“士業”で生き残るための6つの心得
多くの人が憧れる“士業”。いわゆる、「士」という言葉が語尾につく名称の資格職業のことで、弁護士をはじめ、人気資格となっている税理士、会計士、社会保険労務士など、高度な専門性を要求される、まさにその道のエキスパートといえる存在です。
しかし、引く手あまたというイメージの強い“士業”でも、満足できる収入を得られない状況が生まれてきているといわれています。
では、独立しても満足できるだけの収入を得るためにはどうすればいいのか。
中小企業診断士の東川仁さんは著書『士業のための「生き残り」経営術』(角川学芸出版/刊)で、士業として生き残るためにすべき自己投資や融資申請の方法、顧客の見つけ方などを自身の経験を踏まえて述べています。
ここでは、本書より独立開業した士業に向けた6つの心得を紹介します。
1、士業はサービス業である
士業はかつて「先生業」でした。その道の専門家であり、人数も少なかったため、重宝がられていたのは事実。しかし、現在、士業の資格保持者は多く、競争相手も増えています。驕らずに「サービス業である」という原点に戻り、顧客ニーズに応えられるように努力しなければいけません。
2、士業は知識より営業力がモノを言う
「営業が苦手だから資格を取った」という人の多くは、「経験・知識・ノウハウ」を高めることに注力しがちです。しかし、顧客を得られないとそれらを使う場所はありません。前述の通り、競争が激しくなっているこの時分、営業力を高めなければ生き残ることは難しくなります。
3、士業の営業力とは「人に会いに行く意欲」である
では、営業力とは一体何か。「ホームページで集客をしている」という人もいるかも知れませんが、見込み客の方に訪問してもらうという手間が生まれます。一方、東川さんの場合、見込み客と出会ったきっかけの7、8割が「人からの紹介」なのだそう。そして自分から積極的に会いに行くことで、話が早く進み、盛り上がった雑談から思わぬ受注を得られることもあるといいます。
4、士業は、人に会ったら話すより聞く時間の方が長い
人に会ったときには、自分がしゃべるよりも相手の話をよく聞きましょう。笑顔やうなずき、リアクションでちゃんと相手の話を聞いていることを示せば、相手も自分のことを信頼してくれるはず。士業は、数字や法律ではなく「人」が相手の仕事だということを覚えておくべきです。
5、士業の「紹介してください」は恥じゃない
「見込み客を紹介してください」という言葉を言うのは恥ずかしいと思っている人もいるでしょう。しかし、言い続けていると、紹介してもらいやすくなると東川さんはいいます。また、言われたほうも「紹介してもらいたがっている」とハッキリ認識できるため、何かあったときに思い出して声をかけてくれやすくなります。
6、士業は時間を上手に区切って使う
独立した人こそ気をつけたいのが時間の管理。自分の時間が売上に密接に関わってくる士業なので、時間の徹底的な有効活用を考える必要があります。東川さんは「TO DOリスト」と「NOT TO DOリスト」の2つを作り、やるべき仕事とやってはいけない仕事のリスト化して管理したといいます。
融資申請の方法やどのように自己投資をすべきか、といったより具体的な内容は本書に目を通していただくとして、「士業はサービス業である」をはじめとしたこの6つの心得は、常に持っておきたい重要な考えではないでしょうか。
人と向き合い、人を助ける専門家“士業”。そんな士業の人たちが、質の高いサービスを顧客に提供することができれば、日本の中小企業が元気になり、そしてその元気が日本全体へと伝わっていくはずです。
(新刊JP編集部)
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