ダウンロード禁止法の恐ろしい本当の目的とは? パソコンの中身から別件逮捕しやすくなる

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6月15日に可決された「私的違法ダウンロード刑罰化法案」。これまでも違法にアップロードされた物と知りながらダウンロードした際は違法ではあったが、罰則が設けられていなかったのだ。今回の「私的違法ダウンロード刑罰化法案」ではこれに罰則規定が設けられ、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金とされた。

さらに追加規定として暗号技術を用いて複製保護されているDVDのリッピングが違法化。私的利用も認められておらず違法となる(罰則はない)。複製装置およびプログラムを提供する側には刑事罰が科せられ3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または併科となる。コピーガードの複製防止プログラムが施されていないCDは違法化の対象外となる。

「私的違法ダウンロード刑罰化法案」で一番怖いのは

今回可決された「私的違法ダウンロード刑罰化法案」で最も怖いのは、誰でも簡単に手を出せてしまう容易さである。パソコンやインターネットがこれだけ普及しこの法案を回避して生活するのは不可能と言えるだろう。ではブラウザを立ち上げて『YouTube』や『ニコニコ動画』、または動画をネット上からダウンロードしたら即違法となるのだろうか。

この法案の目的はそこだけにあるのではないだろう。この法案の真の目的は、“別件逮捕”である。とある事件を起こした人物がいたとしよう。その人物宅のパソコンを警察が押収したら「私的違法ダウンロード刑罰化法案」に抵触するファイルが数多く出てくるはずだ。そこで別件逮捕、立件が可能となる。

警察も急に訪問し「パソコンを見せて下さい」と来るはずがないだろう(違法なことをしている証拠があるなら別)。何かが起きた際に連続コンボを出せるようにしたのがこの法案なのである。

インターネットを見たらすぐに違法?

今ネット上では「動画サイトを見るだけで違法」と騒がれているが、実際にインターネットができなくなってしまうのだろうか。違法にアップロードされている動画をダウンロードし閲覧するのは同法案に抵触する恐れがあるのだが、親告罪であるため被害者の被害届が必要となる。

とりあえず相当な悪質なことをしない限りは今まで通りインターネットを使えそうである。

著作物を守る為の今回の法案なのだが、それ以前にやるべき事があったのではないだろうか。今回の法案は誰も得をしない改正ではないだろうか。そんな法案に賛成221、反対12というほぼ総意の可決にも驚きである。次は個人のパソコンの中を国が監視できる法案でも作るつもりだろうか。

こちらの「私的違法ダウンロード刑罰化法案」は2012年10月1日から施行される。

おまけ
<この日から変わりそうな物一覧>
・Twitterのサムネイルアイコン(アニメとかのアイコンがアウトに?)
・『ニコニコ動画』などの動画サイト(アップロード者は10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金)。MADも違法の可能性あり。
・自作動画、音楽は「自作」と明示しなければいけない。
・二次創作はグレー?

※この記事は、ゴールドラッシュの「ソル」が執筆しました。[リンク]

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ソル

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