SpaceXのCrew Dragonがエンジンテスト最終段階で発煙

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国際宇宙ステーション(ISS)と地上との往復手段の確立に向けて、着々とテストを進めるSpaceXだが、アメリカ東部時間4月20日のテストではなんらかの異常が発生したようだ。

フロリダ州ケープカナベラル空軍基地の敷地内施設で実施されたエンジンテスト中、施設周辺からは大量の煙が上がっているのが確認された。初期テストは正常に終了したが、最終テストにて異常が発生したようだ。

今回のテストは、万が一エンジントラブルが起きても、乗組員を乗せた宇宙船が安全に分離できるのを実証するものだ。次回のテストは6月に実施する計画だったが、これで延期になる可能性が高い。

・緊急事態のための安全テスト

BREAKING: #SpaceX Crew Dragon suffered an anomaly during test fire today, according to 45th Space Wing. Smoke could be seen on the beaches.

“On April 20, an anomaly occurred at Cape Canaveral AFS during Dragon 2 static test fire. Anomaly was contained and no injuries.” pic.twitter.com/If5rdeGRXO

— Emre Kelly (@EmreKelly) 2019年4月20日

ISSへのNASAの宇宙飛行士の輸送にはCrew Dragon Capsuleが使用される予定だ。今年3月の初フライトでCapsuleは、ISSとのドッキングを成功させて地球に舞い戻っている。同テスト成功は、SpaceXにとっての重要なマイルストーンとなった。

今回のテストでは、機体に備わっている8つのエンジンが発火しても、ロケットから宇宙船を分離できることを実証。乗組員の安全を守るために設計されたこの機能は、飛行中に緊急事態が起きた場合に使用される。

テストで用いられた機体が、前回と同じものだったかどうかは発表されていないが、6月に実施されるはずの分離テストでは、3月のテストのものと同じ、Crew Dragoのテストバージョンを使用することを計画していた。

発生した異常についてSpaceXは、パートナーNASAと協力して原因究明を進めるとのこと。なお、一連のアクシデントによるケガ人は出なかった模様。

・今年後半の有人飛行テストに影響か

2019年3月フライトでの機体回収SpaceXは、NASAと契約して宇宙飛行士の輸送手段を開発する民間企業2社のうちの1社。NASAは現在ロシアに頼っているISSに向けての打ち上げを、自前でまかなう公算だ。

ただ、開発計画は当初の予定よりも遅れており、SpaceXと競い合うもう1社、Boeingについても同じく計画が押している。

SpaceXは今年後半には2人の宇宙飛行士を乗せた打ち上げを計画していたが、それまでに事前テストが完了できるかは雲行きが怪しくなってきた。ちなみにBoeingについても、同社が開発するCST-100 Starlinerにて、今年後半に最初の有人飛行テストを実施する計画。

今回のトラブルがどの程度計画に影響を与えるかは定かでないが、問題が深刻であるとすれば、さらにスケジュールが遅れることになるだろう。

参照元:SpaceX Crew Dragon Capsule Suffers Anomaly During Engine Test/Space.com

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