ヒントはアホウドリ! エアバスが翼の先端を飛行中に曲げられる航空機の試験に成功

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過去を振り返れば、航空機の開発においてはいつだって鳥がお手本だった。空気抵抗を抑え、効率的に飛ぶのが究極の目標だからだ。そして鳥は今でも人々に示唆を与える存在であり続けている。

エアバスはこのほど、アホウドリ(英名Albatross)を参考にして製造された飛行機の試験飛行に成功した。アホウドリのように飛びながら翼の先端を曲げられるというものだ。

・風にのる構造に

AlbatrossOneと命名されたスケールモデルを英国フィルトンで開発し、このほど試験飛行に成功した。

アホウドリは翼を頻繁に羽ばたかせることなく長距離を飛べるが、これは通常は翼を固定していて突風が吹いたら翼が柔軟に動いて“風にのる”ことができるからなのだという。

これに着想を得て、AlbatrossOneでは翼の先端につながる部分に半空力弾性ヒンジを搭載し、翼の先を飛行中に曲げられるようにした。風の状況に応じて柔軟に動くようにすることで空気抵抗を減らし、燃費の効率向上が期待できる。

・空気力学に主眼

翼を曲げられる航空機そのものは珍しくなく、軍用機などではすでに採用されている。ただしそれは、格納効率を目的としたものであり、今回のように空気力学的に改善を図るために飛行中に翼を曲げられるタイプは初なのだという。

エアバスは今後、飛行しながら翼の先端の固定と可動を切り替える試験を行うとのことで、将来“アホウドリ航空機”が運用される日もあるかもしれない。

Airbus

(文・Mizoguchi)

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