「俺のほうがデキる」と、やたらマウンティングしてくる同期がウザい!【シゴト悩み相談室】
キャリアの構築過程においては体力的にもメンタル的にもタフな場面が多く、悩みや不安を一人で抱えてしまう人も多いようです。そんな若手ビジネスパーソンのお悩みを、人事歴20年、心理学にも明るい曽和利光さんが、温かくも厳しく受け止めます!
曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャー等を経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか? 人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。
CASE25:「同期がやたらマウンティングしてきます…」(27歳女性・人材サービス会社勤務)
<相談内容>
入社4年目の27歳女性です。最近、同期の男子がやたら私をマウンティングしてくるのが面倒くさいです。
入社以来ずっと営業。男女関係なく抜擢する社風の中、人より行動し成果を上げることにこだわってきました。頑張りが認められ、今年に入ってチームリーダーを任されるようになり、ますますモチベーションが上がっています。
しかし、同じ営業の同期男子が「お前は今月新規契約○件か?俺はもっと上だぞ」とか、「俺は昨日○時までプレゼンの準備をした」など、やたら張り合ってきます。私の努力や工夫を横目で見ながら真似している感もあるのに、「俺のほうがデキる」アピールがすごくて腹立たしいし、正直ウザいです。私なんて気にせず、自分の道を突き進んでほしいのですが…我慢するしかないのでしょうか?(営業職)
「承認欲求型」は御しやすい。褒めちぎれば大人しくなるはず
マウンティングは確かにウザいけれど、実害はなさそうですね。
彼のような「褒められる」「表彰される」「人の上に立つ」などがモチベーションリソースの人は、とてもコントローラブル(制御可能)。マネジメント側から見ると、御しやすく動かしやすいタイプです。
だから「我慢するしかない」なんて思うことはありません。今の状況を変えるのは簡単、「新規契約、そんなに取ったの!?すごいね!」「やっぱり○○にはかなわないなあ」などと褒めちぎりましょう。
「あまりにあからさまでは?」と思うかもしれませんが、これだけ承認欲求が強いタイプであれば「ようやく俺のすごさがわかったか」と満足するでしょう。早晩、あなたをマウンティング対象から外す可能性が高いです。「ウザすぎて関わるのもイヤ」と思われるかもしれませんが、それでは同じことの繰り返し。上辺だけ「白旗を上げたふり」をすればいいのですから、サクっとやってしまいましょう。
彼を認めているならば、リーダーに推薦してあげるのも手
もし、ウザいながらもあなたが彼の実績や頑張りを認めているならば、彼をチームリーダーに推薦してあげるのも一つの方法です。
おそらく、「同期なのに、あなたのほうが先にチームリーダーに抜擢された」というのがマウンティングの大きな要因。「私から見ても彼は適任だと思います」と上司に進言すれば、早晩状況は変わるでしょう。
残念ながら「そんなに認めていない」ならば、彼にフィードバックをしてあげてはいかがでしょう?「マウンティングがウザい」ことをズバリ伝えたうえで、そんなヒマがあったらもっと○○を磨けとか、マウンティング行為が周囲にどう思われているか考えたほうがいい、など。関係性の近い同期にしかできない「愛あるダメ出し」をしてあげれば、もしかしたら核心を突かれ、一気に改心するかもしれません。
「マネージャーになるためのトレーニング」と捉えては?
相談内容から推察すると、あなたは営業として非常に優秀で、同期の中でも秀でた存在なのでしょう。
ただ、余計なお世話かもしれませんが、「マウンティングしてくるのが面倒くさい」「真似している感が腹立たしい」など、言葉の端々から「同期の彼を下に見ている」感じが伝わってくるのが気になります。
「私の努力や工夫を横目で見ながら真似している感」が「腹立たしい」と思われる件についてですが、真似をすること自体は決して悪いことではありません。
「まなぶ(学ぶ)は、まねぶ(真似ぶ)」とよく言います。すごいと思う人のやり方を「まねぶ」のは、学びの基本。仕事において真似をするのは非常に前向きな行為です。あなたも新人時代は、デキる先輩のやり方を真似て学んだのでは?
考えすぎかもしれませんが、スーパープレイヤーなあなたが「彼を下に見る」感覚を持ったまま昇進したら、「自分以外は全部無能」と見下すマネージャーにならないかと心配です。そんなマネージャーにならないためにも、同期の彼への対応を「将来のためのトレーニング」と捉えてみてはいかがでしょう?
そんなの面倒くさい!と思われるかもしれませんが、将来マネージャーになったら、彼のようなウザくて面倒くさい部下にも向き合う必要があります(おそらく、そういう部下のほうが多いです)。「今回のことは、将来のための一つのケーススタディだ」と思えば、彼のウザさも前向きに捉えられるのではないでしょうか。
<アドバイスまとめ>
目先のアドバイスとしては次の3つ。
1.認めているならば、チームリーダーに推薦
2.そうでもないならば、愛あるフィードバック
3.ウザいだけならば、褒め殺し
EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭
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