恐怖対象を360度全方位から体験!自閉症患者のためのブルーの没入空間が英大学に登場

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自閉症においても、AIやVR、ARなどの最新テクノロジーを活用した治療に熱視線が注がれている。グーグルグラスを活用した治療法はその一例であり、それが自閉症の子供のコミュニケーション能力の向上に有効であることはすでに証明済みである。

そんななか、英国のニューカッスル大学の神経科学研究所では、恐怖症や不安症を抱える子供や大人のために用意されたブルー一色の没入空間が話題となっている。

・英国内の大学やスタートアップと共同開発

注目の没入空間の開発は、オックスフォード大学、ダラム大学、バーミンガム大学およびヘルスケア系スタートアップThird Eye NeuroTechによる協力を得て実現。

青い正方形の物体の中に入ると、まず目の前に広がる大スクリーンが印象的だ。

特定の恐怖やシーンに対し、このスクリーン上で様々な角度から体験できるようになっている。

・VR用ヘッド不要

VRの医療活用は様々な分野で試行されているが、これは既存のタイプとは異なる。

VR用ヘッドセットを頭部に装着する必要がなく、基本的にiPad上での操作のみで完結するのだ。それゆえ、自閉症の子供にとって身体的負担の軽減につながること間違いない。

・4割の自閉症の子供が2週間で症状改善

ニューカッスル大学はその没入空間での自閉症治療の有効性を確認すべく、ランダム化比較試験を実施。その際、被験者の恐怖対象として、公共交通機関での移動、学校の教室、犬、風船が考慮された。

その結果、4割の被験者の子供に、2週間で改善の兆しが見られた。一方、自閉症の大人の場合、子供に比べると回復が遅かったものの、実験を行ってから6ヶ月後、8名中5名に症状の改善が報告された。

Newcastle University

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