そこそこのお金が還付金として戻ってきました

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それは16年ほど前の事です。警備員のアルバイトをして生活費を稼いでいたのA氏(当時19~20歳)は、老夫婦が経営する非常に小さな警備会社で働いていました。上京して初めての仕事場がそこです。

マンションの一室に事務所があり、A氏によると「その警備会社はすでにつぶれていると思う」との事。日給7000~10000円程度で、2年間ほどそこで働いていたそうです。

仕事は沢山あるけどスタッフがとても少なかった為、A氏は土日も働いて、夜勤も積極的にしていたそうです。当時のA氏はとても貧乏。1円でも多くお金が欲しかったらしく、確定申告をして還付金を得ようと考え、社長に「1日休みたい」とお願いしたそうです。A氏にとって初めての確定申告です。

どうして休むのかと聞かれたので、A氏は確定申告をするために税務署に行き、還付金を得たいと伝えました。しかし社長の妻は怪訝そうな表情をして、A氏にこう言いました。

「そんなに還付金なんて出ないよ。だったら休まないで働いたほうが得するしいいよ。だから休まないでほしい」とA氏に言ったのです。税金に関して無知だったA氏は社長の妻の話を鵜呑みにして確定申告をしませんでした。

しかし、その事を知人B氏に話すと絶対におかしいというのです。A氏の年収から考えて「確定申告のために仕事を休むと損」なんて事はありえないというのです。

「そもそも確定申告は義務だからやらないと絶対にダメ」という事になり、忙しい中、B氏がA氏に協力して確定申告の書類を完成させ、A氏は警備員の仕事を休まずに税務署に書類を持っていくことができました。

すると、やっぱりB氏の言うとおり、そこそこのお金が還付金として戻ってきました。休んででも確定申告をするため税務署に行くべきだったのです。「あの件のおかげで確定申告や税金に関して理解することができたので良い経験だったと思います」とA氏は話していました。

どうして社長の妻は確定申告に行かないで働いたほうが良いとA氏に言ったのでしょうか? 色々とその理由を考えることはできますが、今となっては憶測でしか考えられないので、その思惑に関してはわからないままです。

※この記事は、ゴールドラッシュの「pinky」が執筆しました。[リンク]

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