仙台の牛タン、どこで食べるのが正解？仙台駅から行きやすい名店めぐり

毎度お騒がせいたします、歌って食べて酔いどれる料理家スヌ子です。

昨春、受験生が1人片付いたわーと思いきや、もうひとりいました……THE年子。
親は何もできないけれど、せめて伴走者として気力体力をプリっと満タンにしなくては。
プリっと……満タン……といえば！
瀬音ゆかしき杜の都「仙台」で牛タン三昧はどうかしら？
とはいえ、いっぺ（＝たくさん。仙台弁。以下同）あるお店の中からどこを選べばよいのやら。

そ・こ・で！　今回は、「びゅうたび」のフォロワーさんにおすすめ店をお聞きして目的地を定め、大船に乗った気分で出かけてまいりましたー!!

東京駅

揚げたてカレーパンで、待ってろ牛タン！

東京駅9:24発の東北新幹線で仙台へ。
牛タンランチを前に満腹はありえないけど、腹ペコすぎても調子出ないかな、と思案しつつ、東京駅改札内B1Fの「グランスタ」を通ると、千葉県松戸市にある名店「Zopf（ツオップ）」のカレーパン専門店が！　小躍りしながら揚げたてをゲット。

味わいながらくつろいでいたら、1時間31分でJR仙台駅に到着。ほんとアッという間です。

サクッ、むちっ、トロッ（アチチ）、スパイシー

仙台駅

個性派！ブリンブリンのメガトン牛タン

めざす牛タン1軒目までは、仙台駅前バス停から市営バスで10分弱の志波町バス停へ。

バス停で下車し北へ向かって住宅街を抜け、徒歩5分ほどで現れるオレンジ色の看板、「牛たん萃萃（すいすい）」。ひゃ〜、ローカルかつツウ好みなお店のかほりが……！

こんにちは〜。店内にはタレントのサインがいっぱい。『孤独のグルメ』（テレビ東京）でも紹介されたお店なんですって。

生ビールで到着を祝いつつメニューを見れば、「牛たんセット（税込2,300円）」「食べ比べセット（税込3,500円）」「スペシャル牛たんセット（税込4,000円）」。えーっと。思い切って食べ比べセットを注文！

うわっ、いぎなりすげぇ（＝とってもすごい）ボリューム！　牛タン「ふつう」「スペシャル」各4枚。

まずはふつうの方から……といっても、東京ではお目にかかれない厚さ。かぶりつくとパツッと歯切れよく、強めの塩が旨味を引き立てます。続いてスペシャル。もはや厚いという形容ではもの足りない、ブリンブリン。密度が濃くてやわらかく、牛乳のように濃厚な肉汁がジュッ。

うめぇ（＝おいしい）……でも、道半ばでお腹いっぱい。ふと思いついて「自家製キムチ」を頼んだら、しゃきしゃきさっぱり浅漬けで、口の中がリフレッシュ。

うんうん、まだイケルと食べ進んでいると、おやじさんから「テール焼き、今日はあるけど、食べてく？」。
えっ……もうお腹いっぱいなんです……と怯むも、和牛テールを5時間煮込んで炭火で焼いた激レアメニューと聞けばつい「いただきます」。

パンチのある甘辛さ、箸で崩れるトロトロ食感。強めのお酒がほしい……。

手間ひまかかるメニューゆえ、食べたい場合は予約必須

お酒はビールだけなので、がっつりさっくり食べたい方、胃袋自慢の方におすすめなお店です。

仙台駅

フレッシュジュースで消化促進！

満腹すぎて肩で息をしながら、萃萃から徒歩10分ほどの地下鉄東西線卸町駅へ。そこから約10分、めざすは仙台駅の大型駅ビル「S-PAL仙台」内の「ITAGAKI S-PAL JUICE STAND」。
お店を運営する「いたがき」は仙台を代表する果物屋さん。S-PAL内にカフェなど3店舗があり、ジューススタンドはB1Fのエキチカキッチンというエリアにあります。白いカウンターに、ビタミンカラーのジュースがずらり。わたしの目を捉えたのは「セロリとりんごのジュース」。だって説明板に……。

消化促進！　これこれ、これを求めてた!!　目的別に選べるっていいですねぇ。
ひと口飲めば、セロリの青い香りの後にフルーツのまろやかさ。さらっとしていてするする吸い込めるから、野菜が苦手な方もいけるんじゃないかな？

まさに飲むサラダ！

膨満感が瞬時にすっきり（本当！）したところで、仙台駅近くのホテルにチェックイン。晩ごはんまでゆっくりして、ディナー牛タンへの鋭気を養います。

勾当台公園駅

切れ目焦げ目も麗しい、名店の牛タン

夕方早め、お店が混む前にと、仙台駅から地下鉄南北線で2駅の勾当台（こうとうだい）公園駅まで約3分。賑やかなアーケードを抜け、ネオン眩しい歓楽街を通って徒歩約6分、「牛タン焼専門店　司 本店」に到着。

仙台に4店舗、ロサンゼルス支店も。こちらの本店は、カウンターとテーブル合わせて20席。「うちは牛タンだけだっちゃ（＝だけなのよ）」てなストイックさがなく、牛タンを中心に楽しく飲めそうな、居酒屋風の店内です。

とりあえず、一番人気の「元祖タン辛み」と「ハイボール」を。ハイボールの配合が完璧。佃煮みたいなピリ辛タンと合う！

幸せに浸っていると、ナラ炭の香りとともに「牛タン定食」登場。
均一な切れ目の入った牛タンは、小ぶりでさくりと噛み切れる食感。食欲をそそる脂の風味にほどよい塩気、わさびをチョイ……いぎなりうめぇー（＝すごくおいしい）！　

合間にごはんをひと口。あれっ、これ何だろ「こがし麦めし」!?
プチプチ・モチモチでポップコーンみたいな香ばしさ。宮城産ひとめぼれと栃木産二条焦がし大麦を炊き上げているんですと。もう〜、これだけで飲めちゃう！

ごはんで興奮、せりのお浸しと山芋の漬け物でクールダウン。素材を生かした味つけで口飽きません。永遠に食べ続けたいバランスのよさは、さすが名店！
上質牛タンを囲むサブメンバーの充実で、大満足なディナーとなりました。

再び仙台駅へ向かい、ホテルに戻って就寝……。

青葉区・クリスロード商店街

優しい味わいの王道牛タン

2日目のハイライトは、「牛たん料理　閣　本店」のランチ牛タン。『ミシュランガイド宮城　2017特別版』（日本ミシュランタイヤ）のビブグルマン（※）に選ばれた人気店です。仙台駅から徒歩15分ほど。
開店時間の11時半前に到着するはずが、アーケードの商店街を歩けども見当たらない……と何度か通り過ぎた後、発見。

※編集部注：ミシュランガイドで使われている評価指標のひとつで安くておススメのレストランのこと。

看板が控えめなので、気ぃつけてけさいん（＝気をつけてください）

開店10分後、すでに15人ほどの行列。きっちり30分待って店内へ。今回は、己の胃袋を過信せず、控えめに牛タン5枚の「Aたん焼き定食」を。とろろと南蛮味噌は追加オーダー。

来た来た。おお……、キャベツ揉み、テールスープ、麦飯に囲まれ、エッジの際立つ牛タン5枚。
これぞ王道牛タン定食、と拝みたくなるたたずまい。

熟練の職人が1枚1枚切り分けているという牛タンは、ふっくらしたほどよい厚み。もっちり歯ごたえを楽しんでいると、おいしい肉汁が溢れます。塩味が濃すぎないから、牛タンの旨味をダイレクトに味わえるのがいい。優しくて深みがある牛タン、こういうの好きだっちゃ（＝好きなんです）。

合間にはさむは南蛮味噌。持ち帰り用もあり、ごはんもお肉も進む名脇役。

とろろは牛タンのだし入り。こちらも淡めのいい味で、ごはんにかけてつるつるっ。
店長の関さんおすすめの「トマトサラダ」は、ひらひらの極薄スライスでこれまた絶品！

うーん、まだいける。牛タン6枚の「Bたん焼き定食」にすればいがった（＝よかった）。
他店では、メニューが「牛タン焼き」のみだった20年ほど前、こちらが初めて「たたき」と「刺身」をオンメニューしたそうです。食べてみたかったのですが、あいにく提供はディナーのみ。
ならば、とシメ（?）に「角煮」を。

余分な脂はすっかり抜け、牛タンのやわらかい繊維と旨味を味わえます。上品な薄味なので、煮汁もしみじみ、うんめ。（＝おいしい）
お腹も心もほっこり満たされた、優しく安定感のある牛タンでした。

仙台駅

デザートはずんだシェイク。噂の生パイをお土産に

三者三様の牛タンを反すうしつつ、自宅の受験生も気にかかるので、そろそろ帰りじたく。
新幹線に乗る前に、仙台駅ナカ「ずんだ小径」の「ずんだ茶寮」へ。駅構内でもたくさんの人が手にしていた、淡いグリーンの「ずんだシェイク」が飲みたくて。

ミルクリッチなシェイクにつぶつぶ枝豆の食感が生きていて、人気の理由がよくわかりました。

イートインもあるので、ずんだシェイクでひと休み

お土産は、老若男女みんなに愛される「ロワイヤルテラッセ」の生パイ。駅ビル「S-PAL仙台」内で買えるのでいぎなり（＝すごく）便利。

塩味のサクサクパイに甘さ控えめカスタードクリーム

お店が入る「エキチカおみやげ通り」から新幹線改札までエレベーターで一直線、満腹でも荷物が増えてもノンストレス。帰宅したらやること山積みだし、帰りはゆっくり……と、東北新幹線「やまびこ」でぐっすり眠って帰京。

仙台じゃなきゃできない、牛タン食べ比べを堪能できて大満足！
びゅうたびフォロワーの皆さん、すてきな情報をありがとうございました♪

びゅうたびの公式InstagramとTwitterで情報を提供してくださった皆様、ご協力いただき本当にありがとうございました！

東京駅

掲載情報は2020年1月21日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。