“東大コンビ”が、社会人として成長するまで ――研究者の知恵を広く社会へ届ける「株式会社アカリク」創成記

“東大コンビ”が、社会人として成長するまで ――研究者の知恵を広く社会へ届ける「株式会社アカリク」創成記

東大の同級生だったふたりはなぜ、今も一緒にアカリクで社会の課題と戦っているのか

経営企画部にて会社全体を見ている畠野拓人と、イベント事業部全体のマネジメントをこなす中村光宏。アカリクを創業当時から支えてきた東大コンビが、自分たちの社会人の歩みとともにアカリクのこれまでとこれからを語りつくします。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

東京大学文科三類、塾講師のアルバイト、バンド活動と続いた不思議な縁

▲アカリクの「東大コンビ」こと、畠野拓人(左)と中村光宏(右)

アカリクの創成期からあらゆる業務を経験し、2018年現在は、経営企画という立場で会社全体を見ている畠野拓人(2009年入社)。大学院生(修士・博士)、大学院出身の社会人、ポストドクター、研究者向けの合同企業説明会を企画運営するイベント事業部のマネジメントを手掛ける中村光宏(2011年入社)。

このふたりはアカリクの“生き字引”と呼ばれる存在です。ともにアカリクの基盤を支えるふたりの出会いは、学生時代にさかのぼります。

畠野 実は大学の同級生なんです。ふたりとも東京大学文科三類。1年の語学のクラスで僕はドイツ語、中村はフランス語と別々だったため、同じキャンパスにいたものの大学内での関わりはほとんどなかったんですけど。

中村 塾講師のアルバイト先に畠野がいたんですよね。ある塾講師の先生が『ものすごい資料をつくってくれる先生がいる』と言っていて、それが畠野だったんです。第一印象は『よくわからないけど面白い人』。不思議と興味をそそられるんです。知り合ってしばらくしてから一緒に遊ぶようになりました。

そして、畠野がキーボード、中村はベースの演奏ができるということで、ふたりは共通の知人とともにバンド活動をはじめます。スタジオでのセッションが終われば、居酒屋で音楽について深夜まで語り合う。ふたりの関係は大学の同級生、アルバイト先の友人から、より深いものになっていきます。

しかし、いずれかの段階で卒業後の道を選ばなくてはならない学生時代。大学院に進んだ畠野は自分が研究を続けるべきか選択を迫られます。

畠野 修士1年の時から博士課程に進むべきかどうか悩んでいました。やっと就職をする決心がついて、就活をスタートしたのが修士2年の春頃。そんな時に、本郷三丁目の駅看板でアカリクのことを知ったんです。

教育学部出身である畠野。思いはいつしか、「教育」という観点から「才能をどう開花させるか」に対する興味へ変化していきました。

そこで実際に活躍している才能あるクリエイターと呼ばれる方々を対象にインタビューを行ないます。そしてその分析・研究を進めていくうち、彼らのキャリアの選択肢が非常に少ないことに気づくのです。彼らのように尖った才能を持った人が意欲や能力で正当に評価され、活躍できる世の中になるために自分も何かできないか。畠野の思いは募ります。

畠野 当時、私が所属する研究室や所属のコースにいたポスドクの方の話です。彼らはとても優秀なのにキャリアの選択肢があまりに少ないと嘆いていたんです。そんな姿を間近で見ていましたので、院生の就活に特化しているアカリクの事業にとても興味を持ちました。

「自分の専門性で食べていく」という点で、研究者はクリエイターと変わらないんです。クリエイター支援と研究者の就職サポートも変わらない。「アカリクで自分のやりたいことと同じことができる!」と思い、自分からアカリクに乗り込んでいきました。

 

大学院からの勇退、自分探しの旅を経てアカリクのビジョンに共鳴した同志に

▲畠野からタイ旅行のお土産でもらったTシャツを着る中村

一方の中村は大学に6年在籍し、卒業後はフリーターとして「自分探し」を続けていました。

中村 そんな私を見かねた畠野がアカリクでのアルバイトに誘ってくれたんです。さすがにもう働かないといけないとも思っていましたし、純粋にアカリクの事業が面白そうだなと思って働きはじめました。

中村自身は大学院生ではありませんが、博士学生の先輩たちがキャリアの選択肢が少なく、将来を考えて思い悩んでいる姿を目の当たりにしていました。だからこそ、院生の就活に特化していたアカリクのビジョンに強く共感したのです。

アカリクでアルバイトとして働いているうちに、アカリクの一員として社会人の一歩を踏みだしたいと強く思うようになりました。そうした思いから真摯に日々のアルバイト業務をこなす中村の努力が認められ、正社員登用のオファーがくるのです。

中村は正社員になる決意を固め、2011年に入社します。畠野がアカリクに参画して2年目の出来事でした。こうしてふたりは再び同志として働きはじめるのです。

当時のアカリクは社員数が10人規模の創業期。研修制度やOJTの仕組みもまだ整っているとは言えず、とにかくやってみるという現場で、ふたりは必死に仕事をこなしていきます。小規模のスタートアップでは社員一人ひとりに与えられる役割は大きく、「院生の就活に特化していたアカリクのビジョン」に共感したふたりにとってそれこそが醍醐味でもありました。

「今のシステムじゃまずい!」経営に直談判した「新システム」構築

▲畠野が導入した新システムが、中村のイベント事業を飛躍させた

アカリクの成長とともに、東大コンビは社会人として成長していきます。

畠野 「アカリクWEB」のウェブ事業に加えて、会社がイベント事業に注力しはじめた時期に私は営業もやっていたんですが、イベント営業のこととクライアントとなる業界のことをわかったうえで、システム導入に少しずつシフトしていきました。

アカリクが順調に成長し、さらなる拡大を目指した時に、そこに大きな壁が立ちはだかります。理念を理念に終わらせず、会社としてより多くの大学院生の就活をサポートしていくために、新たにはじめたイベント事業をさらに飛躍させたい。しかし、当時は社内のシステムが整っていない状態でした。

イベントシステム構築が急務だったこともあり、インターンを募るなどしてその場を何とか切り抜けましたが、本格的にシステム構築のためのエンジニアを募集する必要が出てきたのです。

中村 僕は営業担当で、畠野がやっていたシステムづくりを外側から見ていたわけですが、会社として「これだけの規模でイベントを開催したい」という目標を掲げたときに「今のシステムじゃまずい」と畠野が経営に持ちかけていたのを覚えています。畠野ってここぞというときに底なしの力を出してくるんですよ(笑)

畠野 社内でちゃんとエンジニア対応をしようと、システム準備に入っていったのは私たちでした。イベントを全部アナログでやっていくのが厳しいのはわかっていましたから。

自分はエンジニアではない運用側からの計画を受けて、システム構築のためにエンジニアとの橋渡しをしていく役割を担いました。これは自分を大きく成長させてくれた出来事だと思っています。

こうして、畠野が営業とエンジニアをつなぎ、アカリク独自のイベントシステムが出来上がりました。このシステムの存在があったからこそ、イベント事業部が花開くことができたと言っても過言ではありません。

中村 畠野が用意してくれたイベントシステムのおかげでイベント事業が軌道に乗り、各イベントの責任者も任せてもらえるようになりました。これが自分にとって大きな成長につながったと思っています。

裏を返せば全部自分でやる、若手でもやってみるということですが、何もなく手探りだったわけではなく、会社に守られてるからこそ、自由にがむしゃらにできたように思います。

こうして、ふたりはアカリクの基盤を構築する立役者となりました。

2018年4月、畠野はオンライン LaTeX 編集サービスCloudLaTeXのマネージング、顧客管理システム導入をはじめとする全社的なシステムや全事業部のサービスを把握し、必要なサポートを行なっています。中村はイベント事業部の責任者として、合同企業説明会やセミナーの企画運営というアカリクを支える事業をリードしています。

創業期からアカリクの成長を支えたふたりが語る、変わること変わらないこと

▲ビジョンに共鳴した同志だからこそ、現場の力で会社を変えていく

アカリクのミッションは「知恵の流通の最適化」。つまり高度研究機関において日々産み出される「知恵」を広く社会・産業界につなぐことで価値を創出し、最適に流通させることです。

社員が50人規模となった今のアカリクですが、このミッションをさらに拡大していく第二創業期を迎えています。

2018年現在、畠野は入社9年目、中村は7年目を迎え、それぞれの特性を活かした業務をリードするようになりました。アカリクの創成期メンバーとして、さらなる変化を遂げようとするアカリクをふたりはこう語ります。

中村 アカリクは現場の力で変わる会社だと思います。誰かが何かを言ってガラッと変わる変化ではなく、だんだんと効率よく働きやすくなったなという感覚です。まさに現場が変えていったという感触ですね。

畠野 入社当時の確固たる仕組みがなかった頃と比べると、顧客管理システムが整い、ノウハウもたまり、効率化し、良くなっていると思います。

あと、これはベンチャーならではかもしれませんが、早い段階で自分を成長させられることは、昔から変わらないアカリクの魅力だと思います。年齢や社歴に関係なく、プロジェクトの責任を持つことで、自分の成長を肌で体感してもらいたいと思っています。

アカリクの“生き字引”と呼ばれる古参メンバーになったものの、ふたりの思いは、より熱を帯びていきます。

中村 イベントを『知恵の流通の最適化』のためのインフラにもっともっと近づけたい。合同説明会に出るのが面倒だという学生の声も耳に入りますが、イベントの企画や開催時期を練ることで『アカリクのイベントに出ると良い情報が効率よく入るな』と思われるようにしたいです。

畠野 今はCloud LaTeXのサービス運用や挑戦的なプロジェクトに取り組んでいます。入社以来ずっと「知恵の流通の最適化のために研究者のサポートをしたい」という目的はぶれずにやってきたので、アカリクの良さをもっと伝えていきたいです。

とはいえボランティアではなくビジネスですから、そのバランスを取り、社内でも知恵の流通の最適化をはかりながら事業を進めていきたいと思っています。会社に同じマインドの人を増やしていきたいですし、私自身もマネジメント業務だけでなく、つねに最前線の現場に存在していたいです。

大学の同級生から塾講師のアルバイト仲間、バンドのメンバー、そしてアカリクの同僚へ。ふたりはお互いを高めあいながらも、さらなる高みを目指して挑戦を続けています。

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table」

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