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木造住宅の耐用年数は何年が適切なのか? -住宅を末永く維持管理して使うために-(小笠原正豊建築設計事務所)

木造住宅の耐用年数は何年が適切なのか?

今回は小笠原正豊さんのブログ『小笠原正豊建築設計事務所』からご寄稿いただきました。

木造住宅の耐用年数は何年が適切なのか? -住宅を末永く維持管理して使うために-(小笠原正豊建築設計事務所)

(2018.06.03 加筆修正)

(2018.09.23 加筆修正)

木造住宅の減価償却年数に疑問をなげかけつつ「住宅を末永く維持管理して使う」ためになにができるか考えてみました。

なぜ日本では「建物の価値」が低いのか

最近、近所の建売住宅が壊され更地になっていました。確か建設されたのはここ1年くらいのはずです。売却に際し建物が邪魔となって取りこわしたのでしょうか。それとも現在の建物が気に入らず建て替えするのでしょうか。理由はなんであれ、ほぼ新築の建物をこんなに短期間で壊してしまうのは、資源の無駄遣いでもったいない話です。

売地のイラスト

いらすとやさんのイラスト
「売地のイラスト」『いらすとや』
https://www.irasutoya.com/2016/02/blog-post_632.html

ニューヨークのブルックリンに住んでいた時に、築100年近いレンガ造アパートの一室をリノベーションしましたが、どんなに古い建物でも売買に値する価値がありました。今となってはこの価値が、建物そのものに対する価値か、立地の利便性から生じる価値か、はたまたまったく別の価値なのかはよく分かりませんが。。。

レンガ造アパート

また、数か月前ロンドンに行ったとき、White Cityの開発プロジェクト*1 を見学しました。これは、BBCの保有するロンドン南西部の敷地を再開発する大規模なプロジェクトで、オフィス・住宅・商業施設といったプログラムが混在するものです。アパートのモックアップもあり、なかなか住み心地もよさそうでした。

*1:「White City」『Television Centre』
https://televisioncentre.com/white-city

White Cityの開発プロジェクト

案内をしてくださった方に「どのような方が入居されるのですか?」と伺ったところ、「若い世代や外からロンドンに来た人々がほとんどですよ。でも昔からロンドンに住んでいる人にとっては、たとえ設備的に不十分であったとしても、近隣にある昔ながらのジョージアン・スタイルの建物の方が、圧倒的に価値が高いのですよ」との返答がありました。つまり、立地条件がある程度近いながらも、昔ながらの建物の方が逆に価値が高いわけです。(ジョージアン・スタイルの建物は天井高さが3m程度ありのびのびとした空間である利点は大きいですが。。。)

このように考えてみると「建物の価値」に対する評価が、日本と米英では異なると言えるかもしれません。自分でもはっきりと知らなかったので、「減価償却年数」と「耐用年数」の点から、再度「建物の価値」を調べてみました。

国税局によると

税務署のイラスト

いらすとやさんのイラスト
「税務署のイラスト」『いらすとや』
https://www.irasutoya.com/2014/12/blog-post_47.html

「建物の価値」について、国税局は税金徴収の点から指標を示しています。以下の減価償却資産の考え方では、時間の経過によって価値が目減りしていくことを前提としています。

事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。他方、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません。
国税局のHP 減価償却の概要より*2

*2:「No.2100 減価償却のあらまし」『国税庁』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm

国税局は様々な資産に課税するわけですが、その中で建物や建物附属設備に対して明記した表があります。

建物や建物附属設備に対して明記した表

主な減価償却資産の耐用年数(建物・建物附属設備)国税庁HPより
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php

住宅に関係する箇所を抜き出してみると

木造・合成樹脂造の場合:耐用年数22年
木骨モルタル造の場合:耐用年数20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の場合:耐用年数47年
レンガ造・石造・ブロック造の場合:耐用年数38年
金属造の場合:耐用年数19年~34年
電気設備:耐用年数15年
給排水・衛生設備、ガス設備:耐用年数15年

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