リストバンド型活動量計のシェアは堅調 『Fitbit Charge 3』を発売したFitbitに聞く市場動向とFitbit OSの今後

フィットビット・ジャパンは、リストバンド型活動量計の新製品『Fitbit Charge 3』の発売日となる11月6日、アプリ開発者とユーザーを集めたカンファレンス『Fitbit Developers and Users Conference 2018 Autumn in Kyoto』を開催しました。ガジェット通信は、このために来日したFitbit副社長兼アジア太平洋地域事業部長のスティーブ・モーリー氏を取材。リストバンド型活動量計の市場動向やFitbit OSの今後について話を伺いました。

関西はゲーム関連の開発者コミュニティに期待

――過去に2回、東京で『Fitbit Developers and Users Conference』が開催され、今回は関西で開催されたことに驚きました。日本の開発者コミュニティの規模はそれだけ大きくなっているということなのでしょうか。

モーリー氏:これまでアジアやヨーロッパの様々な地域でカンファレンスを開催していますが、いい結果が出てきています。クロックフェイスやアプリの開発において、東京は世界のトップレベルに成長しているのではないでしょうか。

今回、京都で開催した理由は次の3点です。まず、京都や大阪はゲーム産業やゲーム関連産業が活発です。そこで、開発者のコミュニティも活発であろうと考えました。

もう一つは、関西にビジネスパートナーやサプライヤーがいること。最後は、京都は紅葉がすばらしい時期だということです。

――日本の開発者が作ったクロックフェイスやアプリで印象に残っているものはありますか?

モーリー氏:個人的には、アレグロスマートが『Fitbit Versa』向けに開発したストレスマネジメントのアプリが好きです。シンプルでありながら、Fitbit OSのパワーを感じます。

参考記事:
会場は京都! 『Fitbit Charge 3』お披露目と開発事例の発表が行われたFitbitの開発者&ユーザーカンファレンスレポート
https://getnews.jp/archives/2094357

リストバンド型活動量計のシェアは堅調

――『Fitbit Versa』『Fitbit Ionic』といったスマートウォッチの開発者コミュニティが成長しているのに対して、今回はリストバンド型活動量計の新製品『Fitbit Charge 3』が発売されました。スマートウォッチとリストバンド型活動量計は、今後もそれぞれ新しい製品が開発されていくのでしょうか。

モーリー氏:『Fitbit Charge』シリーズは、累計で3500万台が販売された、世界で最も成功したリストバンド型活動量計です。『Fitbit Charge 3』は小さくエレガントなフォームファクター(形状、サイズ)で、スマートな機能を持つベストな製品と言えるでしょう。

リストバンド型活動量計とスマートウォッチではユーザーが異なることは明らかです。ユーザーはフォームファクターを選びたいと考えています。より小さなデバイスがよいという人もいます。

IDCの調査によると、スマートウォッチの市場は2018年から2022年にかけて22%という大きな成長が期待されていますが、リストバンド型活動量計の市場も1%と、堅実に成長していく見込みです。

GFKの調査によると、オーストラリア、イギリス、日本、シンガポール、スペインなどの主要な市場で、リストバンド型活動量計が売上の大半を占めています。特に日本は、イギリスの65%に次ぐ60%と、世界で2番目にリストバンド型活動量計の市場が大きい国となっています。

『Fitbit Versa』の成功を受けてFitbitはスマートウォッチ市場のシェアで世界2位になりましたが、スマートウォッチとリストバンド型活動量計の両方あることが必要だと考えています。

Fitbit OSの今後

――スマートウォッチではFitbit OSのアップデートにより追加された、女性の健康状態をトラッキングできる機能が、『Fitbit Charge 3』でも利用可能になっています。この機能はどれぐらい利用されているのでしょうか。

モーリー氏:まず、4500万人以上のユーザーがこの機能を追加しています。このうち、3600万人のユーザーが最低1サイクル分の月経周期を入力し、800万人が過去にさかのぼった月経周期を手動で追加しました。アプリから日々の健康状態が記録できるのですが、トータルで1600万件の健康状態が記録されています。

――スマートウォッチ製品と『Charge 3』では、今後睡眠を記録する機能も充実させることが発表されています。どのような機能がいつごろリリースされる予定なのでしょうか。

モーリー氏:『Fitbit Ionic』『Fitbit Versa』『Fitbit Charge 3』が搭載する相対SpO2センサーにより、血液酸素レベルの変化を予測したり、睡眠時無呼吸症候群などの健康指標をトラッキングできる可能性があります。これはFDA(アメリカ食品医薬品局、Food and Drug Administration)の承認を受ける前の段階で、ユーザーエクスペリエンスをどのようにしていくか検討しているところです。

――非接触型決済機能の『Fitbit Pay』は、まだ日本では利用できません。いつごろ利用可能になる見通しなのでしょうか。

モーリー氏:『Fitbit Pay』は全世界14か国、40行の銀行と提携しています。日本でも2020年には対応して、オリンピックに訪れたユーザーが『Fitbit Pay』で決済できるようにしたいですね。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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