パイナップルみたいなコーヒー? キーコーヒーから爆誕した世界初の新加工技術『KEY-POS』の秘密を開発担当者に聞いてみた

key-pos_vol1_0

キーコーヒーが昨年11月に発表した、コーヒーの“香り”と“味わい”が向上するという世界初の新加工技術『KEY Post-Harvest Processing』(以下『KEY-POS』)。こちらを使ったコーヒーが製品化されるという発表のプレスリリースに、気になる文言を発見しました。「パイナップルのようなフレーバーのコーヒーが実現しました」というのです。ちょっと何を言っているのか分からないので、キーコーヒーの開発担当者に話を聞いてみました。

取材に応じていただいたのは、キーコーヒー マーケティング本部 R&Dグループ RC設計チームリーダーの阿部祐美子さん。気になるコーヒーの味について聞く前に、開発の背景からお話を聞いてみます。

――『KEY-POS』はどれぐらい開発期間がかかった技術なのでしょうか。

阿部:船橋にある開発研究所とキーコーヒー本社、そしてインドネシアのトラジャで2014年から4年かけて開発してきました。

――トラジャの農場は昨年、プレスツアーに参加して取材させていただきました。あそこでも開発が進んでいたのですね。

参考記事:
【インドネシア・コーヒーの旅】あの『トアルコ トラジャ』の農場でコーヒー豆の収穫と生産工程を体験してきました
https://getnews.jp/archives/1893068[リンク]

――『KEY-POS』とは、いったいどういう加工技術なのでしょうか。

阿部:インドネシアのトラジャにおいて“チェリー”と呼ばれる赤く熟したコーヒーの実は、通常は収穫直後に脱肉することが原則です。チェリーは収穫と同時に経時変化が進んで腐敗が始まるからです。一方、チェリーの状態で“ある”加工をするのが『KEY-POS』の技術で、これが世界初の加工技術になります。

具体的には、チェリーを0℃以下の凍り始める氷温の状態で貯蔵する“氷温熟成”で、コーヒー豆の成分量を増加させています。

――味はどう変わるんですか?

key-pos_vol1_2

阿部:ほら、『KEY-POS』加工することで、赤かったチェリーが黒く変化するんですよ。

――いや、見た目じゃなくて味はどう変わるのか……

阿部:コーヒーはその成分、つまりショ糖、遊離アミノ酸、有機酸で香り、酸味が出るのですが、それが増えるということは、一般的にはコーヒーの力が増すということなんです。焙煎後の味と香りが増えるイメージですね。

――それで、どんな味になるんです?

阿部:それはちょっと……。

肝心なところで歯切れが悪くなる阿部さん。「パイナップルのようなコーヒー」につながる情報は得られませんでした。

key-pos_vol1_3

阿部:9月26日から東京ビッグサイトで開催される『SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2018』で『KEY-POS』を使って製品化したコーヒーをお披露目するので、そちらで飲んでみてください。「おおっ」と言っていただける味になっていると思いますよ。

『SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2018』開催概要
日時:2018年9月26日(水)~9月28日(金) 10:00~17:00 ※最終日は16:00まで
会場:東京ビッグサイト 西3・4ホール

見事にはぐらかされてしまいましたが、一般にお披露目されるSCAJの前に情報をつかむことはできないものか……。トラジャ取材でお世話になった、トアルコ・ジャヤ社 生産担当取締役の吉原聡さんにメールで聞いてみることにします。続報をお待ちください。

  1. HOME
  2. グルメ
  3. パイナップルみたいなコーヒー? キーコーヒーから爆誕した世界初の新加工技術『KEY-POS』の秘密を開発担当者に聞いてみた

shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。