年収数千万円稼ぐエグゼクティブに共通する「20~30代でやってきた」6つのこと
企業の経営者や経営幹部などとして活躍し、年収数千万円以上を手にしているエグゼクティブビジネスパーソンたち。彼らは、20代~30代の頃、どんな行動や経験をし、どんな習慣を身に付けたことによって、今の成功につながっているのでしょうか。
企業経営者1000人以上を顧客とし、エグゼクティブビジネスパーソンの採用支援・転職支援を手がける森本千賀子さんに、「成功者の多くに共通する経験・習慣」をお聞きしました。▲森本千賀子さん/株式会社リクルートエグゼクティブエージェント エグゼクティブコンサルタント
【1】環境の激変を歓迎し「変化対応力」を身に付ける
私がお会いしてきたエグゼクティブビジネスパーソンの多くは、ビジネス人生の中で「急激な環境変化」を経験しています。
異なる部門や職種への異動、他エリアへの転勤、子会社・関連会社への出向、海外勤務、会社のM&Aによる組織・風土の変化…など。未知の環境に飛び込み、これまでと異なるルールやオペレーションに適応し、新たな人間関係を作り上げる、という経験をしているのです。
彼らはこうした環境の激変をむしろ歓迎し、その中で昨今のビジネス環境ではとても重要な要素となった「変化対応力」を鍛える経験を積んでいます。
IT・ネットの進化に伴い、ビジネスの環境ややり方の変化のスピードが速くなっている現在、変化にすばやく対応できる能力は欠かせません。
実際、近年の転職市場においては、異動や出向、国内外への転勤を経験している人は高く評価される傾向が見られます。1社・1部署にずっと在籍していた人に比べると、新しい環境への順応力、対応力が養われていると期待されるからです。(※高度な専門職の場合は、この限りではありません)
また、異動や出向経験で得られるのは、変化対応力だけではありません。業務知識や人脈も広がります。
組織で上の地位に行くほど、「プロデューサー」的な動きが求められるもの。社内を横断し、各部署の資源や人材を適切に組み合わせられる人が、新たな価値を生み出すことができるのです。そうした面でも、異動や出向で得た知識や人脈が武器となります。
不本意な異動や出向を命じられて、やる気をなくしたり転職を考える人もいらっしゃいますが、実は自分の人材価値を高める大きなチャンスなのです。自分の成長機会ととらえて、チャレンジしてください。
【2】ビジネスと関係がない場所で人脈を作る
エグゼクティブビジネスパーソンは、「人脈」を広げることに時間とお金を投資しています。
ビジネスに直結する人脈の開拓はビジネスパーソンの多くが行っていることと思いますが、エグゼクティブ層は、あえて仕事以外の、肩書きなしに人と付き合える場所に出向いています。
例えば、自己啓発セミナー、スポーツの社会人サークル、カルチャー関連のスクール、地元の地域交流での仲間などです。
そこでは、未知の業界の人と知り合い、自分の業界とは異なる考え方や価値観を学ぶことができます。それを機に発想が広がり、自分のビジネスにも活かせるというわけです。
「ビジネス前提」ではなく、個の人間同士として付き合う中で、価値観やビジョンが共通する仲間と出会い、それがビジネス関係に発展する…。私が知る経営者には、日本の伝統芸能を学ぶスクールで、後のビジネスパートナーであり人生の友となる人と出会った…なんて人も。
ビジネススクールのMBAコースに通い、「ここで得た人脈は非常に重要な財産」と語る人も少なくありません。
【3】「ロールモデル」「メンター」といえる存在を持つ
成功者は自分が目指す「ロールモデル」、あるいは迷ったときに教えを請う「メンター」的な存在を持っています。重要な選択に迫られたとき、適切な判断へと導いてくれる人物です。
皆さんは、身近に尊敬する人物、教えを請いたい人物がいますか。いるならば、より積極的にコンタクトを取り、お付き合いを深めることをお勧めします。
社内報などを見て「すごい人だな」と感服したら、「お話を聞かせてください」とアプローチすればいいのです。メディアで目にした人物であれば、講演会やセミナーの開催情報を調べ、出席し、その後、感想のメールや手紙を送ることで、お付き合いにつながる可能性もあります。
こうした人々は「後進を育てたい」という気持ちを抱いている人も多く、意欲や熱意がある人は喜んで受け入れてくれたりします。「迷惑なのでは」と遠慮せず、ダメ元でぶつかってみてはいかがでしょうか。「可愛いやつ。育ててやりたい」「力になってやりたい」と思ってもらえるかもしれません。
ぜひ、「会いたい人リスト」を作って、アプローチしてみましょう。【4】「遊び心」「好奇心」を持ち、感性を磨く
私が知るエグゼクティブたちは、それぞれ趣味の活動やレジャーにも意欲的です。例えば、サーフィン、マラソン、トライアスロン、絵画、陶芸、楽器演奏、料理、旅行、映画・演劇・コンサート鑑賞などなど。
オフにしっかりリフレッシュすることで仕事への集中力も高まり、成果を挙げることにつながっているのかもしれません。しかし、私はそれ以上に、「感性が磨かれている」という効果が大きいように感じます。仕事以外の場所で自分を表現する場所を持つことで、クリエイティビティが養われるように思われます。
そして、そのように人生を楽しんでいる人、感性が磨いている人は、人間的な魅力も増します。するとどうなるか。「一緒に働きたい」と、周囲に人が集まってきます。結果、多くの人の協力を得て、より大きな仕事を成し遂げることにつながっているのです。
【5】思想、哲学を学ぶ
企業を訪問して社長室に通されたとき、本棚を見ると、ビジネス書に混じって歴史や思想、哲学の本が並んでいることがよくあります。そうしたセミナーに参加するエグゼクティブも多数いらっしゃいます。
先人の知恵、社会の原理・原則などを学ぶことで、重要な局面を迎えたとき、最適な判断を下すための指針を得ているのです。最近では「座禅」や「マインドフルネス(瞑想)」などにはまっているエグゼクティブも見かけることがあります。
また、これらは精神の鍛練にもつながります。いかなる場合でも冷静に思考し、決断しなければならない立場の人だからこそ、必要なトレーニングといえそうです。
【6】家族・友人を大切にし、強い絆を結ぶ
エグゼクティブ層は、映画やドラマでは「家庭をかえりみず、プライベートを犠牲にして働く仕事人間」として描かれることも多いですよね。
けれど、私が出会ってきたエグゼクティブには、家族や友人を大切にしている人がたくさんいらっしゃいます。多忙な中でも、家族や友人と向き合う時間をしっかり作っているのです。誕生日や記念日には、ちゃんとお祝いもします。
家族や友人を大切にするということは、自分の「応援団」を持っているということ。応援団は、うまくいかないとき、苦しいとき、さまざまな面で支えとなってくれます。
自分を支えてくれる人を大切にすることで、自分が支えられ、苦しい局面や試練を乗り越えられる。それが、ビジネスパーソンとしての大きな飛躍につながっているのです。
<プロフィール>森本千賀子さん
株式会社リクルートエグゼクティブエージェント エグゼクティブコンサルタント
1970年生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒業後、1993年にリクルート人材センター(現リクルートキャリア)入社。大手からベンチャーまで幅広い企業に対する人材戦略コンサルティング、採用支援、転職支援を手がける。入社1年目にして営業成績1位、全社MVPを受賞以来、常に高い業績を挙げ続けるスーパー営業ウーマン。現在は、主に経営幹部、管理職を対象とした採用支援、転職支援に取り組む。
2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。『リクルートエージェントNo.1営業ウーマンが教える 社長が欲しい「人財」!』『1000人の経営者に信頼される人の仕事の習慣』『後悔しない社会人一年目の働き方』など著書多数。
文・青木典子
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