知らなきゃ損!賃貸リノベ物件のメリット・デメリット
どうもどうも、不動産ポータルサイトの編集長を務めているライターの丸野裕行です。
今流行っているリノベーション物件。家賃が安くて、キレイで、すごくお得とよく聞きます。「もう新築よりもリノベ物件でいんのでは?」と関心を持っている方も多いと思います。
でもその一方で、築年数が古い建物をリノベーションした物件に住むのは、「デメリットもあるのではないか?」 という方もいるでしょう。
今回は、その“リノベ物件の定義”とは何か、“住むメリットやデメリット”について解説していきたいと思います。
リノベ物件とは? リノベーションとリフォームの違いは?
そもそも“リノベーション物件”とは何かご存知でしょうか?
さらに、リノベーションとリフォームの違いやそれぞれの特徴について触れていきましょう。
リノベーションの定義
リノベーションとは、古い物件を“Re(再び)”“Inovation(生み出す)”という意味。
建物の基礎部分や構造を活かしながら、間取りと設備機能、配管や配線などを新しく見直することで新築よりも費用を抑えつつ、自由にお部屋をデザインすることができるのです。大きな規模で作り直してしまうという特徴があります。
リフォームの定義
一方で、リフォームは物件の原状回復という意味の言葉。壊れた設備を元に戻す、修理するなど、物件を新築の状態に戻すことを意味します。マンションなどでは、貸し出す前に汚れた壁紙の張り替え、破れたクロス張り替えなどの原状回復も“リフォーム”と呼びます。
賃貸物件情報の脇に「リフォーム済み」「リフォーム中」などの記載がある物件は、「原状回復しているので安心してください」という意味です。
リノベーション物件のメリットとは?
建物の中身が新築同様!
リノベーション物件は建物の枠組みを残しつつ、大規模工事で生活同線や設備などを改善してあるために、建物内部は新築並みの新しさなのが魅力です。
新築よりも家賃が安い
リノベーション物件は、築年数が経過しているので、新築や築浅物件よりも家賃が安めです。予算的に諦めなければいけない人気エリアでも、リノベ物件であれば予算通りに借りることが可能です。
大幅にリノベーションされた賃貸物件では、早く入居者を確保し、リノベ費用を短期間で回収したいオーナーさんが多いので、家賃交渉に応じてもらいやすいです。広々した間取りの部屋も手頃な価格で借りることができます。
デザイン性にもこだわっている!
新築物件やリフォームのみの賃貸物件は、入居者を選ばないシンプルなデザインになっていることが多いのですが、リノベ物件は、築年数が経過し、入居者の興味をそそるように施工してあるので、デザイン性が優れた物件が多いといいます。
若い入居者も満足できる高いデザイン性を引き出すために、空間デザイナーなどが着手する場合が多いです。
古民家や歴史の味わい深い建物も借りられる
見た目は古民家でも内部は最新式など、面白い物件が多いので、物件選びが楽しくなります。
味はあるのに、中はリノベーション済み……リノベーション物件はとても魅力的なのです。
リノベーション賃貸物件のデメリット
旧耐震基準であることが多いので注意!
リノベ物件は、築年数が20年以上も経過していることが多いです。これによるデメリットが耐震性。1981年以前に建築確認を受けた物件の場合“新耐震基準”を満たさない可能性があるので要注意です。
新耐震基準では、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しない、震度5程度の地震でも軽い損傷しか出ない設計になっていることが必須とされているので、旧耐震基準のみだと倒壊の恐れが出てきます。検査をしっかり受けているかどうか、確認する必要があります。
防音性に注意! 過去の造りを把握しておく
リノベーションの際に間取りなどを変更すると、防音性が損なわれる場合があり、リノベーション前には綿密に設計されていた上下階の設計も、リノベーションのせいで防音性が低下してしまうことがあります。
例えば、畳をフローリング仕様にリノベしたり、隣室の間にあった押入れやクローゼットを撤去したせいで起きる防音性能の低下も起きることがあります。
配管交換ができず、異臭が発生する場合も
リノベーションの際に配管交換がされていないと、築年数の経過によって異臭が発生することもあり、入居後に水回りトラブルが出ることがあります。
下水や水回りは建物の基礎部分の工事が必要で、交換できないことがあるため、古いままということがあるのです。
間取りや建物構造の問題が解消されていないことも
古い間取りの部屋は、コンセント位置がいびつだったり、生活しにくい間取りであることが多いので気をつけましょう。
部屋のキレイさも重要ですが、日常生活の小さなストレスに繋がりやすい部分は、できるだけチェックしておくことをオススメします。
チェックリストを作ってからリノベ物件を選ぼう
物件を見て回る前に、リノベ物件のチェックリストを作っておきましょう。
管理の履歴を調べる
賃貸物件であれば管理履歴を確認しましょう。一見してわかりずらいところにダメージがあるリスクがあります。
水道や下水を確認する
築古物件の最大の難点は、水道と下水です。キッチンやお風呂などの排水管に水を流した後の様子や水をためてから流したときの様子をチェックして、つまりがないか確認。
さらに、水道管のサビや下水の臭いがないかを確認しておきましょう。
機能面も確認、電気やガスの容量もチェック
キレイな内装や外装以外に、機能面のリノベーションを確認しておきましょう。
電気・ガスの容量は変更できないことがあるので気をつけましょう。
防音性は壁、床、天井をチェックしましょう
防音は壁のみでなく、床や天井もチェック。基礎のヒビや水シミ、構造に注意しましょう。
旧耐震基準の物件かどうかを調べる
前述の通り、補強工事や耐震診断をクリアしているかどうかを管理者に確認しましょう。
周辺エリアの住民の確認
マンションのリノベーションでは、近隣が事務所利用か共用スペースの活用はどうしているのかを確認しましょう。
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いかがでしたか?
キレイな賃貸物件を安い賃料で借りることができるリノベ物件はとても魅力的。しかし、築年数が経過していることを忘れてはいけません。そこをしっかりと理解したうえで、選ぶようにしましょう。
(C)写真AC
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