大半を占めています。

ほうれん草と小松菜の栄養

●ビタミン類

ほうれん草は、β-カロテン4200μg(マイクログラム)をはじめ、ビタミンK270μgや葉酸210μgなどを豊富に含みます。また、旬である冬に収穫したほうれん草は、夏に比べてビタミンCを3倍多く含みます。小松菜は、ビタミンK210μgの他、β-カロテン3100μgやビタミンC39mgなどを豊富に含んでいます(いずれも可食部100g当たり)。

ほうれん草と小松菜に豊富に含まれるビタミン類のグラフ

●ミネラル類

ほうれん草にはカリウム690mg、カルシウム49mg、鉄2.0mgなどのミネラル類があります。小松菜はカリウム500mg、カルシウム170mg、鉄2.8mgと、ほうれん草よりカルシウム、鉄を含みます。

ほうれん草と小松菜のミネラル類のグラフ

ほうれん草と小松菜の調理のコツ

あくの量が違うので、下茹での仕方が異なります。

●ほうれん草

あくの成分であるシュウ酸をわずかに含んでいます。シュウ酸は水溶性のため、茹でたり水にさらしたりすることで8割程度減らすことが可能です。沸騰したお湯に根元から入れて1分ほど茹でた後、流水にさらしましょう。

●小松菜

あくが少ないので、下茹でする必要はありません。調理前に水につけておくと葉先まで水分が行き渡り、熱が均一に通りやすくなるので、仕上がりがきれいになります。

最後に

ほうれん草と小松菜の違いを知って料理に生かしてください。

ほうれん草のあく抜きのコツはコチラ
小松菜の調理のコツはコチラ

[ほうれん草]上手な茹で方と、日持ちさせる保存方法

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青菜の王様といわれる、ビタミンと鉄を含む緑黄色野菜の代表格。店頭には一年中並んでいますが、旬は冬。甘みも増して、ビタミンCの含有量 も多くなります。原産地は西アジアで、今では世界中で栽培されています。生食用(サラダ用)のほうれん草はアクが少なく、茹でずに食べられます。

最終更新:2024.02.02

文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
写真(撮影協力):吉田めぐみ
監修:カゴメ

出典:
日本食品標準成分表2015年版(七訂)野菜類
農研機構 今が旬の「ほうれんそう」のお話
独立行政法人農畜産業振興機構「野菜ブック」
ほうれんそう
こまつな

「日本食品標準成分表」「日本人の食事摂取基準」「国民健康・栄養調査」の数値は記事初出時の最新データを参照しています。これら数値は変更になることがありますので、記事を活用いただく際には最新の数値をご確認ください。

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