アイツら、マトモじゃない!環境保護テロ団体に襲われた漁師の告白!
どうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
2018年12月26日、日本政府は、約30年ぶりの商業捕鯨の再開に向けて、クジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明した。
古式捕鯨発祥の地として有名な和歌山県太地町の三軒町長は「代々捕鯨で生計を立てきた国内の漁業者を守るための高く評価したい決断」と歓迎しているのだが、一方で、グリーンピースやシーシェパードなどの反捕鯨団体による妨害への不安がある。
以前、妨害工作が過熱していたころには、連日のように、日本船のクジラ漁用の仕切り網を切断したり、スクリューに碇や浮子を括りつけたワイヤーロープを絡ませようとしたり、発煙筒や酪酸入りの瓶を日本船に投げつけたり、さらには船に乗り移ろうとしたりとやりたい放題。ついに在英の日本大使館に無断侵入するという事件も起こした。
一歩間違えれば大惨事になってしまうような環境テロ行為を未だに行い続けている。無関係な漁師たちまでも“日本船”というだけで襲撃してきた、悪名高い2団体。
これは、どんどんと過激になる襲撃行為に間違って巻き込まれた現役漁師・深草さん(仮名)の体験談である。その非道ぶりを身をもって体験し、5年ほど経った今でも思い返すと足が震えることがあるという。
水中時限爆弾で撃沈された船もある
告白者/深草保雄(仮名) 41才 和歌山県 漁師
(※ご本人の話を元に再構成しています)
“グリーンピース”の本部はオランダのアムステルダム。支部は世界45国にあり、世界全体でのサポーター(会費を払い活動を支援する会員)は290万人、うち日本は5,500人。そこから、77年に方向性の違いを訴えて独立したのが“シーシェパード”だ。どちらも世界的なブランドのスポンサーを複数持つ。
欧米で偏った報道を焚きつけて、寄付金・助成金集めをしている。
両団体はオレたちの住む和歌山県では、総スカンを食らっている。それは、オレたちの地元は捕鯨を伝統にしているからだ。
調査捕鯨を行うときや普通の漁のときでも、遠洋漁業海域で抗議船を停泊させて、ずっと待ち伏せていたりする。監視しすぎて燃料切れになり、敵視しているはずの近くの港の漁師に助けを求めてきたほどだ。言っていることとやっていることがどこか、ズレているのが奴らなのだ。
和歌山県沖では、離島も含めて、今もイルカ漁やクジラ漁を生業にしている漁師がいる。彼らは、風習・文化としていき方を変えるわけはない。ひっきりなしにヤツラはどこからともなくやってくる。
ある日、出航しようとすると、全長80mほどの船が海で睨みを利かせている。海上保安庁からも連絡が入っていた。
「ああ、あいつら、体当たりやら、ノルウェーじゃ水中で使える時限爆弾で相手の捕鯨船を撃沈したこともあるらしわ。あんまり、関わらんほうがええよ」
「そうやわ、アイツら寄付金やら活動費が減るのが嫌やから、派手なキャンペーン活動してるんや」
漁師仲間と話し合うが、漁に出ないわけにはいかない。幸いオレたちの船は遠洋漁業海洋トロール船。まさか、何もされないだろうと思って出航した後、ヤツらのクジラ漁掃討作戦に巻き込まれた。
放水攻撃が行える改造船
ミンククジラなどは、調査捕鯨の副産物であるが、ツチクジラは小型の漁船での捕鯨。昔ながらの追い込み漁をやっている。
オレたちは漁を終えて、帰り支度していた。帰港の途につくと、どうも空が騒がしい。見れば、ヘリが2機飛んでいる。海難事故でもあったのか、と思いきや、日本からそう離れていない海上で船同士が小競り合っている。な、なんや?
どうもシーシェパードらしき連中は複数のゴムボートで船団を組んで、一般漁船と思われる船を取り囲んでいるではないか。これは、ひょっとして! 日本の漁船よりも大きな例の監視船が、怒鳴る船員がしがみついた船体に体当たりしはじめた。
【ガシャシャ!!バリバリバリ!!】
ひょっとして海賊か? いや、恐らく環境保護団体。漁業共同組合の会長も操業時に注意喚起していた。
「違う、違う! おまえらの敵じゃない! 一般漁船だ!」
助けないわけにはいかない。オレたちの船はぶつかり合う船団に向け、舵を切った。瞬く間に、相手に気づかれたこちらの船は高圧の放水を浴びた。なんてヤツらだ。
ガリガリという音とともに、シーシェパード側の船をよく見ると、ドス黒い船体に缶切り状の鋼鉄武器が備え付けられた改造が施してある。あんなものとぶつかれば、ひとたまりもない。
それに、襲われている船の甲板に乗り込もうとしているではないか。もう逃げるしかない。
「おい、こちら前方の金光丸だ! 走れるか? 逃げないとやられる!」
響き渡る銃撃音
無線で襲われる船に指示を送り、なんとか、2隻の間に車体をねじ込もうとした。その甲斐あって襲われていた船が離れ、日本への航路を切った、その瞬間。
【パン!!】
乾いた音。最悪の事態だ。相手は、銃を撃っているようだ。
船の中の全員が蒼くなり、ワナワナと震えそうになりながら、全速力で日本に向けて、オレたちの船も舵を切った。
何ノットで飛ばしたか、覚えていない。しかし、日本の地を踏むまで生きた心地がまったくしなかった。
そのあと、海上保安庁へ通報したが、遠洋の海域での調査は難航。結局、誰がやったのか、わからずじまいだった。しかし、あのやり口、操業妨害の方法などを鑑(かんが)みれば、きっとシーシェパードに違いない。
その後、観光客としてこの地に乗り込み、漁具である捕獲網を切断して威力業務妨害で逮捕された。
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本家のグリーンピースは、世界中から反発を買い、活動も下火になったが、“シーシェパード”側は過激思想を強めてテロリスト化。船長である活動家のポールワトソンは、国際指名手配中だ。
調べてみると、何度となく、漁船に向けて発砲しているようで、警察の巡視艇に火を放とうとしたり、1993年には日本の漁船に実際に無差別発砲している事実もある。そして、南極海域でも調査捕鯨船への暴力行為も行った。
そして今回のIWC脱退の一件だ。
住民は「この和歌山に本格的に殴りこんでこないか、過激な反捕鯨活動が増えるんじゃないか」と表情を曇らせているし、オレたち漁師の不安のタネにもなっている。
(C)写真AC
※記事内の画像はイメージです
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