【interview】電子地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」とは?スマートロックと連携した「京銀コイン」体験展示など詳しい話を聞いてみた

最近静かな盛り上がりを見せている「電子地域通貨」。先日紹介した沖縄の喫茶店店長らが開発する仮想通貨発行アプリ「カウリー」のように、大企業が運営するSuicaのような大規模電子マネーではなく、特定のコミュニティで通用する電子マネー、店オリジナルの電子マネーなどが次々と登場している。

そういった独自の「電子地域通貨」に着目し、“電子地域通貨プラットフォーム”「MoneyEasy」というサービスを展開する、株式会社アイリッジの連結子会社である株式会社フィノバレー・代表取締役社長の川田 修平氏が、このたび取材に応じてくれた。

・「お金の地産地消」を目的とする電子地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」

Q1.電子地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」とは、どのようなサービスですか?

地域内でお金の循環を促す「お金の地産地消」を目的とした「電子地域通貨」を短期間で開始できる、決済プラットフォームシステムです。スマートフォンアプリを使って、チャージから決済までを可能にします。

支払方法としては静的二次元コード読取方式を採用しており、店舗側は二次元コードを印刷したチラシを置くだけで導入が出来ます。初期投資や手間がかからず、キャッシュレスの浸透しにくい地方の小規模店舗でも導入しやすいのが特長です。

Q2.「MoneyEasy」は、どのようにしてアイデアが着想され、開発が進められたのでしょうか。

2年程前、親会社アイリッジの主力事業であるO2O(Online to Offline=アプリから実店舗への送客支援)の事業拡張の一つとして、店舗での決済まで支援できると良いのではないか、という話が出たのがフィンテック事業の始まりです。

当初はバスの予約・支払い・乗車をスマホアプリで完結できる「BUSPAY」というサービスの提供からスタートしました。ちょうどその頃に飛騨信用組合さんが地域通貨をやるというお話があって、ご縁があり取り組みにジョインさせていただき開発したのが「MoneyEasy」です。

・京都銀行の長浜支店内に、「京銀コイン」のデジタル体験の展示

Q3.「NTTデータ」の運営する「BeSTA FinTech Lab」が、京都銀行の長浜支店内に出展するデジタル体験の展示において、御社が“スマートロックと連携した次世代電子地域通貨「京銀コイン」”のデモンストレーション展示を提供するとお聞きしました。今回のNTTデータや京都銀行との提携経緯や展示内容について教えてください。

当社は「BeSTA FinTech Lab®」と連携するコラボレータとなっています。今回、「BeSTA FinTech Lab®」が「デジタルゾーン」の企画提案をするにあたりパートナーとしてお声がけいただき、来訪する銀行利用者向けに提供する最新IT技術の一つとして企画・開発したのが「京銀コイン」です。

せっかくなら新しい要素を取り入れたいと思い、スマホで鍵の開閉ができるスマートロックを「MoneyEasy」と連動させ、京銀コインで決済デモをするとボックスの鍵が開いてノベルティを持ち帰っていただける仕組みを実装しました。

・「さるぼぼコイン」「アクアコイン」など、地域通貨を推進

Q4.今後の展開、展望があれば教えてください。

先日、岐阜県飛騨・高山地域の「さるぼぼコイン」において、飛騨市役所の窓口手数料支払い対応と電子地域通貨ユーザー向けの新電力プラン提供開始を発表しましたが、今後はこういった電子地域通貨を軸とした新しいサービスの開発や税金納付対応など、自治体の業務効率改善およびICT推進の支援を進めていく予定です。

木更津市と君津信用組合、木更津商工会議所の三者が連携する「アクアコイン」でも、行政ポイントやボランティアポイント、健康マイレージの導入など、新しいサービスの展開を検討しています。

特定の地域、特定のコミュニティで通用する地域通貨は、地域の魅力を再発掘し、住人同士の結びつきを強める効果も期待できる。地域活性のひとつの道筋となるかもしれない。(取材・文/鈴木 京)

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