プロ監修!ミョウガの栽培・育て方|家庭菜園

プロ監修!ミョウガの栽培・育て方|家庭菜園

ミョウガ(ショウガ科)の栽培・育て方をご紹介。根株の選び方から、覆土、収穫まで、この記事だけでミョウガの栽培方法はばっちりです。プランター栽培の方法もお見逃しなく!【家庭菜園の基本シリーズ】
加藤正明さん

練馬区の農業体験農園「百匁の里」園主。 NHK Eテレ「趣味の園芸 やさいの時間」では、栽培管理や講師を務める。著書に『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流 絶品野菜づくり』(万来舎)がある。

ミョウガを栽培する前に知っておくべきこと

独特の香りで、薬味やつまに重宝するミョウガ。

通常、食べているのは開花前の蕾(花蕾)で、新芽を遮光しながら軟らかく育てたものは「ミョウガタケ」と呼ばれています。いずれも、春に「根株」と呼ばれる地下茎の一部を植えつけて栽培を始めましょう。

一度植えると、4〜5年は同じ場所で育てられるので、ほかの野菜の邪魔にならない場所を選びましょう。また、日当たりのよい場所では花蕾が緑化して硬くなり、えぐみや苦味が出るため、畑や庭の隅の日陰に植えるのがオススメです。

やせた土地でもよく育つ一方、肥料が多過ぎると葉が茂り過ぎて花蕾がつきにくくなるので、元肥は牛ふん堆肥と草木灰で十分。草木灰には、根株がよく太って生育がよくなる効果があります。ただし、庭など耕作地ではない場所で育てる場合のみ、化成肥料をプラスして。

肥料過多を避けるため収穫中も追肥は不要ですが、秋に収穫を終えたら株の周囲に腐葉土をまくのがポイント。株が充実し、翌年以降の収穫量が増えます。

しかし、4〜5年栽培すると根が込んで花蕾の出が悪くなり、収穫量が減ってきます。そうなったら2〜3月に、深さ30cmまでスコップを差し込んで根を切るか、地下茎を掘り上げて株を更新しましょう。

地下茎を掘り上げる場合は、長さ15cmに切ってから別の場所に植え替え、新たに栽培を始めると◎。
【ミョウガ栽培データ】

ショウガ科 ●区画のサイズ(※長さは自由)幅:60~70cm、畝は立てない、株の間隔:40cm ●適正pH:6.0~6.5 ●土のpH調整(植えつけの2~3週間前)苦土石灰:100~150g/m² ●元肥(植えつけ当日)牛ふん堆肥:2~3l/m²、草木灰:2にぎり/m²、※初めて野菜を育てる畑や庭で栽培する場合のみ化成肥料(N-P-K=8-8-8):50g/m²も投入 ●気をつけたい病害虫:特になし

 

ミョウガの栽培カレンダー

マルチングと適期の収穫で、ピンク色のふっくら花蕾を目指しましょう!

※寒冷地
植えつけ:4月上旬〜5月上旬 
収穫:9月上旬〜10月中旬

※暖地
植えつけ:2月上旬〜4月中旬
収穫:7月下旬〜10月上旬

※寒冷地・・・北海道、東北、新潟県、富山県、石川県、高冷地。
※中間地・・・福井県、関東甲信、東海、近畿、中国、九州北部。
※暖地・・・四国、九州南部、沖縄県。

 

【2月上旬〜4月下旬】カビや痛みのない根株を選んで植えつける

根株は、春先になるとホームセンターや園芸店などで出回ります。カビが生えておらず、芽や根が腐っていないものを選びましょう。

ミョウガを育てている人から、掘り上げた地下茎を分けてもらうのも手。芽が見えるものがよい根株です。

 

【しっかり覆土をして収穫量アップ】

栽培スペースに深さ15cmの溝を掘ります。芽を上にして、芽と芽の間隔が40cmになるように置きましょう。

株間を足で踏んで土を落ち着かせ、溝を埋め戻してクワの背で土の表面を押さえます。根株が腐らないよう、水やりは不要です。

【Point】腐葉土で地表を覆って乾燥と花蕾の緑化を防ぐ

ミョウガは乾燥すると生育が悪くなるため、植えつけ直後、土の表面が見えなくなるくらい腐葉土で覆ってマルチングします。

腐葉土の代わりにワラや、もみ殻などでもよいでしょう。収穫前の花蕾に日が当たって、写真のように緑化するのを防ぐ効果も。

 

【8月上旬~9月下旬】花蕾の先端が見えたら収穫

1年目は8月ごろ、2年目以降は6〜7月に収穫を始められます。

地表に花蕾の先端が見えるかどうかのころが、収穫のタイミング。周囲の土を手で少し掘り、花蕾を探って付け根をハサミで切ります。とり遅れに要注意。

 

【10月下旬~11月下旬】腐葉土の散布で翌年以降の生育を促す

収穫が終わる晩秋、地表が見えなくなる程度に、株の周囲に腐葉土をまんべんなくまきましょう。土がフカフカになると同時に、養分も補給されます。

冬には寒さで葉が枯れますが、放置して大丈夫。

 

【Column】ミョウガのプランター栽培のポイントは?

地中で根株が太ると収穫量も増えるため、直径、深さともに40cm程度のプランターに1株植えます。

プランターの深さの半分ほど培養土を入れて根株を置き、培養土を約15cm足し入れ、腐葉土を2〜3cm敷いて乾燥と花蕾の緑化を防ぎましょう。

ポイントは培養土の選び方。「肥料が長く効く」と書かれているものは肥料過多で葉が茂り過ぎるので、一般的な野菜用培養土を選びましょう。

 

【ミョウガレシピ】ミョウガの炒め煮

ミョウガのさわやかさをたっぷり味わうレシピをご紹介!

ミョウガの炒め煮は、好みで一味トウガラシを振ってもおいしいですよ。そうめんや、うどんと食べるのもオススメです。

 

【材料】(2人分)

ミョウガ・・・9〜10個

サラダ油・・・小さじ1

めんつゆ(2倍濃縮)・酒・・・各大さじ1

白炒りゴマ・・・小さじ1

 

【作り方】

ミョウガは縦四つ割りに切る。

フライパンを中火で熱してサラダ油を入れ、ミョウガを炒める。少ししんなりしたら、めんつゆと酒を加え、水気がなくなるまで加熱する。

白炒りゴマを指先でひねりながら振りかけ、軽く混ぜて器に盛る。

 

ミョウガの栽培方法・育て方はいかがでしたか?
栽培ポイントをしっかりおさえれば、美味しいミョウガを収穫できるはず!

 

写真・万来舎・丸山滋/八木竜馬
イラスト/小春あや
構成、文、料理写真、料理監修/北村文枝

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「Pacoma」はホームセンター系のフリーペーパーに出自を持つ、「暮らしの冒険」がテーマのライフスタイル系Webマガジン。ノウハウ記事からタレントの取材記事まで「暮らしを楽しむためのアイデア」をテーマに日々発信しています。

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