ビンラディン暗殺を遂行した特殊部隊「ネイビーシールズ」 現役隊員“ローク少佐”にインタビュー
皆さんは、「Navy SEALs(ネイビーシールズ)」を知っていますか? ネイビーシールズとは、米海軍0.5%の超エリート特殊部隊。任務は国家の最高機密に関わる極秘ミッションで、オサマ・ビンラディン暗殺を遂行した事で改めて全世界で注目を集めています。
そんな、ネイビーシールズの戦いを描き、全米ボックスオフィスで初登場1位を記録した映画が『ネイビーシールズ』。物語はフィクションながら、映画に登場するのは全て本物の兵器、戦術、戦闘機、そして現役のネイビーシールズ隊員という、リアル戦闘アクションムービーです。
「国家機密をバラしすぎだ」と米国国防総省(ペンタゴン)に政治家から抗議の声が届いたという本作が、いよいよ今週末より日本公開。現役の隊員であり、映画にも出演しているローク少佐が緊急来日し、取材に応じました。
ローク少佐(劇中ではローク大尉)は、カリフォルニア出身の38歳。1999年よりネイビーシールズに任務をスタートし、数々の賞、勲章を受賞しています。
――『ネイビーシールズ』は、本物の兵器、戦術だけではなく、現役のシールズ隊員が出演するという衝撃的な内容ですが、最初に企画を聞いた時にどう思われましたか?
ローク少佐:初めて企画を聞いた時、僕だけじゃなく全ての隊員が「NO!」と言いました。なぜなら、今までネイビーシールズの任務は秘密裏に行われてきた事ですから。けれど、2人の監督と過ごしているうちに信頼関係が出来てきて、監督達が撮りたいと思っているのはアクション映画では無くてネイビーシールズの真髄を描こうとしているのだなと分かり、「YES!」に変わりました。
――では、実際に完成した映画をご覧になっての感想をお聞かせください。
ローク少佐:ファーストカットを観た時は「まあまあかなぁ」と思いました(笑)。けれど、映画が進むにつれて「これはシールズの真髄」だと納得して楽しむ事が出来ました。でも、どのシールズ隊員も「他のメンバーは良いのに、自分だけ映画の中でダメだ」と感じたみたいですけどね。
――本作は、全米ボックスオフィスで初登場1位するなど大ヒットしましたが、多くのアメリカ国民がこの映画を観た背景にはどの様な事が考えられると思いますか?
ローク少佐:皆がハリウッドが作ってきた、似たような映画に飽きているのもあるんじゃないでしょうか。似たようなCGに似たようなVFXに……。この映画が評判になったのは本物の迫真の映像が使われているからだと思います。観た人が、話題にしてさらに評判が評判を呼んだのだと。
――本当に「ここまで見せていいの?」と思える様な迫真の映像の連続でしたが、映画をご覧になったご家族や友人も驚かれているのではないでしょうか。
ローク少佐:とても評判が良くて、友人には「本物より格好良いんじゃないの?」とからかわれました。僕もそうですが、皆が一番喜んだのは、家族が自分の愛する夫や兄弟がいつもどんな仕事をしているのか知れた事です。より理解が深まったと感じています。
――任務はもちろん、トレーニングもとても過酷な物で衝撃的でした。
ローク少佐:どの戦場に行っても言える事ですが、いつ任務がおりても大丈夫な様に準備が出来ている事が大切です。日々厳しいトレーニングを続けるのも、もちろんその為ですが、いつ何処で指令がくだっても動き出せる様に日々緊張感を持って過ごさなければいけません。
――日本には、格好良い戦闘機や銃が好きであったり、サバイバルゲームを楽しむ「ミリタリーオタク」と呼ばれる人々がいますが、ご存知ですか?
ローク少佐:ミリタリーオタクがいることは知っているし、理解していますよ。自分がシールズ隊員として命をかけ日々国を守る行為と、ゲームの中で悪を倒すという行為の一番の違いは何か分かりますか? 現実には「命は一つしかない」という事ですね。ゲームは20回でも生き返る事が出来る、けれど私達の命は一つしかない。という所で、比べるのでは無くて、全く違う物として考えています。
僕はやらないけれど、シールズ隊員の中にはミリタリーゲームファンがたくさんいるんですよ。オフの時間にみんな楽しそうにやっています。
――どうもありがとうございました!
推定190cm超の体格に、優しい笑顔で終始丁寧にインタビューに応えてくれた姿が印象的でした。また、日本に訪れたのは今回が初めてで、今度はもっとゆっくりと来たいとのこと。
映画ファンのみならず、銃マニア、ミリタリーオタク、多くの人が楽しめる作品であり、「今まで観たことが無い映像」の数々は必見です。映画『ネイビーシールズ』は、6月22日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー。
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