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OST(Open Space Technology)をやってみた。(For Your ISHIO Blog)

OST(Open Space Technology)をやってみた。

今回はいしおさんのブログ『For Your ISHIO Blog』からご寄稿いただきました。

OST(Open Space Technology)をやってみた。(For Your ISHIO Blog)

とあるイベントで、OST(Open Space Technology)という、参加者ドリブンで議論をするワークショップ手法を初めて経験しました。そもそもOSTとは何か、どうやって運営していたかなどをお伝えします。結論からいうと、結構カオスでした、でもそれが面白かったです。

OSTとは

OSTとは、Open Space Technologyの略で、1985年にハリソン・オーウェンという方が提唱した話合いを行うためのフレームワークです。

『Open Space Technology: UsersGuide』
https://elementaleducation.com/wp-content/uploads/temp/OpenSpaceTechnology–UsersGuide.pdf

世界各国の企業、行政、教育、NPOなどで高い成果を上げているらしいです。日本の教育系NGOで働いていた知人に「OSTってやったことある?」って聞いたが、そもそも知らなかったので、日本ではまだ馴染みがないかもしれません。

OSTは、一言でいうと、参加者自身の目的設定や問題解決を行う場です。

参加者自身が持ち寄ったテーマをもとに、複数のディスカッショングループに分かれて議論を行っていきます。複数の話し合いの場に分かれることから、割かし大人数の場でOSTが利用されることが多いようです。

主催者からは、以下を提示されるだけです。

・テーマを持ち寄るためのテーマ
・場所・時間

「はい、じゃあグループに分かれてあとよろしく!」って感じなので、その中でどう進めていくかは集まった参加者の中で決めていきます。参加者の自律性・自主性が求められるワークショップ手法です。

私が知っている限りでは、スクラムマスターが集う定期イベント「Scrum Masters Night!」で、このOSTを活用したイベント設計がされています。

『Scrum Masters Night!』
smn.connpass.com

OSTの原則と法則

ハリソン・オーウェン氏のUser’s Guide の第5章「The Four Principles and The Law of Two Feet」では、OSTを行う上での原則が提示されています。

1.Whoever comes is the right people.(ここに来た人は誰でも適任者である)

2.Whatever happens is the only thing that could have. (何が起ころうと、それが起こるべき唯一のことである)

3.Whenever it starts is the right time. (始まる時はいつでも、適切な時である)

4.When it is over it is over. (いつ終わろうと、終わったときが終わりである)

これらはつまり、「来るもの拒まず、去る者追わず精神」なのかなと解釈しています。重要なのはこれを最初に共通認識として持つことで、不必要に他者の振る舞いに対して気を取られることなく話合いに集中することができます。

同章では、「The Low of Two feet(二本足の法則)」という約束事も提示されています。

話合いに参加すると決めた場合、参加者はそこで、「学習する」もしくは「貢献する」どちらかの状況でいる必要があります。

もし、どちらも満たすことができない状況にいると自身が感じたときには、学習か貢献ができそうな他の話し合いの場に移動した方が、自身にも周囲の人間にも有益だというものです。

OSTの流れ

OSTの進行は以下のような流れで進めます。

1.オープニングセッション
 ・全員で円になり、主催者からOSTの原則と法則について、場所や時間について説明がなされ、参加者全員で共通認識をもちます。

2.テーマ出し
 ・参加者が持ち寄った話合いのテーマについて、持ち寄った人間が発表を行います。今回は、その場でテーマ案を参加者から募ったので、どのように運営されていたかは後述します。

3.各テーマに分かれて、話し合いが開始されます。

4.クロージング
 ・最後に各テーマでの話し合いについて、全体で簡単な共有と、主催者からクロージングがあり終了。

今回のテーマ出し方法

今回は、OSTをやることは事前に知らされていなかったため、その場で参加者から話し合いのテーマを募り、投票が多かった上位のテーマについて、別々の場所に分かれて話し合いが行われました。

テーマ出しには、sli.doというサービスが利用されました。

『sli.do』
www.sli.do

sli.doは、勉強会やカンファレンスにて、会場からの質問を匿名で集められるサービスです。指定されたハッシュタグを打つとチャット画面が表示され、スマホやPCから質問やメッセージを運営側に投げることができます。

このサービスを利用して、セッション参加者から匿名でテーマ案が投稿されます。またそのテーマ案に対して、各参加者から「いいね」ボタンが押されることで、興味関心が高いテーマを選出しました。

実際の話合いの場

投票が多かった5つのテーマについて、ホワイトボードが与えられ、話し合いの場が持たれました。実際にどんな感じだったかを書いていきたいと思います。

主催者からアナウンスが流れ、ここから同じテーマに集まったのは20人ほどで、進め方も含めて話し合いを行っていきます。ドキドキ。

自分含め、多くの人は知らない間柄の人間と、突然ディスカッションをすることに慣れていないですよね。誰も、ファシリテーションに名乗りをあげずに、30秒ほど空白の無言の時間をむかえました。

今回は選ばれたのが自分が投稿したテーマだったこともあり、まず自分がファシリテーションに名乗りをあげました。

周囲を見渡すと、半数の人が座っている状況でした。「二本足の法則」のもと、「参加する人はホワイトボードの前に集まろう」と声掛けをしました。すると、ぞろぞろとみんな集まってきてくれ、スタンディングでのディスカッションがスタート。

そもそも話し合うといっても、フレームワークを作らないと適切な議論はできないと感じ、どういったフレームワークで進めますか、と場への投げかけを行いました。

「各人が(テーマに関する)課題について、ホワイトボードに書いていくのはどうだろう?」「書記が必要ですかね?」「付箋があると便利なんだが」みたいなコミュニケーションがなされ、各人がホワイトボードに感じている課題を書いていく、みたいなスタイルになりました。

そのあと、上から各課題に対して、ホワイトボードに書いた人がしゃべっていき、それについて議論がなされた。という感じです。

OSTの感想

OSTは、参加者の当事者意識が求められます。しかしそのテーマに集まった人たちは、何かしらテーマに対する探究や情熱がある人たちなので、それなりに参加者からの発言が出てきやすいと感じました。

実際に、発言をしていたのは5~6人くらいといった感じでした。でもOSTの法則になぞらえれば、貢献していなくても学習してくれていればOKなので、ファシリテートをする中で全員の意見を促す必要がないのは楽でした。

難しさは、その進め方にあると感じます。同じチームの人間であれば「こういったフレームワークで進めよう」みたいなことができますが、初めてあった人たちと、共通の考えをもとに進行を行うのが結構難しいです。

でもOSTの記事を読んでいると「カオスなほどクリエイティブな発想が出て良い!」と書いてあり、結構OSTで格闘技のパフォーマンスをやったり歌うたったりみたいな話が出てくる。Open spaceでよりOpen Mindにならないと、OSTの威力は発揮できないのか?でもとにかく楽しいアドレナリンが出る経験でした。

 
執筆: この記事はいしおさんのブログ『For Your ISHIO Blog』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2019年10月7日時点のものです。

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記者:

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