大人かわいいイスラム雑貨と、オシャレすぎるモロッコ料理。東京で触れる異文化旅
世界各国を買付で飛び回るインテリアバイヤーの早川七実です。旅の中で出会う素敵な「モノ、コト、ヒト」をインテリア雑貨やコラムなどを通して紹介しています。世界各地の手仕事の雑貨を集めたショップ「SØMME」も運営中。
はじめてモロッコを訪れて以来、イスラム世界の文化がもつ美しさ、奥深さに魅了され続けています。実は東京でも気軽に体験できる、イスラムの世界をご紹介します。
代々木上原駅
美しいイスラム建築に癒されて
まずはJR東京駅から徒歩約6分の二重橋前駅へ。ここから千代田線に乗って約20分、終点代々木上原駅で下車し、徒歩5分の東京ジャーミイ・トルコ文化センターへ。
写真提供:東京ジャーミイ・トルコ文化センター
日本最大のイスラム教礼拝堂(モスク)は、美しいオスマン・トルコ様式の建築の要素がちりばめられており、その美しさはアジア1だといわれているのだとか。重厚で洗練された美しい外観は、代々木上原の街並みの中でひと際目を引きます。
礼拝堂の中に入ると息を呑むほどに美しく荘厳な空間が。晴れた日には光が差し込み、色鮮やかなステンドグラスがキラキラと輝き、幾何学模様(アラベスク模様)を用いた装飾と重なり合い、より一層幻想的に空間を彩ります。
東京ジャーミイ・トルコ文化センター天井装飾カリグラフィー
ドーム型になった天井を見上げると、天井からは巨大なシャンデリア。壁面には、文字を美しくみせるための技法であるカリグラフィーが施されており、流麗なアラビア語による文字の装飾は、まるで絵画のように美しい。礼拝堂以外にも館内のあちこちの壁面にカリグラフィ-を見つけることができます。
礼拝堂
礼拝堂に入って正面のミフラーブと呼ばれるくぼみ(スペース)は、礼拝のために聖地メッカの方角に設けられたもの。礼拝の際には、手足と顔を洗い身を清めた信徒が、美しいブルーのトルコ絨毯に横一列になります。
礼拝堂の階段の天井原種のチューリップが描かれた焼き物
建物入口や、礼拝堂の絨毯、展示されている焼き物など、館内のあちこちに描かれているチューリップ。実はチューリップはトルコ原産の花で、原種は花びらの先が細くなったもの。東京ジャーミイで原種のチューリップを探してみては。
礼拝堂の見学を終えたら、1階に戻り、イスラーム法で認められた食材であるハラール食材や雑貨が購入できるショップへ。明るい店内には、日本では普段なかなか見かけることのないハラール食材やトルコの陶器、織物などを買うこともできるので、お土産探しにもぴったり。
東京ジャーミイ見学について
東京ジャーミイは、年中無休、毎日午前10時から午後6時まで一般の方々に開放されています。東京ジャーミイは宗教施設です。見学の時は肌を露出する服装を避けてください。また頭髪を覆うスカーフを持参してください。礼拝の時は、静粛にし写真撮影も控えてください。礼拝をしている人の前を横切ってはいけません。
新中野
自分だけのとっておきの1枚に出会う
代々木上原駅から小田急線に乗って新宿駅まで約6分、さらに丸ノ内線に乗り換え約6分、新中野駅で下車し、青梅街道沿いを歩いて4分ほど。キリムやギャッベを専門に扱うインテリアショップ「ガラタバザール」へ向かいます。
ガラタバザール
キリムは、礼拝用の敷物としても使われている中東地域の人々の生活に根差した織物で、施されたモチーフには暮らしの中の様々な願いや祈りが込められているそう。
ギャッベ(写真提供:ガラタバザール)
ギャッベは、イランの遊牧民カシュカイ族による手織りの絨毯で、ふかふか柔らかな手触りが特徴。モチーフは鮮やかで楽しい心躍るものばかり。
キリムやギャッベは、オーナーが現地に直接足を運び、自分の目で1枚1枚選んで買い付けているそうで、すべて柄やサイズなどが違う1点もの。お値段は小さいもので1万円前後から。小さいサイズは購入してすぐに持ち帰ることも可能です。
写真提供:ガラタバザール
その他店内には、トルコ、イランなど中東地域からオーナー自身が買い付けた可愛い雑貨が並び、お土産にもおすすめです。
三軒茶屋
モロカンインテリアを楽しむ夕べ
新中野駅から丸ノ内線で新宿三丁目駅へ行き、副都心線に乗り換え渋谷駅へ。さらに東急田園都市線に乗り換え、三軒茶屋駅で下車し、徒歩約2分。
東京滞在中にモロッコ料理が食べたくなるとお邪魔するレストラン「ダール・ロワゾー」。フレンチ出身のシェフが腕を振るう、洗練された美味しいモロッコ料理がいただけます。
幾何学模様が美しいゼリージュ(タイル細工)や真鍮ランプなど、モロカンインテリア(モロッコのインテリア)が施された異国情緒たっぷりな店内。日が落ちてランプが灯ると、ランプからこぼれた影が幾重にも重なり、よりエキゾチックなムードを盛り上げます。
常時モロッコ産のワインが揃っているので、東京にいながら楽しむことができます。味はもちろん、ラベルが可愛いので選ぶ楽しみも。どれにしようか迷ったら、お料理に合わせたおすすめをスタッフに相談してみて。
6種のモロカンサラダ
旬の野菜を使った6種のモロカンサラダ(モロッコのサラダ)。野菜本来の旨みに、クミンやターメリックといったスパイスのアクセントが程よく効いた癖になる味。色とりどりのモロッコ陶器に盛り付けられており、見た目も鮮やか。
ブリワト
ブリワト(揚げ春巻き)は、パリッとした皮でしっとりとしたささみを包んだ食感のコントラストと、仕上げにふりかけた粉糖による甘い×塩っぱい、絶妙な味わいが病みつきになる一品。
タジン
タジンはモロッコレストランに来たらぜひオーダーしたいメニュー。ラム肉は臭みがなく柔らかでジューシー、野菜はふっくら。トマトベースのソースと絡めるとさっぱりとして、かなりのボリュームでありながらペロリと食べられてしまいます。
ノスノス
食後には、シナモン、カルダモン、クローブなどのスパイスが効いたカフェオレ「ノスノス」を。
お腹を満たして幸せな気分になったら、再び三軒茶屋駅から田園都市線に乗り約5分、渋谷駅で下車し、本日の宿へ。
表参道
カラフルなモロッコ雑貨にときめいて
2日目は、渋谷駅から銀座線で約2分、表参道駅で下車して徒歩7分ほど。モロッコの手仕事の雑貨やオリジナルのコスメを取り扱う「ファティマ モロッコ トーキョー」へ、雑貨ハントに向かいます。
店内には目移りしてしまうほど可愛いカラフルなモロッコ雑貨の数々。時間を忘れてショッピングに夢中になってしまう空間です。
バブーシュ
モロッコ雑貨といえばバブーシュといわれるほどになった革製の室内履き(ルームシューズ)。こちらではシンプルなデザインから可愛いビーズや刺繍の装飾が施されたものまで、オリジナルデザインのバブーシュを取り揃えており、どれにしようか選ぶのが楽しい。
その他、モロッコの陶器やミントティーグラスなど、見ているだけで楽しくなってしまうキッチン雑貨もいろいろ。ついついほしくなってしまうアイテムばかりでお財布の紐が緩みがちです。
オリジナルコスメ
モロッコ原産のオーガニックのアルガンオイルやダマスクローズを原料に使った、人気のオリジナルコスメ。パッケージも洗練されていて、自分用にはもちろんギフトで購入される方も多いのだとか。
外苑前
絶品! 北トルコ料理を味わう
可愛いモロッコ雑貨を堪能した後は外苑方面へ歩くこと約5分、トルコ料理レストラン「ゲリック」に到着。世界三大料理のひとつであるトルコ料理のランチをいただきます。
トルコの雑貨や織物で装飾された店内は、異国のムード満点。ゲリックでは、ヨーグルトやニンニクを多用する北トルコ料理をメインに、笑顔が素敵なトルコ人シェフが腕を振るう、オリジナルレシピが味わえます。
牛肉のキョフテレンズ豆のスープ
旨みの詰まった牛肉のキョフテ(ミートボール)に酸味のあるヨーグルトソースが絶妙のバランス。ランチに付いてくるメリジメッキというトルコの伝統的なレンズ豆のスープと一緒に。
新大久保
スパイスの香りに誘われて
旅のラストは、ちょっとディープな場所へ。徒歩約8分の外苑前駅から銀座線で約4分の渋谷駅へ、JR山手線に乗り換え、約10分のJR新大久保駅で下車。
駅から徒歩2分ほど、イスラム横丁と呼ばれるハラールショップやレストランなどが立ち並ぶエリアへ向かいます。
ハラールショップ
ハラール食材や雑貨を販売するショップには、現地から輸入した米、お菓子、調味料などの食材が並びます。店内ではアラビア語が飛び交い、旅行中に現地のスーパーに立ち寄った気分です。
日本では珍しいスパイス類が種類豊富に取り揃えられ、少量でも販売しているのでお土産にぴったり。
イスラム横丁でエスニックな情緒に触れ、満足して、今回の旅は終了!
帰宅後、自分へのお土産にファティマ モロッコ トーキョーで購入したグラスで、ミントティーを淹れてみました。イスラムの文化に思いを馳せながら味わう、爽やかで甘いとっておきの一杯です。
東京でも触れることができる、イスラムの料理や雑貨。益々好きになりそうな、そんな魅力を持つイスラムの文化を感じてみてくださいね。
東京駅
掲載情報は2019年9月26日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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