食欲のない猫にはナニが正解? おやつは必要? 獣医さんが教える長生き猫ごはん

ヤッホー! ヤーマンだよ!
山と溪谷社の営業部員のヤーマンだよ。

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どんな食事をしたら猫が長生きするか、考えたことはあるかな? 人間の“食事”と“長生き”が切り離せないのと同じように、猫もご飯が大事なんだ! 僕の知り合いの『猫のための 家庭の医学』(山と溪谷社)を出版したベテラン獣医師・野澤延行先生が、猫のご飯と長生きについて教えてくれたよ。野澤先生は東京都・西日暮里で動物病院をやっているんだけど、猫にも詳しくて“ネコ先生”なんて呼ばれているんだ。

先生、どんな食事をする猫が長生きしますか? 

ネコ先生: 猫の食で重要なことはずばり「よく食べること」、この一言につきます。もう、人間のご飯を横取りしちゃうくらいがいいですね。高齢になってもしっかり食べることが長生きの秘訣です。

――これを食べておけば大丈夫! っていう食事はありますか? 

ネコ先生: 以前出版した『ご長寿猫に聞いたこと』(日貿出版社刊)で18歳以上の猫約100匹の飼い主さん達に調査したところ、健康的なフードを食べる猫もいましたが、チープなキャットフードを食べる猫もいて、食べ物については様々だったんです。でも、共通点はとにかく「よく食べる」ということでした。なので、これさえ食べていればOKというのはなく「よく食べる」ということが大事です。たとえば、ネコ風邪が侮れないのは、鼻が利かなくなって食欲が落ち、3~4日食べない日が続くと衰弱してしまう危険もある。そのように弱った時でも食べることができることが、長生きにつながると私は考えています。あと、食欲がない時に食べてもらうには切り札になる好物を知っておくことがコツになります。好物が分からず困ったら、とりあえずサーモンとかホタテがおすすめです。

――なぜ、サーモンとホタテがおすすめなんですか? 

ネコ先生: 私の経験上ですが、食べた時の食感が好きなんだと思います。冷凍タイプとか缶詰タイプとか好みはあると思いますが、どれでもいいのでとにかく与えてみてください。好物があれば、体が弱った時でも食事をすることでカロリーを摂り入れて体力が回復します。それがダメなら栄養剤を流し込むしかない……というくらい好物を知っておくのは重要です。20歳を過ぎても貪欲に食べる子は強いですね。

ほんとのところ、猫におやつは必要なんですか? 

ネコ先生: 添加物の多いおやつやフードは基本的にはいらない、と私は思っています。もしおやつを与えるとすれば、魚や鶏肉などの添加物のない食材を茹でたりして、普段の食事に加えてあげてください。調味料や増粘剤、保存料が極端に多いものは身体に悪いので避けましょう。夏を超えても腐らないものは、危ないと思って下さい。

毎日食べるキャットフードはどうやって選ぶのがいいんですか?

ネコ先生: まずは、愛猫が毎日食べているフードのパッケージの原材料表記を見てみましょう。パッケージを裏返して見てみてください。原材料に「肉類」とか「家禽類」と書いてはありませんか? もし書いてあったなら、それは実は「4Dミート」と呼ばれるくず肉や内臓、死肉といった廃棄物同然のものが入っている可能性があります。なので、「牛肉」や「七面鳥」など具体的な名前が書いてあるものを選びましょう。

――くず肉が入ったようなものを売っているなんて……なぜでしょうか? 

ネコ先生: それは、日本においてキャットフードなどのペットフードは「食品」ではなく「飼料」に分類されていて、規制がゆるいからです。例えば添加物は、人間が食べる「食品」であれば432種類を超える規制があるのに対し、ペットフードはたったの4種類だけ。猫に有害な添加物が無法状態になっています。人間が口にする牛や豚といった畜産関係の「飼料」であればもう少し制限されていますが、ペット用は人間が食べないから規制があまりされていません。

ネコ先生: キャットフードは、「ヒューマングレード」や「ナチュラルフード」などと呼ばれる安全性に優れたプレミアムフードが良い食事と言えます。本書でも詳しく触れていますが、人間が食べても大丈夫なくらい安全性に配慮された原材料や成分になっています。現在キャットフードの質的向上が図られ、プレミアムフードの市場も拡大しています。大体、お店のペットフード棚の半分くらいの割合で置いてあるのではないでしょうか(※購入場所により異なります)。今度キャットフードを購入する際は、パッケージの原材料表を確認してみて下さい。毎日食べる食事のことですから、真剣に考えましょう。

猫版、家庭の医学を読んでみて

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猫のご飯と寿命の関係、勉強になったなあ。猫のご飯の詳しい話をもっと知りたい方は、ネコ先生こと野澤延行先生が出版した『猫のための 家庭の医学』を手にとってみてね。また本書では、「猫の病気」についてもたっぷり解説しているよ。病気の早期発見から高齢期のケアまで、飼い主さんと猫の不安を少しでも解消できるように先生が解説しているんだ。

どうか1匹でも多くの猫が、健康で長生きできますように。

『猫のための 家庭の医学』
(山と溪谷社)

著者 :野澤延行(動物・野澤クリニック)
定価 :(本体1,600円+税)
発売日:2018年5月25日
ISBN978-4-635-59044-0

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