小型ドローンを活用した温室向け害虫駆除ソリューションがオランダで開発中

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蘭デルフト工科大学(TU Delft)から2018年に独立した「PATS Indoor Drone Solutions」は、小型ドローン(無人航空機・UAV)を活用した温室向け害虫防除ソリューションの開発に取り組むスタートアップ企業だ。

・温室内で舞う蛾を小型ドローンが駆除

このソリューションは、農作物の害虫を駆除するツバメやコウモリから着想を得、小型ドローンが温室内を自律飛行しながら、病害虫の蛾を防除する仕組み。

カメラが装着された基地局によって自動制御されており、カメラが温室内をモニタリングして、蛾を検知すると、蛾の素早い飛行パターンと似た動きを学習した小型ドローンが蛾を追跡し、これを確実に駆除する。

「PATS Indoor Drone Solutions」では、2018年夏、オランダ南部デ・リールのガーベラ農家で小規模な実証実験を行ったのに続き、2019年6月から10週間にわたって、オランダ南部の研究機関「世界園芸センター」内のガーベラを栽培する温室で、大規模な実証実験を行っている。

2020年には、ガーベラやヒナギク、菊を温室栽培する花卉農家を対象として、このソリューションを正式にリリースしたい計画だ。

・駆除剤の使用量を削減し、効果的な害虫防除を実現するソリューション

現時点では、成虫となった飛翔性昆虫を効果的に駆除する手段に乏しく、温室全体に駆除剤を散布して、防除するケースがほとんどだ。

このソリューションは、既存の温室にも簡単に実装可能。駆除剤の使用量を削減し、害虫の制御や防除に要する手間を軽減する手段として、ニーズが見込まれている。(文 松岡由希子)

PATS Indoor Drone Solutions

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