【ツレヅレハナコの酒とグルメ旅】東伊豆の金目鯛&地酒に酔いしれる!
お酒とおいしいものを探し求める編集者・ツレヅレハナコさんの連載第3回目の舞台は、静岡県・東伊豆! 海辺の町ならではの魚介と地酒、地ビールを堪能します。「東伊豆の稲取といえば、金目鯛の産地。高級魚だけれど、地元ではどんなふうに食べられているのか興味津々」と言うツレヅレさん。おなかをすかせて東京から特急スーパービュー踊り子号に飛び乗り、東伊豆飲み食い倒れの旅へ……!
【行程】
がっつりいける! 地元で人気の肉チャーハン
静岡産の柑橘類を使った「みかんワイン」
しゃぶしゃぶに煮付け……金目鯛を食べる!
早起き必須! 釜めしの香りに誘われて、港の朝市へ
ローカル線で富戸駅へ。昼から地ビール三昧!
伊豆稲取の地酒をお供に、旅の振り返り
がっつりいける! 地元で人気の肉チャーハン
JR東京駅から伊豆稲取駅へは、特急スーパービュー踊り子号に乗って2時間ほど。踊り子号という名前だけで「伊豆っぽい!」とテンションも上がりますなー。列車が伊豆に入ると、車内アナウンスで「窓から伊豆七島が見えます」と流れるのも楽しい。東京からたった2時間と少しで、島が見えるような海辺に来られるのね。
有人改札のかわいらしい駅!
伊豆稲取駅へ到着! まずはランチに向かいます。地元の男性陣に絶大な人気を誇るボリューミーな名物ごはんがあると聞いて、おなかをすかせてきたのですよ……。
年季の入った看板! 店名の由来も気になる。(肉チャーハンを生んだ先代が、「カッパのごとき」水泳の名手と言われていたからとのこと!)
伊豆稲取駅から徒歩10分ほど、こちらがお目当ての店「かっぱ食堂」! 一見、喫茶店のようですが、れっきとした食堂。ちょうどランチタイムだったこともあり、近隣で働く皆様が、あっという間に列を作ります。私がメニューも見ずに注文したのは「肉チャーハン」。チェックすると、私以外のお客さんも全員、肉チャーハン一択でした。
喫茶店風ですが、コーヒーを飲んでいる人はいなさそう(笑)
ババーン! ご覧ください、この小山のようながっつり具合。
きゃー! 破壊力のある、がっつりビジュアル!
チャーハンといっても、ごはんの上に肉野菜炒めがのった、少し変わったビジュアルなのです。福神漬けがついているのも珍しい~。年季が入ったお皿の「かっぱ食堂」というロゴに萌えるわ。
一合はありそうなごはんにスプーンを入れると、シンプルな卵チャーハン! なるほど、この部分がチャーハンなのか。上に乗る野菜炒めには、その名の通り肉がごろごろと入って、甘辛だれがたまらない……。むむー、これは確かにめっちゃおいしいわ。シャキシャキの野菜にもごはんが進むたれがかかり、予想に反して食べきれてしまう自分が恐ろしい……。ちなみに同様のメニューを扱うお店が近隣に何軒かあり、それぞれ個性があるそうです。
静岡産の柑橘類を使った「みかんワイン」
伊豆稲取駅前から東海バスに乗って10分ほど行ったところにあるのが「伊豆太陽農協みかんワイナリー」。柑橘王国の伊豆らしいワイナリーですねー。
もちろん、看板もみかん色でお待ちしております!
普段は試飲と販売がメインだそうですが、ちょうど瓶のラベル貼りをしていたので見学させていただきました。こちら、個人は不要ですが、団体は予約必要とのこと。
一本ずつていねいに手貼りされるラベルたち
試飲コーナーへ行くと、商品がズラリ! 静岡産のみかんやニューサマーオレンジなどを使ったお酒だそうで、ワインのほかリキュールなどもある。
試飲・販売コーナー。試飲に訪れるお客さんもひっきりなし!
さっそく試飲を! まずは「みかんワイン」の甘口と辛口からいただきます。ぶどうと違って皮を取り除いて醸造するワインで、たしかにひと口飲むとみかんの香りが広がる~。甘口が人気だそうですが、酒飲みの私はドライな辛口が好みだなあ。苦みの効いたニューサマーオレンジのリキュールは、食前酒にぴったりかも。
左の2本がみかんワイン(甘口・辛口)。ニューサマーオレンジリキュールも人気!
しゃぶしゃぶに煮付け……金目鯛を食べる!
再び東海バスに乗り伊豆稲取駅まで戻り、駅近くのホテルにチェックイン。ホテルで早めの夕食を軽く食べてから休憩。少しゆっくりした後、お酒を求めて、地元で人気の網元料理「徳造丸 魚庵」へ。中心地から車で10分ほどと少し離れているので、タクシー移動がオススメです。創業者は、金目鯛漁をなりわいとした漁師さんだったそう。よーし! 金目鯛も食べるぞー!
巨大な金目鯛がお出迎え!
広い客席に通していただき、さっそく伊豆のレモンがたっぷり入ったレモンハイボールを。わー、これはたまらんね! おかわりしてもグラスの中の果肉(レモン)をキープできるので、3杯目くらいからよりおいしくなるそうです。
モリモリに入ったレモンにテンションも上がるハイボール!
まずは、気になる「ぎんでぇメンチ」なる金目鯛入りの揚げものを注文。揚げもの、ハイボールに合いそうですもんね! 揚げたてアツアツで出てきたのは、魚のすり身に煮付けた金目鯛の身をほぐしぜいたくに入れた、さつま揚げのような揚げもの。フライかと思っていたので意外でしたが、ハイボールにはばっちりー。
なめらかなすり身には、金目鯛がたっぷりと!
金目鯛を食べ尽くすならとオススメされたのが「金目鯛彩り三膳」。金目鯛の姿煮、金目鯛のしゃぶしゃぶ、刺し身2点盛りに、ごはんがセットでつきます。最初にやってきたのが、金目鯛のしゃぶしゃぶ。専用の鍋にだしが入り、そこに切り身を入れてしゃぶしゃぶします。
しゃぶしゃぶしやすいように薄く切られた金目鯛!
金目鯛といえば煮付けのイメージがあるけれど、こちらではしゃぶしゃぶ推しなのねー。伺った11月初旬は、まだサッパリめの脂の乗りでしたが、「冬になるとより脂が乗って、ますますしゃぶしゃぶ向きになりますよー」とスタッフさん。
「しゃ~ぶしゃ~ぶ」と口に出してどうぞ
こうなってくると日本酒ですね! というわけで地元のお酒「白隠正宗」の特別純米酒を。うまみがある飲み口で、魚介にはぴったりのお酒。
魚介によく合う地元のお酒「白隠正宗」を冷やで!
お刺し身をいただいてから、ついに金目鯛の姿煮が登場! 高価だけに切り身で出されることが多い金目鯛ですが、やっぱり姿煮でいただきたいですよねー。しっかりめの甘辛煮汁は、代々受け継がれる「秘伝の煮汁」として、直売店で販売されている人気商品だそう。確かに、この煮汁でイカとか炊いてもおいしいはず……。日本酒が進む絶妙な味付けは、さすが創業から93年続くお店の伝統!
これこそ伊豆稲取の金目鯛姿煮でございます!
セットのシメにはごはんとお吸い物が出てくるはずですが、ホテルで夕食を軽く食べてきたので、今回は涙をの(呑)んでパス! もうひとつ胃袋が欲しかった……。ちなみに、通常こちらで出されるのは「くちなし」の実で色付けした「黄飯ごはん」。このあたりでは、昔からお祝い事には欠かせない郷土料理で、鮮やかな黄色が特徴だそう。それにしても、しゃぶしゃぶからデザートまでついて3500円の金目鯛彩り三膳セット。名産地ならではの価格なんだろうなあ。ごちそうさまでしたー!
この日は満腹でホテルに戻り、パタッと就寝。さー、明日も張り切って飲み食いするぞ!
早起き必須! 釜めしの香りに誘われて、港の朝市へ
大きな看板が目印です
2日目はがんばって早起き! なぜなら「港の朝市」があるからなのです。毎週土・日・祝のみの開催で、朝8時から12時頃まで。会場は、港からすぐの東伊豆町役場庁舎駐車場。宿からてくてく歩いて5分ほどで到着~。
ブースいっぱいに広げられる地元の名産品に目移り!
私が着いたのは9時過ぎでしたが、もうワイワイにぎわってる! まずは目の前で搾ってくれるみかんジュースをいただきます。うーん、目がビシッと覚める、フレッシュなおいしさ……。
毎朝飲みたいくらいおいしいみかんジュース
もちろん魚介の干物も売っているし、地元でとれた野菜や生芋から作ったこんにゃくなどもズラリと並びます。地元の人も多く来ていて、みんな楽しみにしているんだろうな~。
金目鯛はもちろん、アジやみりん干しも!
にぎわっていたのは、「金目鯛の釜飯」コーナー。私は安定の二日酔いで食べられないのですが、物欲しそうに周りをうろうろ……。ほほー、その場で一釜ずつ炊き上げるんですねー。
湯気を上げる釜飯たち。どんどん炊き上がりますよー!
干物を焼くコーナーもあり、釜飯のおかずとして買っている人もたくさん。アジや金目鯛の干物、このシチュエーションで食べたら最高だろうな。炭火で魚を焼いてくれるというのが、なにより魅力的!
手際よく炭火で焼かれていく地元産の干物たち
これまた年季の入った看板には「あら汁無料」! 思わずいただきそうになったけれど、すごい人だったので、釜飯を食べている皆さまに譲って遠慮しました。この組み合わせ、間違いなさそう。次回こそ食べるぞー。
「無料」という言葉に弱いのは、古今東西変わらない……
ローカル線で富戸駅へ。昼から地ビール三昧!
お次は、伊豆稲取駅から伊豆急行に乗って富戸(ふと)駅へ。のんびりとことこと30分ほどの列車旅となります。特急もいいけど、ローカル線も好きだ!
駅前にタクシーはいないので、電話で呼び出します
お目当ては「伊豆高原ビール本店」。富戸駅からタクシーを呼び、5分ほどで到着~。こちらには、数種のオリジナル地ビールを楽しめるレストランがあるのです。
でっかい海鮮丼の看板が目印!
まずは「大室」というケルシュビールから。ドイツの古都ケルンで受け継がれる醸造法をベースに造られたビール。苦み少なめで、飲みやすそう!
ビールですが、かなり飲みやすい!
さー、おつまみはどうしよう。こちらは伊豆ならではの山盛り海鮮丼が名物のお店なのですが、昨日たくさん魚介を食べたしなあ……。
ほとんどの人が頼んでいる、山盛りの名物海鮮丼
というわけで、あえてのソーセージ3種盛り! あんまり頼んでいる人はいないようですが、ビールに合うのは間違いなし。マスタードをつけてかぶりつきつつのビール。たまらん。
ビールにはソーセージ派ですいません!
2杯目に頼んだのは「天城」というアルトビール。茶色いのは、大量に使用するローストしたキャラメル麦芽によるものだそう。先ほどの「大室」に比べるとホップの苦みが強まって、よりビールらしい味に。
種類によって色も違い、飲むのが楽しい地ビール
こうなると、揚げものが食べたいわー。メニューを見ると「まぐろほほ肉のフライ」なるものが……。即オーダーしてやってきたのは、ボリュームたっぷりの一皿。サクサクの衣に肉厚なほほ肉のコントラストが効いております。ホント、牛肉みたい!
まるで牛肉かのようなボリュームの、まぐろほほ肉のフライ!
シメに飲むなら、やはり黒スタウトビール! 1998年に伊東市で開かれた日露首脳会談を記念して造られたビールだそうで、スタウトにしては軽い味わい。あまりビールを飲んだことがない人にも飲みやすそう。
あっさり系の黒スタウト。昼にぴったり~
伊豆稲取の地酒をお供に、旅の振り返り
はー、食べた飲んだ……。
帰りは、富戸駅から伊豆急行で伊豆高原駅へ、特急スーパービュー踊り子号に乗り換え約2時間、東京駅着です。
その夜は自宅で、伊豆稲取で購入した静岡の地酒をいただきました。一本は沼津「白隠正宗」の誉富士純米。静岡県の酒米「誉富士」を使用したお酒で、フレッシュかつ渋みのある味が好みだなあ。もう1本は袋井「國香」の純米吟醸。静岡酵母で醸すお酒で、秋上がりらしい、落ち着いたしっかり加減!
静岡の地酒を堪能できました!
静岡のお酒は、これまであまり飲む機会もなかったけれど、またおいしいものを飲み食いしにおじゃましたいなあ……。そんなことを思いつつの晩酌となりました。
【全5回 連載】ツレヅレハナコの酒とグルメ旅
第1回:絶対に外さない秋田の名店酒場へ
第2回:庄内野菜と旨い酒を、ツレヅレハナコがご案内!
第3回:【東伊豆グルメ旅】金目鯛&地酒…ツレヅレハナコ流伊豆の楽しみ方
第4回:1月公開予定
第5回:2月公開予定
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