話し下手でも困らない「朝礼ネタ」の探し方とは?

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話し下手でも困らない「朝礼ネタ」の探し方とは?

多くの会社で実施されているものの中に「朝礼」があります。あなたは朝礼に苦手意識はないですか?社長や部長などマネジメント層の話を聞くだけならまだしも、自分が人前でスピーチするのは苦手と感じる人は案外多いようです。

ただビジネス書などで言われているように、朝礼は会社を前向きに変える効果があるといわれています。実際、朝礼を通して意思疎通を図り、仕事を円滑に進める会社や人も多く存在しています。

そこで今回は広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、彼らの「朝礼ネタ」を研究している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「話し下手でも困らない『朝礼ネタ』」について話を伺いました。

朝礼とは「人柄紹介」の場である

3000人のVIPを観察していて、発見したことがあります。それは「朝礼でうまいことを話そうとしていない」ということです。

そもそも朝礼をやると決めたのは経営層です。彼らの朝礼の目的は、自分が思っている会社のビジョンを社員と共有化することです。つまり経営層の視点は、「経営理念の浸透」、「今期の目標伝達と進捗具合の共有」などとなります。

これを一般社員が真似しようとするから朝礼で失敗するのです。3000人のVIPも今でこそ経営目線の話をしますが、若手の頃は別の話をしていました。それは「自分の人柄紹介」でした。朝礼は職場の仲間全員に意思疎通を図れるという効果を持っているといわれています。彼らはその点に着目し、個人的に活用していました。

若手時代のVIPは、朝礼で自分の人柄が伝わるエピソードを話すことにより、「この人はそんなことを考える人なんだ」「仕事に対して、〇〇という想いで取り組んでいるんだ」などと、ポジティブな人柄を職場の仲間に伝え、その後の仕事を円滑にしていたのです。職場の一人ひとりにあなたの人柄を話すことは、現実では時間がかかり過ぎてしまいますし、実際に難しいと思います。

でも朝礼なら一瞬ですべての人に浸透させることができる。そして人柄を知っている人であれば、知らない人よりも応援してあげようとか、一緒に働きたいと思ってもらえるものです。この効用を意識して、彼らは朝礼に臨んでいたのです。経営者の朝礼と一般社員の朝礼では、目的が異なります。無理に固くて難しい話をする必要はありません。役割に応じて「私はこういうことを考えている人間です」という人柄を話せば大丈夫です。

たったそれだけで職場の人間関係が円滑になると私は思います。次から効率的に人柄を話すためのVIPの方法をお話ししますので、ぜひあなたの朝礼ネタにも取り入れてみてください。

朝礼ネタの探し方(1) 「過去の自分」を対象にする

一般社員の朝礼のゴールは理解したけど、やっぱりみんなに話すと考えると緊張してしまうという人もいると思います。

そんな人におススメなのは話す対象を「職場のみんな」から「過去の自分」に変えるということです。

どんな人でも昔の自分が知っていれば良かったのにという知恵や事実があるものです。それを朝礼の場で発表するのです。つまり朝礼の冒頭で「先日、昔の自分に教えてあげたいと思うことがありました」と話せばOK。これにより肩の力を抜いて話せるようになります。

朝礼ネタの探し方(2) 「〇〇と思うことはないですか?」と語りかける

朝礼であなたの人柄を紹介する最も有効な手段は、あなたの主眼を話すことです。たとえば「雨の日に傘を横持ちしている人を見かけますが、危ないと思いませんか?」などのように他愛もない話でよいので「〇〇と思うことはありませんか?」と切り出すのです。どこかの本やテレビが言っている一般論ではなく、あなただけの主眼を述べることで、あなたの人柄を話すきっかけができます。

また人は、疑問形で話題を投げかけられると「自分ならどう考えるか?」と考え始めるものです。つまり「〇〇と思うことはないですか?」とう語りかけは、相手を引き込みつつ、あなたの人柄を紹介できるという一石二鳥の効果を持っているのです。

朝礼ネタの探し方(3) 常識のあとに意外な視点を語る

その後はまず常識を語りましょう。先ほどの例で言えば「傘を横持ちすると階段の昇りの際、うしろの人の目線に傘の先がくるため危険と感じました」などとなります。で、その後に「あなたが発見した意外な視点」を語るのです。

たとえば「でもそのとき私は考えました。そもそもなぜこの人は危ない傘の持ち方をしているのか?と。もしかしたらその人たちは、人に迷惑をかけていると考えられないほど急いでいるんじゃないか?と思いました」などという感じです。

このように意外な視点を語ることにより、聞いている人は「そんな気づきができる人なんだ」とあなたの人柄を感じることができます。常識は一般論しか語りませんが、意外な視点はあなただけの人柄を語ります。これをセットで語るのがVIPのテクニックです。

朝礼の作法(4) ことわざで雰囲気を作る

意外な視点を語ったあとは、それで得た教訓を語る必要があります。先ほどの続きで言えば「人は急いでいるときこそ、知らずに周りに迷惑を知らずにかけているかもしれません。昔から『急いては事を仕損じる』ということわざがあるように、急いでいるときこそ原点に返るのが大切と、昔の自分に教えてあげたいと思いました」という感じです。

ポイントは教訓に「ことわざ」をプラスすることです。この工夫をするだけで、朝礼にふさわしい雰囲気が自動的に演出できます。

まとめ

朝礼とは人柄紹介の場であると私は考えます。経営者と同じように、難しい仕事の話をする必要はありません。自分の仕事を円滑にするために、あなたの人柄が伝わるエピソードを話せばOKです。「昔の自分に教えたかった知恵」というスタイルであなたの視点を語ると話に困ることが少なくなると私は考えます。

私の感覚ですが、だいたいの目安として1分を目標にしましょう。話し慣れていない人は1分で話すぐらいで3分くらいかかり、結果ちょうどよい時間配分となります。一般社員にとっての朝礼とは、その後の仕事を円滑にするための自己紹介です。人柄を知った人であれば、周りの応援を得やすくなります。ほんの少しの工夫で仕事の進捗はもちろん、人生も変わるかもしれません。であれば、やらない手はないと私は思います。ぜひあなたの人生をバラ色にしてみませんか。

プロフィール

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。

著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

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