『連続ドラマW 坂の途中の家』は全“夫”冷や汗タラリの家族ドラマ! 令和そうそう家族のあり方を問う

およそ地上波では放送し得ないエグいラインを毎回突いて、人々の記憶にこびりつく名作を放ち続けるWOWOWの最新作「連続ドラマW 坂の途中の家」は、“家庭に潜む究極の心理サスペンス”を掲げた衝撃作だった。すでに第1話が放送されたが、まさしく時代の転換期であるいま、令和元年そうそう端末の前でのけぞるほどの現代的なテーマ性で話題になりそう!

「連続ドラマW 坂の途中の家」の主人公は、専業主婦の里沙子。ある日、わが子を虐待死させた女性の裁判に補充裁判員として参加する。専業主婦の里沙子は当初、残酷な事件とわが子に手をかけた彼女に激しく嫌悪感を抱くが、裁判を経ていく過程で女性の心情に思いが至り、被告の人生と3歳の娘の母親という自分の人生がオーバーラップ。やがて里沙子は自分でも気づいてなかった、いや気づこうとしていなかった思いにブチ当たる。

裁判を経てフォーカスが当たっていく事象は事件そのものだけではなく、育児ストレス、夫との関係、義父母からの重圧、実母との確執など、専業主婦・里沙子自身の諸問題。この国に暮らすすべての母親が「ですよね!」とうなずきそうな苦悩のオンパレードで、そのすべてに里沙子は対峙していく。その様相は、ある意味「見たくもないもの」と評せるほどのリアリティーだが、それもそのはず、原作・角田光代、脚本・篠崎絵里子コンビに加え、里沙子役を柴咲コウがずっしりと熱演。“家庭に潜む究極の心理サスペンス”をじわじわと炙り出し、観る者の感情を揺さぶりまくる。

平成という時代が終わり、明るい未来の令和に時代が移り変わろうとも、子育てに疲弊している世の中の母親たちは、おいそれと弱音さえ吐きにくく、現実は何ひとつ変わっていないのかもしれない。そこには母親の葛藤だけではなく、子育てについて何がしかの悩みを抱ている家族にとっては共通の問題で、この「連続ドラマW 坂の途中の家」は、“家族であるということ”、“生きるということ”の意味を問う。頭ではわかっているものの、日常にかまけて考えてこなかった重大テーマを、WOWOWが突きつける!

全6話「連続ドラマW 坂の途中の家」は、毎週土曜夜10時放送。全国の家庭の中には、当り障りのない番組を観て当り障りのない会話を繰り広げ、無難に週末を終えている家族が少なくないかもしれないが、この「連続ドラマW 坂の途中の家」の登場でなかなかの修羅場と化すお茶の間も出るかもしれない。令和元年、勇気を出して家族の問題を見つめ直してみては?

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