きのこ栄養!椎茸やえのきなど種類別栄養まとめ&調理のポイント
きのこには椎茸やえのき、ぶなしめじなど、通年で食べられるものと、松茸のように秋ならではのものなどいろいろな種類があります。この記事では、意外と知らないきのこの種類別の特徴をまとめて紹介します。
きのこの種類ごとの栄養と調理のポイント
きのこの特徴と、主な栄養と含有量、さらに調理のポイントを取り上げます。
●椎茸(生)
可食部100gあたり19kcalと低カロリー。かさが丸みを帯びて肉厚、表面に細やかな亀裂のある「どんこ(冬菇)」や、表面がなめらかで肉薄の「こうしん(香信)」などの品種があります。
[栄養]
ビタミンD0.4μg(マイクログラム)、食物繊維4.2g、ビタミンB2 0.2mgの他、うまみ成分のひとつであるグルタミン酸は440mg(可食部100gあたり、以下同)。また紫外線を浴びるとビタミンDに変わるエルゴステロールを含みます。
[調理のポイント]
水気を吸うと風味が落ちるので、洗いません。汚れが気になるときはかさを叩いて落とすか、濡れたふきんで拭く程度に。
●椎茸(乾)
干した椎茸は、乾燥することで細胞が壊れ、酵素が作用してうまみが増します。
[栄養]
ビタミンD12.7μg、食物繊維41g、ビタミンB2 1.4mgなど。干すことによってビタミンDが増し、生椎茸の30倍以上に増えます。グルタミン酸も3200mgと、生椎茸の7倍以上です。
[調理のポイント]
うまみを引き出すには、冷水でじっくり戻すのがポイントです。時間がないときは、ぬるま湯や電子レンジ加熱でも戻すことができます。
●えのき
発芽玄米に多く含まれる、ギャバが含まれています。白色のえのきのほか、琥珀色の「琥珀だけ」などもあります。
[栄養]
カリウム340mg、ビタミンB1 0.24mg、食物繊維3.9gなど。
[調理のポイント]
加熱するとやわらかさとぬめりが出ておいしくなりますが、歯ごたえと歯切れの良さを残したい場合は、くたっとならないようにさっと火を通す程度にしましょう。
●ぶなしめじ
かさの色が黒、薄茶、白のものがあります。可食部100gあたり18kcalと、椎茸と同様にカロリーが低いきのこです。
[栄養]
ビタミンD0.6μg、カリウム380mg、食物繊維3.7g、ナイアシン6.6mgなどを含みます。
[調理のポイント]
火を通しても形が崩れにくく、シャキシャキした歯ごたえの良さも残るので、鍋物や煮物に向いています。
●まいたけ
サクサクとした食感で香りが良く、幅広い料理に使えます。カロリーは低く、可食部100gあたり15kcalです。色の白い「白まいたけ」もあります。
[栄養]
カリウム230mg、食物繊維3.5g、ビタミンD4.9μgなど。
[調理のポイント]
汚れは濡れたふきんで軽く拭く程度に。使う場合は縦に裂いて使います。煮すぎると栄養分が逃げるうえ、色が黒くなるので、調理の最後に加えるようにしましょう。
●松茸
人工栽培が難しく、ほぼ秋にしか手に入りません。松茸の命ともいえる香りは、マツタケオールや桂皮酸メチルという成分によるもので、かさに多く含まれています。
[栄養]
カリウム410mg、食物繊維4.7g、ナイアシン8.0mg、鉄1.3mgなど。
[調理のポイント]
汚れは濡れふきんで拭く程度にとどめます。かさは中心から外側へ、軸は下から上に拭くようにします。
最後に
きのこはいろいろな種類があり、栄養も豊富です。それぞれの特徴を生かして、さまざまな料理で使ってみましょう。
[椎茸]栄養を活かす、下ごしらえや料理のコツ&保存方法
西洋のマッシュルーム、アジアのふくろたけと並んで、世界三大栽培きのこのひとつとされています。不溶性食物繊維を含み、カロリーは100gあたり菌床栽培が25kcal、原木栽培が34kcalと低いのが特徴です。
最終更新:2023.01.13
文:アーク・コミュニケーションズ
写真:清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
写真(撮影協力):吉田めぐみ
監修:カゴメ
参考文献:
『改訂9版 野菜と果物の品目ガイド』(農経新聞社)
『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』白鳥早奈英/板木利隆監修(高橋書店)
出典:
文部科学省
日本食品標準成分表2015年版(七訂)きのこ類
食品成分データベース(生椎茸、干し椎茸のグルタミン酸量)
独立行政法人農畜産業振興機構
Vegetables Book「しいたけ」(椎茸の種類と特徴)
今月の野菜「生しいたけ」(生椎茸に含まれるエルゴステロール)
「日本食品標準成分表」「日本人の食事摂取基準」「国民健康・栄養調査」の数値は記事初出時の最新データを参照しています。これら数値は変更になることがありますので、記事を活用いただく際には最新の数値をご確認ください。
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